実はよく知らない女性ホルモン。若くても足りなくなることもあるの?
女性ホルモンは、本来妊娠しやすい体を作り、出産へ導くのが役割。しかし、血管や粘膜、骨や脳にも作用し、女性の不調や病気にも深い関わりのもつそう。「女性ホルモンとは、卵巣から分泌される『エストロゲン』と『プロゲステロン』のこと。脳がホルモンを出すよう卵巣に指令し、指令が届くと卵巣から分泌されます。ところが脳にストレスがかかると指令が乱れて卵巣に届かなくなり、ホルモン分泌がうまくいかなくなったりバランスが崩れたりします」と教えてくれたのは、女性ホルモン治療に詳しい医師の飛田さん。
また分泌がうまくいかないだけでなく、その量自体も年齢とともに減ってしまうそう。「左のグラフのように、女性の一生のなかで分泌量は必ず減っていきます。その事実は変えられませんが、年齢が若くてもストレスなどでうまく分泌できない人も多い。年齢に関係なく、女性ホルモンがうまく分泌するように心身のケアをしていくことも大切です」(飛田さん)。
うまく分泌できないとどうなる?働く女性が気になる不調に関わりが
では、女性ホルモンのバランスが乱れると、どんな不調がでるのでしょう? 「生理周期が乱れたり、イライラや気分の落ち込みなど生理前の不調につながります。結果として不妊症の予備軍になる可能性も」と飛田さん。
また女性ホルモンは、妊娠・出産以外にも肌や爪、骨なども守っているそう。コラーゲンの生成を促して肌のハリを保ったり、骨を丈夫に保つ働きも。たんぱく質の代謝にも関わるので、分泌が減ってしまうと薄毛の原因になることもあり、肌荒れや骨粗しょう症予備軍になる可能性も。「さらに女性ホルモンは自立神経とも連動しているので、不眠やプチうつなど、メンタル面の不調も招くこともあります」(飛田さん)。
睡眠の質を上げることで、ホルモンケアもできる!?今夜からできる睡眠ケア
女性の体を守ってくれている女性ホルモン。健康的なバランスを取り戻すために、すぐにできるケアは? 「女性ホルモンのバランスが崩れると、よく眠れなかったり途中で起きてしまったり、質のいい睡眠がとれなくなることがあります。そこで、まずお風呂のタイミングは眠る90分前までに。入浴後すぐに寝ると体温が高いままなかなか下がらず、寝付きにくくなります。またテレビやスマホは、ライトが脳に刺激をあたえたり、交換神経が刺激されて入眠しずらくなるので、眠る2時間前までにするのも効果的です。寝る前の軽いストレッチも、リラックス効果があるのでおすすめです」(飛田さん)。
睡眠がしっかりとれると、ホルモン分泌は正常になるように促されるそう。しっかり睡眠をとって、ホルモン美人をめざそう。
教えてくれた人
飛田砂織
クリニックシュアー銀座院長。東京大学、北里大救命救急センターで救急専門医として従事。救急での重症患者への治療経験から、病気にならないための予防医学の大切さに気付く。2015年にクリニックシュアー銀座を設立、ナチュラルホルモン補充療法、点滴やサプリメント療法などを組み合わせ、健やかに美しくなる最新のアンチエイジング医学を実践。
【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ
毎日がんばる働く女性にプチ不調や悩みはつきもの。そこでみんなが気になる健康法やグッズ、食材やドリンク、悩みの解決法やメカニズム、取り入れたい習慣などを専門家やプロのお話しとともにご紹介。自分のココロとカラダに向き合って、健やかに私らしく。オズモールはそんな“働く女性の保健室”のような存在をめざします
こちらもおすすめ。ヘルスケアNEWS&TOPICS
WRITING/HIROKO KUROKI