秋の過ごし方が寒さを乗り切るカギに!冬が始まる前に整えたい生活習慣
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秋の過ごし方が寒さを乗り切るカギに!冬が始まる前に整えたい生活習慣

更新日:2020/10/28

日中は過ごしやすいけれど、朝晩は冷え込みやすく、冬の足音が聞こえ始めるこの季節。風邪やインフルエンザにかからないためにも、今のうちから生活習慣を整えておきたいもの。漢方に詳しいカガエ カンポウ ブティック漢方カウンセラーの成田かおるさんに、秋から冬の変わり目に気を付けたい生活習慣について教えてもらった。

「陰」の季節はエネルギーを内側に向けることが大切

「陰」の季節はエネルギーを内側に向けることが大切

「東洋医学では、自然界のあらゆるものを「陰」と「陽」の相反する2つの要素でとらえます。どちらか一方だけでは成立せず、互いが常にバランスをとって共存しています。季節や私たちの体にも陰と陽はあり、このバランスを保つことが、美しさと健康の維持につながるのです」(成田さん)

例えば、太陽は陽で月は陰、昼は陽で夜は陰といったように分けられる。季節でいうと、春と夏が陽、秋と冬が陰になる。つまり秋から冬にかけてのこの時季は、陰の季節。

「陰の季節は、陽の季節に外側に向けて発散させていたエネルギーを内側に向けることが大切です。特に秋から冬にかけては、十分な睡眠や栄養バランスのとれた食事によって、エネルギーを蓄えることを意識しましょう。あまり激しい運動や食事制限によるダイエットは、陰の季節には向きません。体を動かすなら、日中の暖かい時間帯にしましょう」(成田さん)

酸味と甘みの組み合わせが体を潤す

酸味と甘みの組み合わせが体を潤す

秋から冬にかけて食事で気を付けたい点はふたつあり、ひとつ目は食べ方。
「秋は食事をおいしく感じられるようになり、食欲が増します。確かに本格的に寒くなる前に栄養を補充しておくことが大切ですが、秋は夏に弱った消化吸収の力が十分に回復していないこともあります。このため、急に食べ過ぎないように、よくかんで食べることを意識しましょう」(成田さん)

もうひとつ気を付けたい点は、食材について。東洋医学では、「血」と「水」が体を潤していると考えるけれど、秋は空気が乾燥しているため、体も潤いが不足しやすくなる。
「東洋医学では、酸味と甘みを組み合わせてとると、血と水に化けて体を潤すと考えます。秋に旬を迎えるブドウや柿、ザクロなど酸味と甘みを兼ね備えた果物や、レモンとハチミツ、梅干しとごはん、酢の物など酸味と甘みを組み合わせた食べ物がおすすめです」(成田さん)

冬は寒さによって老化が進みやすい!?

冬は寒さによって老化が進みやすい!?

東洋医学では体の機能を『五臓六腑』に分類して考えるけれど、寒さによって負担がかかりやすいのが「腎」。秋から冬にかけては腎の働きを助けることも大切だそう。
「エネルギーを蓄える腎が弱ってしまうと、老化が進むと考えます。実際に冷えて血行が悪くなるとくすみ、シミ、クマ、たるみなど、肌の老化が進みます。つまり、冷え対策はエイジングケアにもつながるのです」(成田さん)

腎の働きを助けるには、特に腎のある腰を冷やさないようにすること。薄手の腹巻きや使い捨てカイロなどの防寒グッズを活用して。

また、黒い食材は腎の働きを助けて血行をよくするそう。黒ゴマ、黒きくらげ、黒豆、海藻類などの黒い食材を意識してとるようにしよう。
さらに、驚きすぎたり、恐れすぎたりすることも腎の機能を低下させる原因に。本格的な寒さが到来する前に、心穏やかに過ごすことを心がけよう。

教えてくれた人

成田かおるさん

漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。

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WRITING/AKIKO NAKADERA

※記事は2020年10月28日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります