体の中心にある骨盤。太りやすくなるだけでなく、O脚や顔のバランスにも影響が!?
では、骨盤ってどう体に関係しているの?「骨盤は背骨を支えて股関節とつながり、上半身と下半身のかけ橋のような役割を担っています。この体の中心にある骨盤がゆがむと、骨や筋肉はバランスをとろうとして体のあちこちにひずみが生じ、そのせいで体内の循環が悪くなり老廃物もたまりやすくなります。代謝が落ちて、太ったりむくみやすくなる原因にもなるのです」とkyoさん。
また、足を動かす股関節も骨盤のくぼみとつながっているので、骨盤の乱れは股関節にも影響し、下肢の動きもスムーズさがなくなり、活動代謝にも影響が。また、O脚やX脚、下半身太りの原因にもなるそう。「さらに、背骨を通して頭蓋骨ともつながっているので、骨盤のゆがみが頭蓋骨にも影響を与えることもあります。笑ったときに口角の上がる位置が左右で違うなど、顔の左右差が気になるときは、骨盤を整えるようにするといい効果が出ることも多いのです」(kyoさん)。骨盤は、無意識のうちに体にさまざまな影響を与えているよう。
自分でできる簡単チェックで、骨盤が「立っている」正しい位置をキープしよう
では、どのようなことに気を付ければいいの?「よく『骨盤を締めましょう』と言われることも多いのですが、それよりも『骨盤を立てる』意識が大事です」とkyoさん。「骨盤を立てるというのは、日本人に多い猫背のために骨盤が前傾になっていたり、左右に傾いたりせずに、理想的な位置にあるということです」。
骨盤の理想的な位置とは、
1.右や左に傾かず水平
2.前や後ろに傾かず適切な角度にある
3.骨盤が正面を向いている
この3つを満たした状態のこと。
自分で簡単にこの位置を確認するには、壁に背をつけて立ってみるのが一番。壁の前に立ち、後頭部、肩甲骨、お尻、みぞおちの背中側を壁にくっつけてみて、壁と腰の間に手のひら1枚分ほどの隙間がある状態。この姿勢の時の骨盤の位置が「骨盤が立っている」と覚えておこう。
「始めは違和感を覚えるかもしれませんが、意識して繰り返すうちに体が覚えていきます。この状態をキープできるようになれば、さまざまないい効果が期待できます」(kyoさん)。
疲れた夜におすすめ!「骨盤ゆらゆら体操」でゆがみリセット&質のいい睡眠を
ほかにも、自分でできる簡単なケアは?「骨盤は1日のサイクルにあわせて開閉しています。活動が始まる朝は骨盤が閉まって体が引き締まってテンションがあがり、反対に夜は骨盤がゆるみ、リラックスして体と心を休めるようになっているのです」とkyoさん。しかし1日のストレスや疲労、運動不足による筋力低下などによって、骨盤が硬くなって緊張したままだと、骨盤がゆるままないのでリラックスできず質のよい睡眠もとれないことに。
そこでおすすめなのが、夜寝る前に骨盤をゆるめる「ゆらゆら体操」。やり方は簡単、仰向けになって両ひざを抱えて左右にゆらゆら揺れるだけ。「骨盤の左右の差をならすような意識で、体全体を左右にゆらします。1日のハードワーク間にできてしまった骨盤の左右の差を自分で調整できるほか、骨盤のまわりのこりをほぐし、その日のうちにゆがみをリセットできます。骨盤がゆるみやすい夜に行うのがおすすめです」(kyoさん)。
教えてくれた人
kyoさん
ボディワークプロデューサー。25年以上の指導経験をもつ。解剖学、整体などさまざまな分野からも学び、オリジナルメソッド「ビューティ・ペルヴィス」を考案。認定スタイリストを全国に輩出し続ける。スタジオ「b-i STYLE」を外苑前にオープン。著書に『いつまでも美しくいたければ女は骨盤を立てなさい』(日本文芸社)など多数。
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WRITING/HIROKO KUROKI