水分補給だけじゃない!?猛暑を乗り切る熱中症予防&対策とは?
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水分補給だけじゃない!?猛暑を乗り切る熱中症予防&対策とは?

更新日:2021/07/28

全国で梅雨が明け、一気に酷暑の夏が到来! 本格的な暑さに体が慣れていないこの時季は、特に熱中症に要注意。炎天下で長時間過ごしたり、激しい運動をしたりしていないのに、熱中症になることも。熱中症の予防や対策について、ニホンドウ漢方ブティック薬日本堂 青山店の薬剤師・漢方相談員、岸直美さんに教えてもらった。

熱中症が起こるのはなぜ?

熱中症が起こるのはなぜ?

そもそも熱中症が起こるのは、脱水が大きな原因の一つ。体温が上がると汗をかくことで皮膚の表面を冷やして体温を下げるけれど、大量の汗をかいて体内の水分を失ってしまうと、汗をかけないために体温が下がらず、熱中症になるというわけ。

脱水状態が続くと、全身倦怠感、吐き気、嘔吐、頭痛などの症状が出ることに。また、汗には電解質も含まれているため、汗をかくと体内の水分だけではなく電解質も失われる。電解質の中でも特に筋肉の収縮を調整する塩分を失うため、脚がつったり、手がこわばったりすることも。

そこで、熱中症予防のカギとなるのが、水分と塩分を補給して、脱水状態にならないようにすること。
「炎天下で運動したり、出歩いて汗をたくさんかいたりしたときは、塩分が含まれているスポーツドリンクを利用するのがいいでしょう。ただし、スポーツドリンクには糖分も含まれているので、日常的な水分補給はお茶や水が基本です」(岸さん)

熱中症を予防する水分補給&生活習慣とは?

熱中症を予防する水分補給&生活習慣とは?

熱中症予防のために重要な水分補給だけど、摂り過ぎによる悪影響も。
「水分を摂り過ぎると胃液が薄まって消化機能が低下し、食欲が落ちます。また、冷たい飲みものを摂り過ぎると、水分代謝のバランスが崩れ、食欲不振のほか、むくみや冷えを引き起こすことも。お腹からチャポチャポと音がしたり、水分を摂ったあとに胃が重く感じられたりするときは、水分過多の傾向があるかもしれません」(岸さん)

特に一気に大量の水分を摂ると、うまく吸収できずに胃腸に負担がかかるそう。そこで、水分補給の際には、“少量をこまめに”を心がけて。また、常温のほうが体内に吸収されやすいそう。

「熱中症を予防するには、水分や塩分補給のほか、食事や休養も大切です。キュウリ、ゴーヤ、冬瓜、スイカ、メロンなど、夏が旬の野菜や果物の多くは、余分な熱を逃がし、体を内側から冷やす働きがあります。さらに余分な水分を排出する働きがある食材も多いので、暑さや湿気対策として、積極的にとり入れましょう」(岸さん)

特にスイカは体の熱を冷ます働きが強いので、夏バテの症状があるときにもおすすめだそう。

お茶タイムを工夫して熱中症になりにくい体に

お茶タイムを工夫して熱中症になりにくい体に

また、毎日のお茶タイムにも熱中症予防を意識して。ハトムギ茶やトウモロコシのヒゲ茶は、体の熱を冷まし、水分代謝をよくするそう。暑さで疲労がたまったり、イライラしたりしているときには、メロン紅茶やモモ紅茶がおすすめだとか。

「フルーツと相性がいいダージリン紅茶にひと口大にカットしたメロン、もしくはモモを加えて。メロンはのどの渇きを潤す働きがあり、のぼせや口内炎に効果的です。さらに利尿作用があるのでむくみ解消にもなります。モモは体を潤す働きがあり、疲労回復や夏バテ対策に向いています」(岸さん)

水分補給だけではなく、生活習慣も意識して、これから続く猛暑を乗り切ろう!

教えてくれた人

岸直美さん

漢方専門店「ニホンドウ漢方ブティック薬日本堂 青山店」薬剤師・漢方相談員。漢方薬から和漢ブレンドティ、スキンケアまで、からだの内外からのトータルケアを提案している。同店地下1階には「薬膳レストラン10ZEN青山店」があり、おいしくヘルシーな薬膳料理が楽しめる。

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WRITING/AKIKO NAKADERA

※記事は2021年7月28日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります