すぐ効くものから、体質改善できるものまで。その多くの効果を、まずは手軽なものから実感してみよう
そもそも漢方医学とは、中国を起源として日本で独自に発展した伝統医学。この漢方医学で使われるのが誰もが知っている「漢方薬」で、自然界にある動物、植物、鉱物などの薬効のある部分を組み合わせて作るもの。
ちょっと難しそうなイメージがあるけれど、忙しい女性でも取り入れられるの?「温活として役立てるなら、冷えて風邪をひきそうなとき一時的に使う方法と、長年の冷えを改善するために飲む方法があります」と福田さん。速攻効果を期待できるものと、続けることで体質改善もできる、懐の広い効果が期待できるよう。
ただ体質や冷えの原因などによっても人によってあう漢方薬が違うので、確実な効果を求めるなら専門家のところにいくのが本当はいちばん。「でも忙しくて難しかったり、今日はすごく冷えてすぐ風邪をひきそう、などというときには市販の漢方薬も使ってみるのもいいでしょう」(福田さん)。
「桂皮(ケイヒ)」は風邪予防に効果的。紅茶やドリンクにプラスして、香りも楽しもう
それでは、漢方成分のいい働きを簡単に取り入れられる方法は?「いつもの食事や飲みものに、漢方の考え方に合うものを取り入れてもいいですね。取り入れやすい成分としては、『桂皮(ケイヒ)』などもいいでしょう。漢方薬では、風邪薬、解熱鎮痛消炎薬、婦人病薬など冷えが原因とされる病気の薬にもよく桂皮は含まれます」と福田さん。
体の冷えをとり、血のめぐりを促進するする成分が含まれ、紀元前から世界中で活用されてきた、信頼性の高い生薬。「スパイスのシナモンとほぼ同じ香りなので、紅茶やコーヒー、ラテなどに入れて楽しむこともできますよ」(福田さん)。ドリンクを香り高くしたうえ、体を温められるのが女性には嬉しい!
やっぱり「生姜(ショウキョウ)」は温活の強い味方。冷えによる婦人科の悩みには「当帰(トウキ)」を
そのほかにも、取り入れるといいものはあるの?「日常になじみがある生薬もたくさんあり、生姜(漢方でショウキョウと読む)もそのひとつです。体を温めて新陳代謝を高める働きがあるので、冷え性の人は体を温めるために普段の食生活から取り入れるといいでしょう。生で薬味にするだけでなく、加熱調理していろいろな料理に使ってみるのもいいですね」と福田さん。
「また、冷え性のせいで生理痛や更年期障害など、女性独特の悩みがあるときには、『当帰(トウキ)』もいいですね」(福田さん)。セリ科の根を乾燥させたものだが、市販の漢方薬にも冷え症や婦人病のケア用のものなどに配合されていることも多い。パッケージを確かめて選べば、割と手軽に取り入れることもできる。また、中華や台湾の食材店や通販サイトなどでも販売しているので、試しに購入して中華風スープなどに入れてみては? いつもと違う風味を楽しみながら温活も期待でき、一石二鳥も狙えそう。
OZmall編集部からの漢方のすすめ
漢方薬のメーカーのサイトにも簡単に自分の症状にあったものを見つけられるチェックシートなどもあるので、活用してみてもよさそう。ハードルが高そうと敬遠せず、簡単に取り入れる方法も試してみたい。
教えてくれた人
福田千晶さん
医学博士、健康科学アドバイザー、日本東洋医学会専門医、日本リハビリテーション医学会専門医。クリニックでの診療のほか、健康アドバイザーとして執筆、書籍や雑誌、テレビ、ラジオ出演などで幅広く活躍。著書に『腰の痛みが治った!』(日東書院)ほか多数。
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WRITING/HIROKO KUROKI