ドキドキして頭が真っ白に。「あがり症」の治し方
「極度のあがり症を治したい」とコメントを寄せてくれたのは、オズモール読者・ちちさん。ドキドキして息苦しくなったり、声や手足が震えたりと、人前で過度に緊張してしまうあがり症。「性格だから」と思いがちだけれど、中には治療が可能なケースも。
「社交不安障害といい、人前で過度に緊張してしまい社会生活で損をしやすい方々がいます」と、塙先生。社交不安障害によるあがり症は、精神科や心療内科で処方される薬を飲むことで改善できる。毎日服用するタイプの薬のほか、症状が出たときに服用できる頓服タイプの抗不安薬もあるそう。
塙先生によると、薬を使わずに治療したい場合はカウンセリングの手段もあるとのこと。「カウンセリングによる治療は数年がかりの取り組みになり、健康保険が使えないことも多いですが、人生をより発展的にとらえ直す、重要なプロセスになるでしょう」(塙先生)
鉄不足の可能性も?落ち込みやすく、くよくよしてしまう人の特徴
精神分析の専門家である塙先生によると、くよくよしやすい人にはいくつかのタイプがあるそう。失敗を極度に恐れる完璧主義者であったり、自己愛が強いことも多いと言う。
「そういう自分を受け入れて生きていく道もあります。しかし改善が必要ならばカウンセリングを」と、塙先生。
「落ち込みやすく、いろいろなことを気にしすぎる」とのコメントを寄せてくれた、オズモール読者・ちょんすさん。心のバランスがうまく取れず何らかのトラブルが発生しているようなら、改善に向けて一歩踏み出してみるとよさそうだ。
また、意外なところで注意しておきたいのが鉄分の不足。「閉経前のほとんどの女性が鉄欠乏状態にあり、鉄不足から情緒不安定になることもあります。可能であれば、吸収されやすいヘム鉄を食事やサプリで補うよう意識してください」(塙先生)
自分の気持ちをコントロールできないときは、食生活もチェック
気分の浮き沈みにお悩みのオズネーム・AAAさんからは、自分の気持ちをコントロールする方法を知りたいとのご相談。
浮き沈みが激しかったり、期間が長かったりして日常生活に支障をきたすなら、専門医の診察を受けることが望ましい。双極性感情障害やパーソナリティ障害、性格など、原因によって治療方法は異なる。
病気でないと仮定するなら、血糖値の乱れを整えることで心が落ち着く場合があると塙先生。甘いものや炭水化物が好きな人は、糖質過多によって悪影響が出ている可能性もあるので、食生活を見直してみよう。
また、前述したように、鉄欠乏のせいで情緒不安定になることもあるので、鉄分を積極的に補うよう心がけてみるのもよさそう。
元気な“フリ”で自分のココロから目を背けないために
「つらいときでも元気なフリをしてしまう」と、お悩みを寄せてくれたオズモール読者のArumikさん。周りから大丈夫だと思われてしまい、さらに自分に対しても「元気なフリをする元気があるからまだ平気だ」と踏ん張ってしまうそう。
笑いや笑顔は健康によいとされており、口角を上げるだけでもその効果があると言われている。つまり、元気なフリにはある程度ポジティブな影響があり、その意味でArumikさんの行動は間違ってはいないのだとか。
けれど一方で、「笑っていれば大丈夫と、問題を無かったことにするのはよくありません」と、塙先生は注意を促す。「何に無理をしているのか」「元気でない原因は何か」、自分を客観的に見て根本改善をめざそう。
「深刻な問題を抱えているときは、その道の専門家に相談しましょう」と、塙先生。カウンセリングに足を運ぶことで、問題解決の糸口が見つかる場合もある。
教えてくれた人
塙 美由貴さん
「みゆきクリニック」院長、精神分析的なカウンセリングとオーソモレキュラー療法を併用し、可能な限り薬を使わないメンタル治療を実践している。
精神保健指定医・精神分析学会認定精神療法医・精神神経学会認定医&指導医・認定産業医
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WRITING/ATSUKO HABU