目の周りには疲れ目に効くツボが集中
目を酷使すると、視界がぼやけたりかすんだりしてくるけれど、ある程度休めば回復するもの。けれども目の疲れがたまって「眼精疲労」の状態になると、充血やかすみ目、ドライアイのほか、頭痛や肩こりなどにも悩まされることに。そうなる前に取り入れたいのが、目のツボ刺激。
「目の周りには、疲れ目に効くツボが集中してあります。PC作業の合間や朝晩のスキンケアの際にツボを刺激すると、目の血流がよくなって視界がスッキリします」(岸さん)
漢方では人間の体を「五臓」といって「肝・心・脾・肺・腎」の5つに分けてとらえるけれど、目は「肝」と関わると考えられているほか、疲れ目は「腎」の機能が低下した状態だとされている。このため肝や腎に効果のあるツボを刺激することで、目の症状が和らぐのだそう。
疲れ目に「攅竹(さんちく)」、かすみ目には「四白」のツボを刺激しよう
疲れ目の代表的なツボが、「攅竹(さんちく)」。眉毛の内側の生え際にあるくぼみ部分で、疲れ目のほか、充血、視力低下、目の奥の痛みなどに効果的。
「両手の人差し指をツボに当て、息を吐きながら両側一緒に3秒かけてゆっくりと押して。これを10回繰り返し。攅竹を蒸しタオルなどで温めるのもおすすめです」(岸さん)
眼球の中央から親指1本分下にあるツボが「四白(しはく)」。「四」は「広々とした」という意味で、「白」は明るさを示す。つまり、四白を刺激することで視力が回復し、四方八方が明るく見えることが、ツボの名前の由来だそう。
「両手の人差し指をツボに当て、小さく円を描くようにやさしく押しもむようにして。1~2分続けたら、同じように反対回りで刺激して」
心身の疲労や睡眠不足が疲れ目の原因になることも
目が疲れてくると、無意識に目頭のあたりを指でぎゅっとつまんだ経験はない? 実は鼻の根元と目頭の間くらいにあるくぼみは、「晴明(せいめい)」と呼ばれる、目の血流を改善するツボ。目の疲れや充血、視力低下、目の奥の痛みなどにも効果を期待できる。親指と人差し指を左右のツボに当て、4~5秒かけてゆっくり押したら、同じく4~5秒かけて戻して。
「漢方では、目はエネルギーのようなものを指す『気』が集まる場所だと考えられています。そして集まった気によって目がよく見えると考えられているので、肉体的・精神的疲労や睡眠不足などエネルギー不足が、疲れ目を引き起こすこともあります。しっかり休養すること、睡眠をとることも意識しましょう」(岸さん)
教えてくれた人
岸直美さん
漢方専門店「ニホンドウ漢方ブティック薬日本堂 青山店」薬剤師・漢方相談員。漢方薬から和漢ブレンドティ、スキンケアまで、からだの内外からのトータルケアを提案している。店舗は全国に展開し、同店は東京・青山エリアに2021年1月25日ニューオープン。
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WRITING/AKIKO NAKADERA