基礎スキンケア用品は同じものを使い続けるべき?変えるべき?
多くのメーカーからさまざまな商品が出ているスキンケア用品。いろいろなものを試してみたくなるけれど、そもそもスキンケア用品は同じものを使い続けたほうがいいの? それとも朝と夜で変えたり、季節によって変えたりしたほうがいいの?
「基礎スキンケア用品に関しては、肌に合うものが見つかっているのなら、それを使い続けるのがいいと思います。シミやしわを改善したい、美白したいなど、機能を求めがちですが、基礎スキンケア用品の基本は、『やさしく洗う』『しっかり潤す』『紫外線対策』。それを守れば、肌のキメが整い、透明感が高まります。わざわざ肌に合わずにかぶれるかもしれないリスクをおかしてまで、変える必要はないのです」(慶田さん)
新しく使ってみたスキンケア用品が肌に合わないと、ザラザラしたりブツブツができたりすることも。
「これは皮膚が炎症を起こしている状態。炎症を繰り返すと、しわができやすくなるなど、老化につながります」(慶田さん)
自分の肌に合った基礎スキンケア用品をベースにしつつ、冬の乾燥が気になるときは保湿力の高いクリームを足したり、美白したいときにはそうした効果のある美容液を追加したり、あくまでオプションとして加えるのがいいそう。
美容液をつけるベストタイミングは?
シミやしわ対策、毛穴ケア、美白など目的に合わせた有効成分が配合されている美容液。高価なものも多いので、効果的なタイミングで使いたいもの。
「スキンケア用品は、通常はサラサラした形状のものを最初に使って、徐々にこってりしたものをつけるのが効果的だといわれています。つまり、美容液は化粧水のあとにつけるのがいいと思います。ただし、どのタイミングでつけるのが効果的かということは、それぞれの商品で化学的な研究がされているものです。化粧水の前につけるといった、イレギュラーな指示がある場合は、その通りにするのが適切です」(慶田さん)
とはいえ、順番に関してはそれほど気にしなくてもいいそう。
「スキンケア用品が浸透するのは、基本的には肌の表面の角層部分まで。違う種類のものをつけても、どうしても肌の上で混ざってしまいます。スキンケア用品に関しては、順番よりもつけ方を意識してください。叩き込んだり、すり込んだり、間違ったつけ方をしている人が多いことが気になります」(慶田さん)
肌をこするような摩擦が加わると、角層が厚くなり、くすんだり毛穴が目立ったりしやすいのだそう。肝斑がある人は、悪化することも。
「化粧水なら500円玉硬貨大くらいの量をパシャパシャと塗って、やさしくハンドプレスを。乳液やクリームはたっぷり塗って、直後は肌がベタベタするくらいにして、20分後くらいに落ち着くくらいがベスト。高価なものだからといって、少しの量をこすりつけるようなつけ方はNGです」(慶田さん)
朝起きて顔を洗うときに洗顔料は必要ない?
朝はぬるま湯だけの洗顔ですませている人が多いかも。余計に洗顔料を使って、必要な皮脂まで洗い流してしまうのが気になる人もいるのでは?
「肌質によります。朝の洗顔は、スキンケア製品の油分と夜の間に出る皮脂を洗い流すことが目的。皮脂が残ったままだと酸化して角層に炎症が起き、キメが乱れたり、くすんだりします。このため、脂性肌の人はもちろん、ノーマル肌や乾燥肌の人も洗顔料は必要です。乾燥肌の人は、洗い方を工夫してみて下さい。皮脂の分泌が多いTゾーンだけ洗顔料の泡をのせてやさしくなじませてから、さっと全体に広げて洗い流すくらいがちょうどいいでしょう。ただし、夜のスキンケアで油分たっぷりのオイルを使用した場合は、乾燥肌の人でも洗顔料でしっかり洗い流すのがおすすめです。肌にオイルが残ってしまうと、酸化して肌を刺激するからです」(慶田さん)
一方、これまでぬるま湯だけの洗顔で、肌の調子がよかった人は、あえて洗顔料を使う必要はないそう。
「ぬるま湯だけの洗顔でトラブルがない人は、おそらくかなりの乾燥肌です。もともと皮脂腺が小さく、アップで見ても毛穴がほとんどわからないようなタイプの人です。ただし、カサカサして粉が出ているような状態は、乾燥肌による湿疹の場合もあれば脂漏性皮膚炎の場合もあります。脂漏性皮膚炎であれば洗顔料でしっかり洗顔することが何よりも大事です。自分では判断しにくいので、カサカサして粉が出ているような症状があり、保湿ケアを1週間続けて変わらないようなら、一度皮膚科を受診して診断してもらうといいでしょう」(慶田さん)
毎日当たり前のようにしていたスキンケアに、誤解があった人もいるのでは? 正しいスキンケアを実践して美肌を目指そう!
教えてくれた人
慶田朋子さん
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会レーザー専門医。東京女子医科大学病院皮膚科、聖母病院皮膚科、などで勤務したのち、2011年に現クリニック開設。最新の医療機器と注入治療をオーダーメイドで組み合わせ、「切らないハッピーリバースエイジング」を叶える美容皮膚科医として多くの患者から厚い信頼を得ている。皮膚の働きや美肌に役立つスキンケア、生活習慣などのわかりやすい解説が好評。著書に『365日のスキンケア』(池田書店)、『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)など。
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WRITING/AKIKO NAKADERA