夏の冷えは冬の不調の原因に!?食事と生活習慣を改善して夏こそ冷え対策を
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夏の冷えは冬の不調の原因に!?食事と生活習慣を改善して夏こそ冷え対策を

更新日:2020/09/03

蒸し蒸しして暑苦しいのに、手足が冷たくなる夏の冷え。いったいどうすれば改善できるの? 漢方に詳しいカガエ カンポウ ブティック漢方カウンセラーの成田かおるさんに、夏に冷え症になる原因と対策についてアドバイスしてもらった。

夏の冷えの原因はクーラーと冷たい飲食物の取りすぎ

夏の冷えの原因はクーラーと冷たい飲食物の取りすぎ

夏の冷えの原因は大きくふたつあると成田さん。ひとつはクーラーを長時間利用することによる冷え。特に女性は肌の露出が多い服装によって首元や腰周り、足首を冷やしやすく、血(けつ≒血液)の巡りが悪くなりやすいのだそう。

「首元、腰周り、足首などは血管が集まっており、冷えてしまうと多くの血管がギュッと収縮し、血行が悪くなります。すると手足が冷えるほか、血行不良による頭痛、肩こり、生理痛などにもつながります」(成田さん)

もうひとつの冷えの原因は、冷たい飲食物の取りすぎ。アイスやかき氷、キンキンに冷えたドリンク、冷たい麺類や生ものなどは暑さからつい口にしてしまいがちだけれど、これらを取りすぎると胃腸を冷やし、消化活動を低下させてしまう。すると、食べたものがきちんと消化されずに余分な水分となってたまり、冷え、下痢、腹痛、むくみなどを引き起こすのだとか。

「胃腸が冷えて消化機能が悪くなると、食事から十分なエネルギーを補給しづらくなります。すると夏バテや食欲不振を招き、さらに冷たいものが欲しくなるという悪循環に陥ってしまうので注意が必要です」(成田さん)

冬に冷えがつらい人は夏にしっかり温めることが大切

冬に冷えがつらい人は夏にしっかり温めることが大切

こうした夏の冷えは、冬の体調にも大きな影響をもたらすのだとか。

「夏は本来、体内にエネルギーがあふれる季節です。夏にエネルギーがしっかりと生み出されて体内を循環することで、体力が充実し、秋や冬になっても冷えにくく風邪を引きにくい体を作ることができます。しかし夏に冷えがあるとエネルギーが十分に生み出されず、体が虚弱になり、秋や冬につらい冷えや腹痛、長引く風邪、月経痛などに悩まされることにも。冬を元気に過ごすためにも、夏の冷えは解消しておきたいものです」(成田さん)

夏の冷えを解消するために、まずはクーラーで冷やしすぎないように気をつけて。温度設定を低くしすぎず、ストールで首周りの冷えを防いだり、通気性や吸汗性のいい素材のソックスを履いて足首を冷やさないように意識しよう。入浴時はシャワーだけですませずに湯船につかり、体を温めることも大切。

また、胃腸を冷やさないように飲み物はできるだけ常温以上で飲むようにしよう。特にクーラーで冷えた室内にいるときは、できるだけ温かい飲み物を飲んで胃腸を温めて。常温以下の料理を食べるときは体を温めるショウガ、ネギ、シソ、ミョウガなどの薬味を組み合わせて、冷やさないように工夫することもポイント。

暑さ対策は夏野菜などの熱を取る食材で

暑さ対策は夏野菜などの熱を取る食材で

冷えが気になるとはいえ、夏場は熱がたまりすぎると熱中症や夏バテにもつながってしまう。暑さがつらいときは冷やすのではなく、余分な熱を取る食材で対処しよう。

「今が旬の夏野菜には余分な熱を取る食材が多いです。トマト、キュウリ、ニガウリ、ズッキーニ、冬瓜、ナスなどを積極的に取ると、暑さ対策につながります。サラダなどの生野菜ではなく、加熱した常温以上の料理で食べるのがおすすめです」(成田さん)

そのほか、熱を取る食材には小麦、セロリ、大根、豆腐、オカラ、コンニャク、緑茶などがある。暑い日は積極的に取ってみて。


クーラーや冷たい飲食物で冷やしすぎないように気をつけて、胃腸を温め、暑い日は夏野菜などで余分な熱を取る。こうした自然な方法で暑さと上手に付き合うことが、夏の冷えの改善につながるはず。

教えてくれた人

成田かおるさん

漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。

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WRITING/TOMOKO OTSUBO

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります