白砂糖たっぷりの夏のスイーツにはご用心。食べすぎのほか、食べるタイミングなどにも注意しよう
前回の「体を冷やす飲み物」の記事で、東洋医学では、食べ物を「陽性」と「陰性」に分けて考えることを紹介した。食べ物においても、「陽性」の食べ物は体を温め、「陰性」のものは体を冷やすという考え方は同じだそう。
「アイスクリームやかき氷などは、その冷たさで体を冷やすのはもちろん、たくさん入っている白砂糖も体を冷やす作用があります。白や寒色の食品は陰性、黒っぽいものや暖色の食べ物は陽性といわれるので、白砂糖ではなく黒砂糖やきび砂糖、てんさい等など、自然の色みのある砂糖が使われているものを選ぶといいですね」と柴田さん。また冷たいスイーツに限らず、スイーツ全般に陰性食品である白砂糖や生クリームを使用したものが多いので、同様に気遣いたいもの。
「スイーツにも料理にも使う、夏が旬のフルーツ&野菜は、体を冷やす働きがあります。なかでも南国で育ったスイカやマンゴー、パイナップルなどは代表格。トマトやレタス、キュウリなども、水分も多く体を冷やす作用が。だからこそ暑い夏に食べるとおいしいのですが、食べすぎには気を付ける、夜寝る前ではなく昼間に食べるなど、少しだけ食べ方に気を付けてあげると、体を冷やしすぎずにすみますよ」(柴田さん)。
根菜や緑黄色野菜は温活の強い味方。しょうがや唐辛子などのスパイスも積極的に取り入れて
それでは、逆に体を温めてくれる食べ物って?「スープなど温かいものはもちろん体を温めてくれますが、夏はなかなかつらいときも多いですよね。温めて食べたくないときでも、根菜や色の濃い野菜なら体を温める効果があると言われています。カボチャの豆乳ポタージュや根菜たっぷりのラタトゥイユなどにすれば、アツアツでなくてもおいしく食べられるうえ、体を温めてくれますよ」と柴田さん。
また、カレーなどスパイスの効いた料理もおすすめだそう。「ニンニクやショウガ、シナモン、唐辛子、山椒(花椒)などのスパイスは、体を温める働きが期待できます。カレー以外にも炒め物やスープに加えたり、麻婆豆腐に花椒を入れてみてもいいですね。体を温めるだけでなく、料理のアクセントにもなり、夏バテ気味で食欲がない日にも食欲の呼び水にもなってくれます」(柴田さん)。
朝は低体温なので、朝食でしっかり体を温めよう!盛夏こそ、食事を抜かずにバランスよく
そのほかにも、この時期に不調にならないために、気を付けたほうがいいことって?「食欲が落ちやすい時期だとは思いますが、朝ごはんはぜひ抜かずに食べてください。朝は特に体温が低くなっているので、しっかり食べて体温を上げることが、1日を元気で過ごすためには大切です。外の暑さと室内のエアコンによる冷えに交互にさらされることで、皆さん自律神経が乱れがちになるので、食事のバランスも崩れやすいとき。面倒だなと思っても、食事を抜いたりせず、いつも以上にしっかり3食、バランスよく食べるようにしてほしいですね」と柴田さん。
食欲がないときには、梅やレモンなどを加えてさっぱりさせる、ミョウガや大葉などの香味野菜を効かせたりするなどで、ぐっと食べやすくなるそう。「とは言っても、冷やし中華やアイスクリーム、スイカなど、夏だけのメニューや旬の食材はおいしいですよね。全く食べてはいけないのではなく、寝る前は食べない、後で湯船に浸かって温めるなど、体が冷えすぎないよう気遣ってあげれば、体調を崩さずに楽しむこともできます。食べる量やタイミングをうまくコントロールして、バテない体づくりを心掛けましょう」(柴田さん)。
教えてくれた人
柴田真希さん
管理栄養士、料理家。漢方養生指導士などの資格も持つ。お料理コーナーの番組出演をはじめ、各種媒体でレシピ・コラムを掲載、食品メーカーや飲食店のメニュー開発やプロデュースに携わるなど多方面で活躍。著書に『私は「炭水化物」を食べてキレイにやせました』(世界文化社)など多数。
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WRITING/HIROKO KUROKI