疲れやすさや集中力の低下は年齢のせいかも
「女性の一生は7年周期」という言葉を聞いたことがある人も多いはず。これは、紀元前200年ごろに編纂された東洋医学の古典の1つにある「男性の一生は8年周期、女性の一生は7年周期」という記述がもとに。それによると女性は「28歳で精神的・肉体的にピークを迎える」「35歳で疲れがとれにくくなる。肌のハリや髪の質が少しずつ衰え始める」「42歳で精神的・肉体的に衰えがみえ始める。白髪が目立ち、皮膚はたるみ、色つやもあせてくる」のだそう。
「35歳以降から心身の衰えを感じ始めるので、しっかりケアしていくことが大切です」(成田さん)
35歳を過ぎると、精神面では、「集中力や記憶力が低下する」「もの忘れや勘違いが多い」「頑固になり思い込みが激しい」「熟睡できず不眠ぎみ」「おしゃれが面倒」といった変化が、肉体面では「以前より疲れやすい」「目が疲れやすく近くがみえにくい」「聴力の衰えや耳鳴り」「髪が細くなり、白髪が増えてくる」「上半身がほてり、下半身が冷える」「尿漏れすることがある」「足腰に力が入りにくい」「肌が乾燥しやすい、シワが気になる」「爪にたて線が出てきた」といった変化が出てきやすいそう。
エイジングケアのポイントは「肝」と「腎」
「東洋医学では体の機能を『五臓六腑』に分類して考えますが、エイジングと関わるのが、『腎』と『肝』。腎は、生命力を維持する役割があり、ホルモンとも深い関係があります。腎が弱ってくると、冷え、むくみ、腰痛、不妊、泌尿器の不調や白髪、薄毛といった症状が出てきます。一方、肝は女性の生理と関わり、栄養をたくわえています。肝が正常に機能していれば、腎の働きも整い、腎が正常に機能していれば肝の働きも整うというように、腎と肝は密接に関係しているのです」(成田さん)
つまり、東洋医学では腎と肝を正常に働かせることが、エイジングケアにつながるというわけ。
「日常的に散歩などの適度な運動をとり入れること、社会と関わりをもって前向きに過ごすことのほか、肝や腎の働きを助ける食材をとり入れることがエイジングケアになります」(成田さん)
黒や赤の食材を意識してとり入れよう
腎の働きを助けるのは、黒い食材。例えば黒米、黒豆、黒ゴマ、小豆、栗、クルミ、ウナギなど。エビ、ラム肉、ヤマイモなども効果的だそう。肝に栄養を補うのは、レーズン、ナツメ、クコの実、ニンジン、赤身の肉などの赤い食材。そのほかナッツ類、ホウレンソウ、コマツナ、イカ、カキ、エビなども肝に栄養を補うそう。
「肝や腎に関わるツボを刺激するのも効果的です。おすすめは三陰交。内くるぶしの上から指4本分上がった骨の後ろ側にあるツボで、全身の血行をよくして、体の冷えをとる効果もあります」(成田さん)
親指をツボに当て、すねの骨に向かって強めに押して。1回6秒、左右10回ずつ刺激して。
体の若さは見た目にもはっきり表れるもの。特に30~40代くらいになると、若く見える人と老けて見える人で個人差が大きくなる。腎と肝をケアして、ゆるやかなエイジングをめざそう!
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/AKIKO NAKADERA