足腰の冷えが強い場合は精力を補う黒豆の薬膳茶を
冷えのタイプにはいろいろあるけれど、足腰の冷えが目立つ場合は体内に蓄えられている精力(生命力)が低下していることが原因かも。精力は下腹部から腰周りに蓄えられているけれど、体力が虚弱な人や過労、老化などが影響すると低下してしまう。
「精力には体を温める働きがあるため、不足すると足腰が冷えやすくなります。黒豆、黒米、黒キクラゲ、黒糖、海藻類などの黒い食材は精力を補うので、積極的に取るといいでしょう」(成田さん)
このタイプの冷えを改善するには、プーアール茶と黒豆の薬膳茶がおすすめ。作り方は次の通り。
●プーアール茶+黒豆茶の薬膳茶
<材料>
プーアール茶小さじ2、黒豆茶大さじ1、熱湯300~400cc
<作り方>
(1)ティーポットにプーアール茶を入れ、熱湯(分量外)を注ぎ、茶葉が広がったら1杯目は捨てる。
(2)黒豆茶を加えて熱湯を注ぎ、2~3分ほど蒸らしたらティーカップに注いで飲む。
「プーアール茶と紅茶は特に体を温める性質があります。黒豆茶とブレンドしたこの薬膳茶は精力を補って腰周りを温めるほか、月経不順やむくみの緩和などにもつながります」(成田さん)
手足が冷える人はナツメとシナモンの薬膳茶で胃腸をサポート
手足の冷えが強い場合、胃腸の消化機能の低下が原因の可能性が。消化機能が低下すると飲食物をエネルギーに変える力が弱くなるため、エネルギー不足で冷えが生じるのだそう。
「東洋医学では胃腸の状態は手足に反映されると考えられ、手足の冷えは胃腸の不調が関連しているといえます。このタイプの冷えは、胃腸の消化機能を高めることが改善につながります」(成田さん)
脂っこいものや甘いものの食べすぎ、冷たい飲食物の取りすぎ、ストレスなどは消化機能の低下につながるので注意して。消化機能を高めるイモ類、キノコ類、キャベツ、ネギなどをよく取るようにしよう。
そしてこのタイプには、体を温める紅茶に胃腸の調子を整えるナツメと消化機能を高めるシナモンを加えた薬膳茶も効果的。作り方は次の通り。
●紅茶+ナツメ+シナモンの薬膳茶
<材料>
紅茶小さじ2、ナツメ1~2個、シナモンスティック1本、熱湯300~400cc
<作り方>
ティーポットに紅茶、ナツメ、シナモンを入れ、熱湯を注いで2~3分蒸らし、ティーカップに注いで飲む。
この薬膳茶は胃腸の働きをサポートして手足の冷えを解消するほか、精神の安定、腹痛や月経痛などの緩和も期待できるのだそう。
下半身全体が冷えるなら、スイカを使った薬膳茶で余分な水分を排出
下半身全体が冷える人は、体内の水分の巡りが悪くなって余分な水がたまっていることが冷えの原因と考えられそう。水分は重いために下半身にたまりやすく、その水分が冷えるために下半身の冷えやむくみが現れるのだとか。
「このタイプの人は水分を排出する力が低下しているため、水分を取りすぎると体内にたまりやすくなります。飲み物を飲みすぎないように気をつけましょう。また、水分をため込む塩分も控えめを心がけて」(成田さん)
豆類、ウリ類、トウモロコシ、ハトムギなどは、冷えの原因となる余分な水分を排出する食材なので毎日の食事にできるだけ取り入れよう。薬膳茶のおすすめはこちら。
●紅茶+スイカの薬膳茶
<材料>
スイカ60g、紅茶ティーバッグ1袋、熱湯150ml
<作り方>
(1)スイカを一口大に切る。
(2)カップにスイカとティーバッグを入れ、熱湯を注いでふたをして1分半~2分ほど蒸らす。ティーバッグを取り出して飲む。
「スイカには利尿作用があり、余分な水分を排出することが期待できます。温める作用のある紅茶と合わせることで、冷えを解消します。紅茶はスイカの甘みによく合う、上品な渋みがあるダージリンがおすすめです」(成田さん)
夏の冷えは食欲不振や下痢、夏バテなどの不調につながることも。冷えが気になるときは薬膳茶で体を内側から温めて、夏の不調を予防しよう。
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO