午前中は温かい朝食とホットドリンクで活力をアップ
成田さんによれば、東洋医学では体内の各機能にそれぞれ最も活発に働く時間帯があると考えていて、その時間に合わせた生活習慣を身につけると体調が整いやすいのだそう。
まず午前中は、消化器官にエネルギーが集まる時間帯なので、胃腸の働きをサポートすると心身の活力がアップするのだとか。
「7~9時は胃が最も活発に働く時間帯です。この時間帯にしっかり胃を活動させることで、1日のエンジンがかかります。胃の活動を助けるために、朝食は温かく消化のいいおかゆやスープなどを食べるといいでしょう。スムージー、野菜ジュース、生野菜サラダなどの冷たい食べものの取りすぎは胃に負担がかかるので、朝食にはおすすめしません」(成田さん)
9~11時になると、消化活動によって気(き=エネルギー)や血(けつ=血液)が盛んに生み出される。活力が湧いてくるので体を動かすのに適しているほか、思考力も高まるので大事な仕事はこの時間に取り組むと効率的。ただし、この時間帯におなかを冷やすと気や血が生まれにくく、活力も湧きにくくなるので、午前中は冷たい飲みものを飲まないようにして。消化を促すジャスミン茶などを、ホットで飲もう。
だるくむくみやすい午後は、水分代謝を促すツボ押しを
昼から夕方にかけては、水分の吸収や排泄の働きが活発になると成田さん。特に15~17時は膀胱の働きが最も活発になり、水分代謝が悪いとこの時間帯にむくみやだるさを感じやすいのだそう。
「むくみやだるさを和らげたい場合は、15時頃にひざ裏の横じわの中央にある『委中(いちゅう)』のツボを押してみてください。水分代謝を促すツボで、腰や背中の痛みが気になるときにもおすすめです。椅子に腰かけ、親指をツボにあて体を前に倒し、圧をかけながら押します。1回6秒、10回繰り返し刺激しましょう」(成田さん)
また、この時間帯はトイレで尿の色を確認すると、その日の水分量の状態を知ることができるのだとか。もし尿が濃い黄色の場合は水分が不足気味なので、水分補給を意識して。ホットミルクは体を潤すのでおすすめ。
夕食と入浴を早めにすませれば、早く寝る睡眠リズムに
夕方以降は、体に気、血、水(すい=潤い)を蓄えて心身の疲労を回復させる時間帯。激しい運動を控えてゆったり過ごそう。
「東洋医学では、17~19時に取った食事は体の土台固めになると考えます。質のいい食事を意識しましょう。夕食の時間を早めに調整できる人は、19時までに夕食を取るように意識すると理想的ですね。早く夕食を終えると早く眠気が訪れるようになるので、睡眠リズムを整えやすいというメリットもあります。ただし、夕食は食べすぎると寝つきが悪くなるので、腹八分目に抑えて」(成田さん)
夕食後から就寝までの時間帯は、できるだけテレビやスマホを見る時間を減らしてみて。テレビやスマホを見ることは目の酷使になり、本来この時間帯に蓄えなければならない血を消耗してしまう。
「血を消耗すると不眠やイライラ、ストレス、肌の乾燥などを招きやすくなります。特に21時以降は目を酷使しないように気を付けてください」(成田さん)
入浴の時間は21時頃を目安にすると、23時頃に自然と眠くなり、0時過ぎには熟睡できるように。深夜にしっかりと熟睡することでその日の疲れがしっかり回復され、翌朝に気持ちよく目覚められるようになるのだそう。
生活リズムを整えると免疫力の低下を防げるほか、疲れにくい、太りにくい、ストレスがたまりにくいなどいいことがいっぱい。朝、昼、夜のルーティンを実践して、生活リズムを整えてみて。
教えてくれた人
成田かおるさん
漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」店長、漢方カウンセラー。同店にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO