妊娠中だけではない!不足すると貧血の原因にもなる「葉酸」って?
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妊娠中だけではない!不足すると貧血の原因にもなる「葉酸」って?

更新日:2020/09/24

4月3日は葉酸の日。葉酸というと、妊娠している人にとって大事な栄養素という印象を持っている人が多いはず。確かに妊娠を希望している人や妊娠中の人は積極的に摂取することが推奨されている栄養素だけど、実はそうではない人にとっても必要不可欠な栄養素。その作用や効果的な摂取方法について管理栄養士の米倉礼子さんに教えてもらった。

細胞の増殖や赤血球の合成に関わる葉酸

細胞の増殖や赤血球の合成に関わる葉酸

水溶性ビタミンの一種である葉酸。細胞の新生や増殖に関わるため、特に胎児にとって重要な役割があると言われている。ごく初期の時点だと妊娠に気づいていないことも多いので、妊娠中の人だけではなく、妊娠を希望している人も、日頃からより多く摂取することが推奨されているんだとか。

また、ビタミンB12とともに赤血球がつくられるときにも必要なため、不足すると貧血になる可能性も。葉酸やビタミンB12の不足が原因となる貧血は、よく耳にする鉄欠乏性貧血とは異なり、「巨赤芽球性貧血」と呼ばれている。だるさや動悸、息切れなど一般的な貧血と同様の症状のほか、味覚障害や食欲低下、白髪などの症状が出ることも。

色の濃い葉野菜やレバーなどに豊富

色の濃い葉野菜やレバーなどに豊富

このため妊婦だけではなく、貧血が気になる人も積極的に摂取したい葉酸だけど、どんな食材に多く含まれているの? 
「ブロッコリーやホウレンソウ、アスパラガス、菜の花など緑の野菜のほか、枝豆、納豆、イチゴ、オレンジ、マンゴー、レバーなどにも含まれているので、覚えておくと便利です」(米倉さん)

「日本人の食事摂取基準(2015年版)」だと葉酸の1日の推奨量は240μg(18歳以上の男女)。ブロッコリー100gで約120μg、ホウレンソウ100gで約110㎍の葉酸が含まれているので、1日3食、主食、主菜、副菜を揃えて栄養バランスよく食べていれば、それほど不足を気にしなくても大丈夫なのだそう。
「色の濃い野菜をあまり食べないという人は要注意。手軽に取りたければ、ホウレンソウや枝豆などの冷凍野菜が便利です」

また貧血予防には、ビタミンB12も不可欠。「葉酸もビタミンB12も水溶性で体内に溜め込むことができないため、なるべく毎日取り入れることを心がけてください」(米倉さん)
ビタミンB12は牛乳・乳製品、ツナ缶・サバ缶などの魚の缶詰にも多く含まれているから上手に取り入れたい。

サプリメントを利用する場合は取り過ぎに注意

サプリメントを利用する場合は取り過ぎに注意

妊婦の場合はさらに1日240μgを追加することが推奨されていて、サプリメントで補う人も多いはず。「葉酸は推奨量と耐容上限量の幅が狭い栄養素の1つ。成人女性の耐容上限量は900μg~1000μgです。 サプリメントなどで葉酸をとり過ぎると健康障害を起こすリスクも出てくるので要注意です」(米倉さん)
葉酸を含むサプリメントを複数摂取する場合などには、必ず含有量をチェックして。

教えてくれた人

米倉礼子さん

管理栄養士、株式会社食STORY代表取締役。アスリートや積極的にスポーツに取り組む人を対象に、競技力向上を意識した食生活や健康的な食生活、適切なダイエット方法などのテーマで情報等提供。2008年まではオリンピック選手やジュニア選手などのスポーツ栄養サポートを中心に携わる。2008年以降は、厚生労働省に入省し、栄養・食生活に関する施策の企画立案や推進を担当。2017年には厚生労働省を退職し株式会社食STORYを設立。現在は、アスリートに対するチームサポートをはじめ、施策立案で携わった食育や栄養成分表示事業を展開中。

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WRITING/AKIKO NAKADERA

※記事は2020年9月24日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります