Q.抜け毛が増えてきて心配!女性の抜け毛や薄毛の原因と対策を教えて
加齢や女性のAGA、出産によるものなど、女性の抜け毛の原因はさまざまだけれど、日常生活のなかで注意したいのは「髪の原料不足」。不適切なダイエットによってタンパク質が不足していたり、鉄分の不足で貧血を起こしていたり、偏食のせいで亜鉛が不足している可能性はない?
脂肪分の少ない肉や魚、豆類は、髪の主成分であるタンパク質を摂取できてダイエットを邪魔しないのでぜひ積極的に食べて。鉄分の補給には、赤身肉やレバーを食べるほか、料理に鉄製の鍋やフライパンを使うのもおすすめ。お酢を使った料理ならさらに鉄分を摂りやすくなるそうなので、黒酢煮込みなどのレシピを探してみよう。また、亜鉛は牡蛎やうなぎ、牛肉、豚肉、海藻にも多く含まれている。忙しい毎日、コンビニやスーパーなどの加工食品に頼りがちだけれど、手料理でも外食でも、栄養バランスのよい食事を規則正しく1日3回食べるように心がけたい。どうしても難しい場合は、サプリメントの活用も検討しよう。現在は、育毛効果が実証された専用のサプリメントが販売されており、クリニックなどで購入できるところもある。
また、「甲状腺ホルモン低下や自己免疫性疾患であるエリテマトーデスといった抜け毛が多くなる病気が潜んでいることもあります」と、貞政先生。これらは抜け毛以外の症状を伴っているケースが多いので、気になる人は皮膚科で血液検査をしてもらおう。
そのほか、睡眠不足や喫煙習慣、パーマやヘアカラーで頭皮にダメージがあると抜け毛が増えることがある。自分にとっての優先順位を考えて、頭皮を大切にすることも忘れないで。
Q.白髪を抜くと増えるって本当?白髪を食い止める方法を知りたい!
ずばり「白髪を抜くと白髪が増えるということはありません」と、貞政先生から頼もしい回答。ただし、毛を抜き続けることで毛根の形が変形し、次に生えてきた白髪がうねったりして悪目立ちしてしまうことがあるそう。また、抜き続けるうちに毛根が破壊されて新しい毛が生えてこなくなり、薄毛を招くことも。だから、白髪は抜いても増えないけれど、抜かないのが正解。
毛髪の根本と皮脂腺の間には色素幹細胞があり、そこから生まれたメラノサイトが、ヘアサイクルに合わせて黒色の素となるメラニンを髪に補給している。しかし加齢にともなって色素幹細胞の数は徐々に減少し、最終的に枯渇してしまうのだそう。白髪のメカニズムは、だんだんと明らかになりつつあるものの、いまだ解決策は染毛剤に頼らざるをえない。
将来の薄毛を防ぐためにも、白髪を抜くのは厳禁。数本だけ目立つ白髪がどうしても気になるというときは、白髪を根本でカットしたり、白髪専用マスカラなどを活用してみて。
Q.しっかり洗っているのに頭にフケが!どうすればいい?
フケ症は、医学的には「脂漏性皮膚炎」という病気。マラセチア菌という、誰にでもいる常在菌であるカビが関与している。マラセチア菌は皮脂を好む菌なので、シャンプーで皮脂を洗い落とすことがとても有効だそう。「ミコナゾール硝酸塩という成分を配合した薬用シャンプーがドラッグストアで手に入るので、試してみてもよいでしょう」とのこと。それでもフケが気になるときは、病院でステロイドや抗真菌剤の塗り薬を処方してもらうことができるので、皮膚科に足を運んでみて。
脂漏性皮膚炎の人は、皮脂の調節に有効なビタミンB2とB6が豊富に含まれた豚肉や鮭などの脂身の少ない部分を食べたり、レバーや海藻などを食事に取り入れてみて。過度な飲酒や睡眠不足も皮脂バランスが乱れる原因のひとつ。深酒を避けてよく眠るようにしよう。
そのほか、肌に合わないヘアケア用品によるかぶれが原因のことも多いので、フェイスラインが赤くなっていたりブツブツが出たり、かゆみがあるような場合にはヘアケア用品の使用を控えて様子を見てみるのがおすすめ。
Q.気になる頭皮のベタつきやニオイ。香水などでごまかさず根本的にケアする方法は?
まずはシャンプーの頻度が適切かどうか確認を。髪を洗いすぎるのも良くないということで、洗髪の頻度を下げたりお湯だけで洗っている人もいるかもしれないけれど、髪を洗う頻度が少ないと頭皮の皮脂が多くなりベタつくのは当然。その日シャンプーをすべきかどうかは、気温や湿度、汗をかいたかなどによっても変わるものなので、「毎日シャンプーする」「土日はしない」など画一的に決めず、柔軟に判断を。
また、古くなった油がにおうように、皮脂が残ったままになっていると短時間でも酸化してニオイが出たり、頭皮の常在菌が増殖したりしてニオイが強くなりがち。汗をかきっぱなしにしたり、帽子をかぶりっぱなしにして通気が悪くなっていると菌が繁殖しやすいので、汗をこまめに拭いたり帽子を脱いで風を通したりするようにしよう。
このように、皮脂の分泌と大きく関わっている頭皮のベタつきやニオイ。上記に挙げたようにビタミンB2・B6を多く含んだ脂肪分の少ない食品を食べ、睡眠を充分にとって規則正しい生活を心がけて。
教えてくれた人
貞政裕子さん
サマンサクリニック院長。医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。大学病院での長年の勤務の後、有名美容皮膚科クリニックにて勤務。サマンサクリニックでは、練馬高野台、富士見台など地域に密着した「お肌のかかりつけ医」として、親身でやさしい診療を行う。
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WRITING/ATSUKO HABU