女性ホルモンの変動によっておこる不調を、サポートしてくれる「エクオール」
妊娠・出産を司る女性ホルモン。「妊活に関係するだけでなく、肌や髪のハリや骨の丈夫さを保つ働き、メリハリのある女性らしい体を作るなど、女性の体の多くの部分に関わっています。年齢とともに女性ホルモンは減っていきますし、若くてもホルモンバランスが乱れたりすると働きがうまくいかなくなり、さまざまな不調が現れます」と飛田さん。
そんな大切な女性ホルモンの働きを助けてくれる成分がある、と最近話題なのが「エクオール」という成分。日本人をはじめ、アジア人がよく食べる大豆食品から生まれるこの成分が、女性の体を多方面からサポートしてくれるという。
「日本人女性は欧米より骨粗しょう症の発生率が少ないと言われますが、その理由は大豆製品をよく食べることと関係あるといわれます。最近その働きのもとになっているのが『エクオール』という成分であるとわかってきたのです。これは大豆の中のソフラボンという成分が、腸内細菌の働きで変化してできたもの。このエクオールが、女性ホルモンのエストロゲンとよく似た働きをしてくれるのです」(飛田さん)。
女性ホルモンが果たす多くの働きをエクオールがサポート。肌や骨など、全身の健康に関係
では、エクオールはどんな働きをしてくれるの?「女性ホルモンのひとつ・エストロゲンに似た働きをします。エストロゲンは妊娠に大切なだけでなく、骨や皮膚・血管などを守るなどの働きが。だからエストロゲンが減るとシワやシミ(酸化に関係する)も出やすくなります。もちろん、もともと体にあるエストロゲンと比べるとマイルドな働きにはなるのですが、ここで代わりにエクオールが体内で働くと、シワやシミが軽減する助けになるなど、さまざまなサポートをしてくれます」と飛田さん。
ほかにもPMS(月経前症候群)や生理不順などの不調をやわらげるなど、女性に多いさまざまな不調を助けてくれるそう。「骨粗しょう症なんて先の話と思っている人も多いと思いますが、40代からの女性ホルモンの減少に伴って、徐々に骨密度は低下していきます。腰や脚など大きな骨は60代から急激に減少することが多いですが、顔の骨は実は40代から減っています。先のことと思わずに、ケアを心がけるために、エクオールの働きを知っておくことはいいことだと思いますよ」(飛田さん)。
日本人の2人に1人は体内でエクオールを作れていない!?大豆食品を食べて効果がある人とない人が
それでは、エクオールは「どのようにして取り入れればいいの?「エクオールは大豆のイソフラボンから生まれますが、日本人女性の約2人に1人は腸内で自分で作れます。ただ、約半分の人は腸内にエクオールを作れる細菌がいないため、作れない人も。また、作れていても量が少なくて充分に役立っていない場合もあります」と飛田さん。
体によい影響を与えるためには、1日約10mgのエクオールが必要だそう。大豆食品から摂るなら、豆腐約3分の2丁か納豆1パックを毎日食べれば摂取できる。ただエクオールが自分で作れない人や、毎日そんなに大分食品を食べるのがつらいという人は、どうしたら?
「最近では、エクオールを摂れるサプリメントがいろいろ出てきているので、サプリで補給するのもひとつの手です。薬ではなくサプリなので、安全性も高く取り入れるのもいい案ですね。ただ量が少なすぎたりすると効果が表れにくいので、10mgほどをちゃんととるようにするといいでしょう」(飛田さん)。
エクオールが自分で作れているかどうか、気になる人は、市販の簡単な検査キットもあるので、試してみては?
教えてくれた人
飛田砂織
クリニックシュアー銀座(美容皮膚科・アンチエイジング治療)院長。東京大学等で救急医として従事。救急での重症患者への治療経験から、病気にならないための予防医学の大切さに気付く。2015年クリニックを設立、ナチュラルホルモン補充療法や点滴療法・サプリメント療法などを組み合わせ、健やかに美しくなる最新のアンチエイジング医学を実践。
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WRITING/HIROKO KUROKI