肌が乾燥するのは洗いすぎや自分の保湿力の低下が原因に
肌が乾燥すると、化粧ノリが悪くなったり、しわの原因になったりするほか、肌のバリア機能が低下して、さまざまな肌トラブルを引き起こすことに。肌の乾燥を防ぐためには、保湿ケアが大事だけれど、「しっかり保湿しているつもりなのに肌がカサカサする」ことはない?
「考えられる大きな原因としてはふたつあります。ひとつは洗いすぎによって必要な皮脂や細胞間脂質まで洗い流してしまっていること。もうひとつは自分自身の保湿力の低下によって、保湿ケアだけでは不十分になっていることです」(慶田さん)
洗顔後に肌がつっぱったり、カサカサしたりする場合は、洗いすぎの可能性があるので要注意。洗浄力が弱い洗顔料やクレンジング剤に変えるほか、肌にやさしい泡洗顔を心がけて。
自分自身の保湿力を上げるには?
自分自身の保湿力の低下については、さまざまな要因が考えられるそう。そもそも肌の表面にある角層は、「細胞間脂質」「天然保湿因子」「皮脂膜」という3つの要素によって、水分が保持されている。なかでも水分保持の決め手となるのが、細胞間脂質の主成分となるセラミド。
「角層はターンオーバーによって生まれ変わっていますが、加齢や栄養不足、睡眠不足、過剰なストレスなどの要素によって、ターンオーバーがスムーズにいかず、角層の潤いがキープされにくくなっていくのです。一つひとつの影響は小さくても、組み合わさると、肌は揺らぎます」
栄養不足、睡眠不足、ストレスについては生活習慣を見直すことで改善できるもの。細胞間脂質の材料はコレステロールなので、油を制限するようなダイエットをしていると、当然細胞間脂質は不足することに。また、天然保湿因子の材料はアミノ酸なので、たんぱく質が不足しないように心がけることも大切。
一方加齢によってターンオーバーのサイクルが低下するのは、あきらめるしかない?
「ケミカルピーリングでターンオーバーのスピードを上げることができます。ホームケアであれば、レチノールがおすすめです。連続して使用しているとターンオーバーが整い、角層が生まれ変わります」(慶田さん)
間違った保湿ケアによりトラブルを引き起こすことも
保湿を十分しているつもりなのに、肌が乾燥する原因としてほかに考えられるのが、間違った保湿ケア。
「ローションパックは、肌が比較的強い人にとっては効果的な保湿ケアですが、敏感肌の人にとっては、トラブルを引き起こす原因になることもあります」(慶田さん)
バリア機能が低下している敏感肌の人は、ローションの成分が浸透しすぎてしまうことがあり、それが刺激となって肌荒れを起こしやすいのだそう。肌がカサカサするので乾燥していると誤解されがちだけど、実は肌荒れを起こしていたということも。
また、皮脂の分泌が多いオイリー肌タイプの人も要注意だそう。
「皮脂の分泌が多いからといって化粧水しかつけない、クリームを少量しかつけないなど保湿を控えめにすると、肌は乾燥することに。角層の水分を保持しているのは、皮脂ではなく細胞間脂質と天然保湿因子がメイン。このふたつが不足すると、いくら皮脂の量が多くても肌は乾燥するのです」(慶田さん)
肌の乾燥に悩まされている人は、日ごろの保湿ケアや生活習慣を見直して、潤いのある肌をめざそう。
教えてくれた人
慶田朋子さん
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会レーザー専門医。東京女子医科大学病院皮膚科、聖母病院皮膚科、などで勤務したのち、2011年に現クリニック開設。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」を叶える美容皮膚科医として多くの患者から厚い信頼を得ている。皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などのわかりやすい解説が好評。著書に『365日のスキンケア』(池田書店)、『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。
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WRITING/AKIKO NAKADERA