発酵食品は腸内環境を整え、さまざまな健康効果も。なかでも味噌は、手軽に取り入れられる優秀食品
漠然と体によさそうなイメージをもっている「発酵食品」だけど、本当はどう体にいいの?「発酵食品には、乳酸菌をはじめとする『善玉菌』が豊富に含まれています。発酵食品を食べて腸の中の善玉菌の割合を増やすことによって、腸内環境がよくなります。腸内環境が整うことによって体の免疫力が高まり、生活習慣病予防にも役立つほか、便秘解消やそれに伴うダイエット効果、肌トラブル解消などの美容効果も期待できるんです」と藤原さん。発酵食品を摂ることは、健康や美容を保つ強い味方になるよう。
なかでも「味噌」は、日本人が昔から親しんできたなじみ深い発酵食品。大豆に米、麦などの穀物、塩と麹を加え、発酵させてできる自然食品だ。「原料となる大豆には、良質なタンパク質や、女性ホルモンと似た働きを持つイソフラボンなどが含まれます。イソフラボンは肌や髪のツヤを保ち、骨粗しょう症予防にも効果があるとされている成分です」と藤原さん。さらに味噌は、大豆の成分が発酵によって分解されるので、体内で吸収しやすい形になるのも魅力だそう。「日本人にとって身近な基礎調味料なので、毎日簡単・手軽に摂取できるのも、おすすめの理由です」(藤原さん)。
朝食に味噌汁を飲むと代謝アップ!食事の最初に味噌汁を飲むのも、体調改善&ダイエットの強い味方に
でも、身近なだけに、あまり意識していなかった人は多いはず。どんなふうに食べたらいいの?「味噌汁は、特に朝食に飲むと体温が上がり、代謝をアップして1日を過ごす助けになります。また朝食以外でも、食事の際にはまず味噌汁から飲むと、体が温まって消化吸収機能が活発になります。食事のスタートを体に教えてあげる準備運動のようなものと考えて、最初に飲むのがおすすめですね」と藤原さん。
さらに、野菜たっぷりの具沢山味噌汁にすると、よく噛むという動作ができ、唾液もしっかり出て消化もよくなるそう。さらに具の食物繊維も一緒に摂取できるので、最初に食べることで食べ過ぎ防止になり、ダイエットの味方にもなりそう。
「朝どうしても食べられなくても、市販のものもありますし、オフィスや自宅に『味噌玉』を常備しておくのもいいですね。味噌玉は、手作りのインスタント味噌汁のことです。カツオ節や粉末だしと、味噌、乾燥わかめ、ごまや麩などの乾物食材を合わせ、1食分ずつ丸めてラップで包むだけで完成です。食べるときお湯をかけるだけでいただけるので、オフィスや時間がないときにも、手軽に飲めて便利ですよ」(藤原さん)。
ごはん+味噌汁は、必須アミノ酸を補い合うベストカップル。手軽な発酵食メニューで、夏を元気に乗り切ろう
そういえば、1人暮らしや就職して多忙になってからは、あまり味噌汁を飲んでいなかった・・・という人も多いのでは?「味噌と、日本人の主食『ごはん』は、互いに不足している必須アミノ酸を補い合うことができる、非常にバランスのいい組み合わせです。日本人が昔から食べてきたごはんと味噌汁という組み合わせは、栄養面からみても、ベストなカップリングといえるのではないでしょうか」と藤原さん。
アミノ酸とはタンパク質の構成成分のこと。なかでも必須アミノ酸とは、人間の体内で合成することができないアミノ酸で、食事から摂る必要があります。シンプルなごはん+味噌汁、というメニューは、実は理にかなった栄養優秀食と言えそう。毎食栄養価の高い食事を用意するのは無理・・・という人も、シンプル&簡単な、日本食の基本に立ち帰ってみるのもひとつの手かも?
「ほかにも、甘酒も体内で作れない必須アミノ酸が豊富。さらに代謝に関わるビタミンB群、腸内環境を整えるオリゴ糖なども含みますので、夏バテしやすい時期などにもおすすめですね。発酵食品は味噌をはじめ、納豆や甘酒、ヨーグルト、キムチなどさまざまな食品が日本では身近にあります。毎日の食事に無理なく取り入れられるよう、お気に入りの発酵食品を見つけてはいかがでしょう?」(藤原さん)。
教えてくれた人
藤原朋未さん
管理栄養士、(株)エミッシュ所属。保育園栄養士として勤務し、給食管理や栄養相談などにも携わった経験も活かし、レシピ開発、コラム執筆などのほか、離乳食や乳幼児食をテーマとした料理教室やセミナーの講師も務めるなど、幅広く活躍。ブログ「ママ楽ごはん」にて、子どもの食に関する情報も発信中。
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WRITING/HIROKO KUROKI