生理前症候群(PMS)と生理中のさまざまな症状
生理・月経が始まる3~10日前から現れる不快な症状は、月経前症候群(PMS)として近年よく知られるように。PMSの症状のひとつにお腹や腰の鈍痛も挙げられるけれど、生理痛とはまた違ったもので、月経が始まるとともに消えていくのが一般的。
生理中にはおもに、プロスタグランジンという体内物質により、いわゆる生理痛や腰痛が現れる。プロスタグランジンには胃を収縮させる作用もあり、これが吐き気やムカつきといった症状の原因にもなるそう。そのほか、生理中によく発生する頭痛の症状については、ホルモンのバランスが変動する際に脳の血管が拡張することで起きるといわれている。
通常、生理4日目以降からは各症状が楽になり、生理後は不快な症状が消えるのが普通。痛みや頭痛、吐き気などが収まらない場合は、婦人科疾患にともなう器質性月経困難症や、その他の病気の可能性もあるので十分に注意しておこう。
あなたはどれ?生理痛・月経痛の痛みのタイプ
通常の生理痛・月経痛の多くは子宮で起こるものなので、下腹部の痛みが一般的。月経に付随して起こる痛みの症状としては、腰痛、頭痛が挙げられるほか、外陰部・股間の痛み、お尻に鈍い痛みを感じたりすることもある。また、子宮内膜症を発症した器質性月経困難症の場合、子宮が卵巣や腸と癒着して卵巣や腸などが痛みむことも。
早めにクリニックを受信して!注意したい症状とは
以下の項目に当てはまる場合は、婦人科疾患が隠れている可能性が。できるだけ早めに婦人科クリニックを受診しよう。
■生理が来るたびに、生理痛がひどくなっている
■生理が終わった後も腰痛や下腹部の痛みが続く
■生理の時に下痢をする
■セックスの時、膣の奥に痛みを感じるようになった
■排便時、肛門の奥に強い痛みを感じる
教えてくれた人
佐々木明香さん
後楽園ウィメンズクリニック院長、日本産婦人科学会専門医。東邦大学医学部を卒業後、慶應義塾大学産婦人科学教室に入局。女性のライフステージに沿った快適な生活をサポートしたいと、生まれ育った文京区で2017年に「後楽園ウィメンズクリニック」を新規開院する。
「大学病院などで研鑽を積んできたことを生かし、思春期から老年期までの女性特有のお悩みに、ピルや漢方などを用いて対応しながら、定期的な自己管理のお手伝いをさせていただくようなクリニックをめざしています」。
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WRITING/ATSUKO HABU