【婦人科医が回答】これって正常?月経やおりものの量、におい、頻度
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【婦人科医が回答】これって正常?月経やおりものの量、におい、頻度

更新日:2021/07/21

デリケートでいつも少しずつ様子が違う生理・おりもの。女性の健康のバロメーターになることも多いけれど、生理やおりものをほかの人と比較するのは難しく、「正常/異常」の判断が難しいことも。そこで今回は「直レディースクリニック」院長で産婦人科専門医の竹村先生に、生理やおりものについて多くの女性が気になっていることを聞いた。

正常な生理の量とは。経血量が減ってきたけど大丈夫?

正常な生理の量とは。経血量が減ってきたけど大丈夫?

一般に、正常範囲の経血量は20~140ml。「普通の量」と言ってもかなりの幅があるそう。

「生理中はナプキンやタンポンなどを使用しているので、正確な経血量を把握するのは難しい」と、竹村先生。経血量をほかの人と比べることも難しいので、自分の経血量が多いか少ないかを迷っている人も多いと言う。

「生理の量が減ってきたのが普通なのかわからず心配です」と、お悩みを寄せてくれたオズネーム・ぽんさん(42歳)。竹村先生によると、以前に比べて経血量が少ない場合は、排卵がうまく行われていない可能性があるそう。

卵巣の機能は年齢とともに徐々に低下し、排卵が行われなくなって閉経となる。妊娠を希望している、または今後妊娠したいと考えている人で、経血量が以前より少ない状態が続いている場合はクリニックを受診しよう。

ココロと生理の関係って?

ココロと生理の関係って?

オズネーム・ときたくさん(48歳)は、精神的に疲れているときに生理が遅れてやってくることや、生理前のイライラが気になっているそう。

一般的に、正常な生理周期は25~38日と言われている。月経不順で婦人科を受診する人の中には、ストレスが原因で一時的に不順になっていることも多いと、竹村先生。クリニックでは、採血をしてホルモンバランスを確認することで、月経不順が女性ホルモンによる影響か、そのほかのホルモンによる影響かを調べることができる。

また、生理が始まる3~10日前から続き、生理が来るとともに弱まったり無くなったりする症状をPMS(月経前症候群)と言う。さらに、精神的な症状がひどい場合はPMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれることも。症状はいくつかあり、いらいら、のぼせ、おなかの張り、下腹部痛、腰痛、頭重感、怒りっぽくなる、頭痛、乳房痛、落ち着きがない、憂うつの順に多いとされている。生活に支障を感じたり、どうしても気になってしまう場合には、漢方薬やピルなどでの治療が可能。

おりものの「普通」ってどんなこと?

おりものの「普通」ってどんなこと?

「おりものの量や色の普通がわからない」とコメントをくれたオズネーム・るるさん(25歳)。竹村先生によると、おりものも月経周期にあわせて変化することを知っておくとよいそう。

子宮頸管粘液と膣の分泌液が混ざったものが、おりもの。おりものは一般的に、生理直後から排卵期に向けて徐々に量が増え、排卵期にもっとも多く分泌され、排卵後は減少する。また、分泌量が少ないときのおりものは乳白色だけれど、量が多いときは透明で伸びのよい粘液になること、下着に付いて乾燥すると黄色っぽくなることも覚えておこう。

やや酸っぱいにおいがするのは、膣内に存在する善玉菌が、ほかの細菌が存在しにくい酸性の環境を保っているからと考えられている。

「おりものの量はかなり個人差があり、時期によっては下着が濡れたり、排便時におりものが流れるように感じることもあるけれど、異常ではありません」と、竹村先生。

おりものがにおうと病気って本当?

おりものがにおうと病気って本当?

膣内や子宮頸部の炎症などの影響により、おりものが多くなったりにおいが気になることがあるという。竹村先生に、よくある疾患の特徴を教えてもらった。

・細菌性膣症:魚が腐ったようなにおいを伴うことがある。膣内の善玉菌により保たれていた環境が崩れて起こる炎症
・カンジダ膣炎:酒かす状のぽろぽろしたおりものが多く出て、強いかゆみを伴うことが多い。カビの一種である真菌が原因の炎症
・トリコモナス膣炎:黄色い泡沫状の悪臭の強いおりものが特徴で、かゆみを伴うこともある。トリコモナスという原虫が原因の炎症

そのほか、クラミジアや淋菌といった性感染症や、おりものの異常で受診し子宮頸がんがわかるケースもあるそう。

「おりものが多いときがある、におうときがある」とコメントを寄せてくれたのは、オズネーム・アニコさん(46歳)。月経周期などによる正常な変化と信じたいけれど、病気のサインである可能性もゼロではない。「ささいなことでも気になることがあれば、ぜひお近くの婦人科を受診されてみてください」(竹村先生)

教えてくれた人

竹村 直也さん

「直レディースクリニック」院長、産婦人科専門医。神戸大学医学部卒業後、クリニックや大学病院勤務を経て開業。約20年に渡り産科婦人科疾患全般の診療に携わる。「患者さんは勇気を振り絞って受診されますので、真摯にお話をお伺いするということを心掛けております」

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WRITING/ATSUKO HABU

※記事は2021年7月21日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります