体質によって、月経トラブルの原因“血のよどみ”を引き起こすメカニズムが異なる
“血のよどみ”とは、血のめぐりが滞っている状態。血のめぐりを滞らせる要因は「冷え」が代表的だけれど、実はそれ以外にも、その人の体質に応じてさまざまな要因がからんでいるのだそう。まずは自分にとって、なにが血のめぐりを滞らせる要因となっているのか、次の項目から最もよく当てはまるタイプをチェックしてみて。
【Aタイプ】
□月経血の量が少ない
□月経の後半から月経後にかけてお腹が痛む
□顔色が青白い
【Bタイプ】
□月経痛がひどく、刺すように痛むことがある
□月経血が暗褐色をしている
□肩こりがある
【Cタイプ】
□月経周期が不規則になりやすい
□おなかが張っている
□月経前に乳房が張ることが多い
「Aタイプは体内の血の量が不足している傾向、Bタイプは血がよどんで汚れ、ドロドロになっている傾向、Cタイプはストレスが血のめぐりに悪影響を与えている傾向があると考えられます。症状が気になる人は、ぜひタイプ別の食事ケアを実践してみてください」(上之原さん)
体質に合わせた毎日の食事ケアが月経痛改善の近道に
“血のよどみ”は、毎日の生活習慣を見直すことでも改善できるのだとか。Aタイプに当たる人は、体内で血を作る力が足りない、もしくは血を消耗しすぎているために血の量が不足している可能性が。血を作るとされる黒米、黒豆、黒ゴマ、赤身肉、ニンジン、クコの実などを日頃から積極的に取って。
「血のめぐりが悪いとは、必ずしも“血液がドロドロ”な状態というわけではありません。血の量が少ないために全身に十分な量が行き渡らないということも考えられます」(上之原さん)
Bタイプに当たる人は、血が汚れてドロドロになっているため、月経時に排出されにくく、無理に排出しようとして痛みが生じる傾向が。タマネギやラッキョウなどの辛味野菜を多く取ることが、症状の軽減につながるのだそう。
Cタイプは、ストレスによって血をめぐらせる働きが弱まっている可能性が大。仕事が忙しい人やイライラがある人が、このタイプに当てはまりやすいのだとか。ホウレン草、小松菜、ハーブ類、かんきつ類などを多く取ることが、症状の改善に役立つのだそう。
月経トラブルにおすすめの食材がたっぷり取れる薬膳レシピ
さらにここでは、前出の食材を使ったすべてのタイプにおすすめの薬膳レシピを上之原さんに教えてもらおう。
【クコの実入りエビとパプリカのトマト煮込み】
<材料:2人分>
エビ 中8尾、パプリカ(黄)1/4個、トマト 中1個、紅花 2つまみ、クコの実 小さじ1、タマネギ 1/6個、ニンニク 1かけ、白ワイン 大さじ1、オリーブオイル 大さじ1、塩・コショウ 各適量、黒米 1/4カップ、片栗粉 適量
※妊娠中や月経過多の人は、紅花をレシピから外して。
<作り方>
(1)黒米を水に1時間ほどつけ、鍋に600mlの水と一緒に入れて強火にかける。沸騰したら火を少し弱め、やわらかくなるまでゆで、ザルに上げて水気を切る。その後、塩コショウ、オリーブオイルをからめておく。
(2)ニンニクは薄切りに、タマネギは縦半分に切って薄切りに、パプリカはひと口大に、トマトはざく切りにする。エビの殻をむき、背中に切り込みを入れ片栗粉をもみ込んで汚れを洗い落とし、キッチンペーパーで水気をふき取って塩コショウする。
(3)紅花とクコの実を白ワインにつけ、10分以上置く。
(4)フライパンにニンニクとオリーブオイルを入れて、中火にかける。ニンニクに焼き色がついてきたらタマネギとパプリカを加え、しんなりするまで炒める。
(5)(4)にトマトと(3)を加え、5分ほど煮詰めて塩で味をととのえる。エビを加え、火が通るまで軽く煮る。
(6)器に盛り、黒米を添える。
タイプ別の食材に加えてこのレシピも取り入れて、月経トラブルに悩まされない快適な生活を手に入れよう!
教えてくれた人
上之原静佳さん
薬剤師、漢方ビューティーブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」漢方カウンセラー。携わる「カガエ カンポウ ブティック」や「ニホンドウ漢方ブティック」の展開するハーブティーやスキンケア商品が、4月26日グランドオープンの銀座ロフト2Fで取り扱いスタート。
【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ
毎日がんばる働く女性にプチ不調や悩みはつきもの。そこでみんなが気になる健康法やグッズ、食材やドリンク、悩みの解決法やメカニズム、取り入れたい習慣などを専門家やプロのお話しとともにご紹介。自分のココロとカラダに向き合って、健やかに私らしく。オズモールはそんな“働く女性の保健室”のような存在をめざします
こちらもおすすめ。ヘルスケアNEWS&TOPICS
WRITING/TOMOKO OTSUBO