生理前に「イライラ」「眠気」「だるさ」を感じる人が多い
オズモールのアンケートによると、PMSの経験がある人は約6割。その中で毎月症状がある人は約3割という結果に。症状として最も多かったのが「イライラ」で、「ささいなことでも敏感に反応してしまう」(まりさん/30代・会社員)、「生理が始まって症状が落ち着くと、イライラや情緒不安定があったことに気づく」(こにゃんこさん/30代・会社員)、「生理前はイライラするのでパートナーと別れたりけんかしたりしやすい」(ゆきえさん40代・会社員)といった声があった。
次に多かったのが「眠気」で、「急に眠気におそわれて判断ミスが増える」(catwalkさん/40代・会社員)、「仕事に集中できないくらいの眠気やだるさを感じる」(もんさん/30代・会社員)、「遅く起きて昼寝をしても夜眠れる」(みいさん/30代・会社員)といった声があった。そしてイライラ、眠気に続いて多かったのが「だるさ」。体が重く、そのせいでやる気も出ないといった声が目立った。
女性ホルモンの大きな変動が一因に
PMSは生理前3~10日の間続く精神的・身体的症状で、生理開始とともに症状がなくなったり、軽くなったりする。原因ははっきりわかっていないけれど、排卵から生理までの期間は女性ホルモンの分泌が多くなるのに、生理前になると急激に低下することが一因だと考えられているそう。精神的な症状としては情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、食欲不振・過食などがあり、身体的な症状は頭痛、腹痛、腰痛、むくみ、お腹や乳房の張りなどがある。
オズモールのアンケートではPMSで受診したことがある人は、たったの3%程度。症状の程度にはかなり個人差があるけれど、どの程度だと婦人科にかかったほうがいいの? 婦人科医の上田弥生さんによると「日常生活に支障が出ているかどうか」が、受診の目安になるそう。例えば仕事を休んでしまうほどだったり、出社しても仕事が進まなかったりすれば支障が出ていると言えそう。プライベートでも症状によって家族など周囲の人とのトラブルが増えるようなら、一度受診してみては?
「イライラして周囲の人を攻撃してしまうといった精神的な症状の場合、本人よりも周りに支障が出ることも。自分は気付いていなくても周囲の人から指摘されたら、受診してみてください」(上田さん)
治療の中心は低用量ピル。多くの女性に効果あり
婦人科を受診してPMSと診断されると、治療の中心になるのは低用量ピル。女性ホルモンの大きな変動が一因なので、低用量ピルで排卵を止めて女性ホルモンの変動をなくすことで症状を抑えられるそう。
「低用量ピルはPMSに悩む多くの女性に効果があると言われています。ただし、十分に効果を感じられない方もいるので、その場合は治療方法を変更し、低用量ピル以外の薬を処方することもあります」(上田さん)
ほかのホルモン剤を使用したり、むくみに対して利尿剤、抑うつ症状に対して抗うつ薬など、それぞれの症状に対する対症療法が選択されたりすることもある。
「いつ、どんなときに症状が出たのかを日誌などに記録しておくと、受診の際にも役立ちますし、自分の傾向もわかるので精神的に落ち着くこともあります」(上田さん)
教えてくれた人
上田弥生さん
産婦人科医。不妊治療、一般婦人科治療に携わる。はるねクリニック銀座、天現寺ソラリアクリニックなど複数のクリニックで診療を行う。漢方やアロマをとり入れたセルフケア法にも詳しい。著書に『オトナ女子のためのスメらない手帖』(主婦の友社)。
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WRITING/AKIKO NAKADERA