体が冷えすぎないよう注意!エアコンとの上手な付き合い方とは
女性なら誰もが気になるのが、夏場のエアコン。特に自分で温度設定できないオフィスなどで、体が冷えきってしまって体調が悪くなる人は多い。「エアコンの設定温度はできるだけ高めにしたほうがいいですが、難しい場合には長袖や長めのスカート・パンツで、腕や脚をカバーしたほうがいいでしょう。長時間冷房の中で過ごすと血流が滞り、肩こりにもなりやすいので、電子レンジで温める小豆入りホットパックなどで、首の後ろを温めるのもおすすめです」と飛田さん。
また、冷えを気にして夜間はタイマーでエアコンを切ってしまう人が多いが、こちらはあまりオススメできないんだとか。「タイマーが切れた後に室温が上がりすぎて、しっかり睡眠がとれなくなることも多いんです。低すぎない温度でエアコンの運転は継続したほうが、体には負担が少ない場合もありますね。また、朝から夜までエアコンをつけっぱなしのときには1日数回、数分でもいいので、窓を開けてみましょう。ただ、あまり外気が熱すぎるときは熱中症の危険もあるので避け、朝や夕方以降がおすすめ。体内に酸素を取り込むためにも換気は大切です。その際、数回ゆっくりと深呼吸してみましょう」(飛田さん)。呼吸をしっかり行うと副交感神経が働きやすくなり、夏に崩れがちな自律神経のバランスも整いやすくなるそう。
レジャー先での冷えたビールは要注意!腸を冷やしすぎない工夫を
また、夏はレジャーに出かける機会も増えがち。そんなときにも体調を崩さないようにするためには?「バーべキューやビアガーデン、野外フェスなどでは、冷たいビールをたくさん飲むこともありますよね。冷たい飲み物をたくさん飲んで腸が冷えてしまったところに脂っこいものを食べると、胃腸の調子を崩すことがあります。冷たいビールやアルコールの合間には、温かい飲み物や、常温で氷の入っていない飲み物を飲むようにして、胃腸を冷やしすぎないように心がけましょう」と飛田さん。
また、胃腸が冷えると食欲も減りがちになり、栄養バランスが崩れることも夏バテの原因になるそう。「食が細くなると冷たくて甘いものを食べるようになりがちですが、甘いものの代謝にはビタミン類、特にビタミンB1が必要になります。消費してしまったビタミンB1を補うため、豚肉や大豆、全粒粉を使った食品などを積極的に食べるのもいいでしょう」(飛田さん)。
自律神経のバランスが乱れると、PMSが悪化することも。夏こそ湯船で温まって、夏バテを防止!
そのほかにも、夏バテに陥らないためにできることって?「生理前には、PMS(月経前症候群)が起こる人もいます。頭痛やイライラ、腹部の痛み、ニキビの悪化などがみられることも。夏バテで自律神経のバランスが崩れていると、こういった症状が強く出る場合もあるので注意しましょう」と飛田さん。特に夏場はシャワーで済ませてしまう人が多いが、暑すぎないお湯にゆっくりつかることがおすすめなんだとか。血流が改善して、自律神経のバランスもよくなり、リラックス効果も高いそう。
「夜に湯船に浸かるのはおすすめですが、できれば眠る1時間半から2時間前くらいまでにすませると、なおいいですね。このタイミングに入浴すれば、眠る前には体温が下がっているため、眠りにスムーズに入りやすくなります。良質な睡眠がとれれば夜間に体をしっかり休めることができ、次の日も元気に活動できるのです」(飛田さん)。
なにかと自律神経のバランスが崩れがちな夏。でも、エアコンや入浴方法など、自分でできるちょっとした工夫で夏バテを回避できることもあるよう。ポイントを頭に入れておいて、夏を元気に乗り切りたい。
教えてくれた人
飛田砂織さん
クリニックシュアー銀座(美容皮膚科・アンチエイジング治療)院長。東京大学等で救急医として従事。救急での重症患者への治療経験から、病気にならないための予防医学の大切さに気付く。2015年クリニックを設立、ナチュラルホルモン補充療法や点滴療法・サプリメント療法などを組み合わせ、健やかに美しくなる最新のアンチエイジング医学を実践。
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WRITING/HIROKO KUROKI