頭痛やめまいが気になる場合は潤いを補給しよう
プレ更年期の症状としてよく挙げられるのは、頭痛、目の疲れ、めまい、のぼせ、不眠、月経トラブルなど。これらの症状に共通する原因として、「潤い不足」があるのだそう。
「不規則な生活や食生活の偏り、過労などが長期間続くと、潤い(水分や血液)が消耗されてしまいます。すると体内が潤い不足になって熱が過剰に強くなり、その熱が頭部に上昇して頭痛やめまいなどの症状が現れると考えられます」(成田さん)
成田さんによれば、次のような症状は潤いが不足しているサインなのだそう。
□夜に手足がほてる
□めまい、または耳鳴りがある
□夢をよく見る
□月経血の量が少ない
当てはまる項目がある場合、潤いを補給することがプレ更年期のケアにつながるのだとか。潤いを補給するには、レンコン、白キクラゲ、クコの実、豆乳、豚肉などの食材を多く取り入れて。
また、内くるぶし上から指4本分上がったところの骨と筋肉の境目にある「三陰交(さんいんこう)」というツボを押すことも効果的。左右の三陰交のツボをそれぞれ親指で強く6秒押し、10回繰り返そう。
漢方薬では「六味地黄丸(ろくみじおうがん)」が、この症状に適しているのだとか。
イライラや憂うつ感が気になる場合はストレス発散が大切
潤い不足に加えて長期間ストレスがたまりつづけると、イライラするなど精神面での症状が現れやすくなるという。ほかにも次のような傾向が見られる。
□怒りやすい、または落ち込みやすい
□げっぷやしゃっくりがよく出る
□お腹や脇が張って痛い
□月経不順
「ストレスがたまりイライラすると潤いを消耗します。そのため上記の症状が気になる場合は、たまっているストレスを発散させるケアがプレ更年期対策にもつながります。好きな香りをかぐ、自分が楽しいと思うことに集中する、ヨガやストレッチなどで胸や脇を中心に体をよく伸ばすなどの方法が効果的でしょう」(成田さん)
食事でケアするなら、ネギ、シソ、ショウガ、ニラ、ハーブ類、柑橘類などの食材を取ろう。ストレスを緩和して精神を安定させる「内関(ないかん)」のツボ押しもおすすめ。手のひらの下の手首のしわの中央から指3本分ひじ側にあるツボで、左右それぞれ親指で強く6秒押し、10回繰り返して。
漢方薬でケアするなら、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」が、この症状にいいのだそう。
刺すような痛みや冷えのぼせがある場合は血行不良の改善を
潤い不足にストレスが加わると、やがて慢性的な血行不良を招く場合があると成田さん。その場合は、次のような症状が見られるのだそう。
□刺すような痛みの頭痛や肩こり、月経痛がある
□下半身は冷えるのに上半身はのぼせる(冷えのぼせ)
□顔色が暗い
□月経血にレバー状の塊がある
「血行不良は冷えや運動不足によっても引き起こされるので、体を冷やさないこと。そして、腰回りをよく動かす運動を心がけることも大切です」(成田さん)
血行不良の改善をサポートする食材には、黒豆、タマネギ、ラッキョウ、黒キクラゲ、モモ、ターメリック(ウコン)などがある。これらの食材を積極的に取るほか、血行を促進する「血海(けっかい)」のツボ押しも行ってみて。まっすぐに立ってひざに力を入れたときに両ひざの内側にできるくぼみの部分で、椅子に座った状態でこのツボを親指でほぐすように6秒間押し、10回繰り返そう。
漢方薬でケアする場合は、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」が適している。
なお、漢方薬によるケアは、体質などによって適するものが変わる場合もあるので、専門家に相談してみるのがおすすめ。
このようにプレ更年期症状は、体質や生活習慣の違いによって原因や対処法が異なるもの。自分の症状に合わせたケアを上手に取り入れて。
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO