エネルギーを蓄える機能を強化
東洋医学では体の機能を『五臓六腑』に分類して考えるけれど、ウイルスなどの病原体から体を守るために強化したいのが「腎」。
「腎はエネルギーを蓄える働きがあるので、弱ってしまうとウイルスに対抗する体力がなくなり、風邪などを引きやすくなるのです」(成田さん)
腎の機能を補うのが、ヤマイモやクコの実。黒豆も腎の働きを助けると同時に、体内を潤すので乾燥による風邪予防にもなる。そこでおすすめなのが、ヤマイモやクコの実、黒豆を使ったおかゆ。
●クコの実入りおかゆ
<材料:2人分>
ヤマイモ50g、クコの実10g(手に入らなければなくてもOK)、雑穀米1カップ(白米+市販の雑穀ミックスでもOK)、黒豆15g、干し椎茸2個、ホウレン草1/2株、油数滴、塩適量、コショウ少々
<作り方>
(1)米は研いで1時間以上おき、黒豆も水に1時間以上つけておく。
(2)ヤマイモは皮をむいて、1.5cm角に切る。椎茸はやわらかくもどし、薄く切る。
(3)ホウレン草は下茹でしておく。
(4)黒豆のもどし汁に水を加えて1ℓにし、大きめの鍋に入れて火にかける。沸騰したら(1)を入れる。
(5)再び沸騰したら弱火にし、油をたらしてふたを閉め、20分炊く。
(6)クコの実と(2)を加え、塩、こしょうで調味して、さらに20分炊く。
(7)(3)を細かく刻んで加え、火を止めて10分蒸らす。
〝気″の力を強くすればバリア機能が高まる
「ウイルスなどが体内に侵入しないようにするためには、体の表面を巡っている気(エネルギー)の力を強くすることも不可欠」と成田さん。そのためには、サツマイモやナツメを使ったメニューが効果的だそう。
●サツマイモとナツメの炊き込みご飯
<材料:2合分>
サツマイモ150g、ショウガ(薄切り)1枚、ナツメ4粒(手に入らなければなくてもOK)、白米2カップ、もちあわ大さじ1、塩少々
<作り方>
(1)サツマイモはさいの目に切る。
(2)ナツメは手でちぎり、ショウガは千切りにする。
(3)米を研ぎ、炊飯釜に入れ、2合の目盛りに合わせて水加減する。
(4)もちあわ、サツマイモ、ナツメ、ショウガ、塩を加え、30分以上おいてから炊く。
サツマイモは特に皮の部分の栄養価が高いので、皮はむかずに調理して。胃腸の働きをよくするので、疲れていて食欲がないようなときにもおすすめ。
風邪を引きそうなときには体力回復スープを
疲れがたまっていて体がだるく、なんとなく風邪を引きそうだと感じるときってない? そんなときにピッタリなのが「サムゲタン風スープ」。
「鶏肉や高麗人参は、気を補うので、体力の回復に役立ちます。疲れがたまっているときは、胃腸の機能も低下しがちに。鶏肉は胃腸に負担をかけにくいので、疲れているときの重要なたんぱく質源になります」(成田さん)
●サムゲタン風スープ
<材料:2人分>
ナツメ2個(手に入らなければなくてもOK)、高麗人参(スライス)4~5枚(手に入らなければなくてもOK)、鶏手羽元4本、ショウガ(薄切り)1片、ネギ(ぶつ切り)1本、ニンニク2片、塩・コショウ適量
<作り方>
(1)鍋にすべての材料を入れ、かぶるくらいの水を入れて強火にかける。
(2)沸騰したら弱火で1時間ほど煮込む。
(3)鶏手羽がやわらかく煮えたら、塩、コショウで味を調える。
病気になる手前で対処できるのが漢方のメリット。クコの実、ナツメ、高麗人参は、スーパーでは見つけにくいこともあるけれど、漢方ではおなじみの食材。見つけたらぜひ手に入れて、冬を元気に乗り切ろう!
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/AKIKO NAKADERA