胃に熱がたまっていると発酵臭のような口臭が
東洋医学では、口の中をきれいにしていても消えない口臭は胃に熱がたまっていることが原因だと考えるそう。胃腸は冷やさないことが大切だといわれるけれど、熱が過剰にたまりすぎるのもよくないのだとか。
「胃は食べたものをどろ状に消化する器官です。通常はこのどろ状の消化物は胃の下にある小腸に送られますが、胃に熱がたまると沸騰した鍋のように熱気が上昇しやすくなり、ガスなどが逆流して口から発酵臭のようなにおいを放つようになります」(成田さん)
胃に熱がたまっていると、口臭以外にのどが渇く、冷たいものを好んで飲む、歯ぐきのはれ、口内炎、胸やけ、便秘などの症状が見られることも。
「胃に熱がたまっている人は、食べてもすぐにおなかがすく傾向があるため過食にもなりやすいです。放っておくと肥満の原因にもなるので、早めに対処しましょう」(成田さん)
胃に熱がたまる原因は暴飲暴食とストレス
胃に熱がたまる理由は大きくふたつ。ひとつは暴飲暴食で、特に脂っこいものや甘いもの、辛いもの、お酒などは消化の過程で胃に熱が発生しやすいのだそう。注意点としては脂質や糖分、香辛料、お酒を取りすぎないことだけれど、それ以外にはどんなことに気を付けたらいい?
「過食を防ぐために、食事の時間を決めるといいでしょう。なんとなくダラダラ食べる、なにかをしながら食べる、急いで食べる習慣などは過食につながるので注意して。また、よくかんで食べることを意識すると、満腹感を得やすいほか、胃の負担を少なくすることができるのでおすすめです」(成田さん)
胃に熱がたまるもうひとつの理由はストレス。ストレスの影響を受けると胃を活動させている気(き=エネルギー)の巡りが滞り、熱がこもってしまうとか。このタイプの場合、胸や脇が張るように痛む、イライラしやすいなどの傾向も見られることがある。
「自分の好きな香りをかぐと、滞った気を巡らせることができます。ストレスを感じたときに好きなアロマオイルをティッシュなどにたらして芳香浴をしたり、お気に入りの香りのハンドクリームを塗ったりして気分転換をすると、気の巡りがよくなり胃に熱がたまりにくくなります」(成田さん)
胃の熱を取る食材と天容(てんよう)のツボ押しでケア
食材で胃の熱を取る場合は、シソ、ミント、パクチー、セロリ、フェンネル、陳皮(ちんぴ=ミカンの皮を乾燥させたもの)などを取り入れてみて。お茶やスープにちょい足しすると、胃の負担になりにくいはず。
また、次のビネガードリンクも胃の熱を取るのにおすすめなので、ぜひ試してみて。
●フェンネルと陳皮のビネガードリンク
<材料>
酢100ml、フェンネル小さじ1、陳皮小さじ1、氷砂糖大さじ2
<作り方>
材料をすべて保存容器に入れて冷暗所で4~5日保管すればできあがり。適度に水で薄めて飲んで。
ツボ押しでケアするなら、下あごの角と首筋の太い筋肉の間にある「天容(てんよう)」を押すのが効果的。指先で10秒押し、10回繰り返すと、胃の熱による口臭や吐き気の緩和が期待できる。寝る前や食事30分前に行うのがおすすめ。
胃の熱を取ることは胃腸の働きをよくすることにもつながるので、お口と胃腸のセルフケアとして気を付けよう。
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO