約9割の人が感じている体のゆがみ。太りやすさにつながることも
オズモールのアンケートによると、体のゆがみを全く感じていない人は約10%。約90%の人は程度の差はあるけれど、ゆがみを感じているという結果に。「鏡を見ると左肩が下がっている」「脚の長さが左右で違う」など、見た目の左右差を気にしている人が多かった。
才原さんによるとゆがみは見た目だけの問題ではなく、〝太りやすさ″につながるのだそう。
「ゆがんでいるということは、筋肉を使えている部分と使えていない部分の差があるということ。筋肉は使っていない部分が多いと体脂肪を代謝する能力が下がり、脂肪の成長を促してしまうのです。また食事制限や生活習慣の乱れなどで、やせにくくなったと自覚される人はバランスのよい食事への見直しや、腸内環境を整えること、良質な睡眠も大事です」(才原さん)
肋骨が下がると下腹ぽっこりの原因に
特に下半身太りにつながりやすいのが、肋骨のゆがみだそう。
「首が前に出ていて背中が丸まっている姿勢を長時間続けていると、肋骨の位置がゆがんで下がっていきます。すると肋骨から股関節にかけて付着している大腰筋(だいようきん)が、うまく収縮せずに機能しなくなります。大腰筋が使えないと、歩くときに脚の筋肉だけを使うことになり、お腹周りに脂肪がついたり、太ももの外側に余計な筋肉がついたりしやすくなるのです」(才原さん)
長時間のPCやスマホ作業で、現代人の多くは肋骨が下がっているそう。では、自分の肋骨が下がっているかどうかをチェックするにはどうすればいい?
「肋骨が下がっている人は、立ったときに背骨のS字カーブがきつくなります。S字カーブをチェックするには、壁に後頭部と肩甲骨と骨盤を当てて立ってみてください。かかとは壁より少し前に出ていてOK。手のひらを下に向けて床と平行にしたときに、首の後ろに指が3本以上、背中~腰の後ろに壁に向けた手のひらが2枚以上入る場合は、S字カーブがきつく、肋骨が下がっている可能性が高いです」(才原さん)
肋骨を引き上げて大腰筋を働かせるエクササイズ
そこで才原さんに教えてもらった肋骨を正しい位置に戻すエクササイズが、次のふたつ。
肋骨引き上げエクササイズ
1:立った状態で肋骨や内臓を引き上げるように、両腕をまっすぐ、できるだけ上に伸ばす。
2:右ひざを上げて直角くらいに曲げ、胸に近づけたら、そのままかかとをお尻に近づけるように、体の後ろ側へ。これを30回繰り返し。腰が反らないように、骨盤の向きが床と垂直になるように意識して。左脚も同様に。片脚で立っているのが難しい人は、壁際に立って両腕は上に伸ばしつつ、壁に手を当てて行ってもOK。
大腰筋を活性化させるエクササイズ
1:〝壁ドン″するように、両手を肩の高さくらいで壁について肩を下げて胸を張る。右脚はまっすぐ後ろに伸ばし、前側の左脚はひざを軽く曲げて。
2:右ひざを胸に近づけるように、前蹴りして、1の姿勢に戻す。1秒に1回蹴り上げる程度のスピードで30回繰り返し、ひざが内側に入らないように注意して。左脚も同様に。
肋骨が正常な位置に戻ると、お尻も引きあがるので、ヒップアップ効果も大。肋骨のゆがみを改善して、下半身の筋肉を活性化させよう!
教えてくれた人
才原洋子さん
スタイルアップトレーナー、株式会社YOHKO代表。Studio-SOU赤坂店・少人数ピラティスBMP主宰。ボディメイクトレーナー、小顔美容矯正士、SOU認定スタイルアップ矯正士、BESJマットピラティスマスタートレーナー、マスターストレッチなど。解剖、生理、栄養学など科学的根拠をもとにしたボディメイクが好評。
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WRITING/AKIKO NAKADERA、ILLUSTRATION/CHIKA SHIBA