鼻水やたんの色で風邪のタイプを見極めよう
東洋医学では、風邪のタイプは大きく2つに分類される。ひとつはゾクゾクする寒気が特徴の“寒気タイプ”。もうひとつはのどのはれや痛み、熱っぽさを伴う“熱タイプ”。しかし、寒気と熱の両方を感じるなど、どちらのタイプか判断しづらい場合も。そんなとき「鼻水やたんの色で判断するとわかりやすいです」と、上之原さん。
「鼻水やたんが透明か白っぽい場合は体が冷えていることを示すので、“寒気タイプ”の風邪だといえます。一方、鼻水やたんが黄色く粘っこい場合は体の中に熱がこもっていることを示すため、“熱タイプ”といえるでしょう」(上之原さん)
“寒気タイプ”の風邪なら体を温める食材、“熱タイプ”の風邪なら熱を冷ます食材を取り入れることで、自然治癒力を高めるサポートになる。風邪の初期における対処のポイントとして、ぜひ覚えておこう。
“寒気タイプ”の風邪は、体を温めて発汗を促す食材を
では具体的にどんな食材を取ればいいかというと、“寒気タイプ”の場合はショウガやネギ、シソ、パクチー、シナモンなど、体を温めて発汗を促す食材がおすすめなのだそう。
「温かいうどんやそばに、ショウガやネギをたっぷり盛りつけて食べるだけでも、体がポカポカしてきます。風邪対策としてとてもいいでしょう」(上之原さん)
さらに日々の食生活に取り入れたいのが、体を温める食材をたっぷり取れるスープ。そのレシピがこちら。
●パクチーとタラのスープ
<材料:1人分>
パクチー 2本、タラ 1切れ、和風だし 1カップ、醤油 小さじ1
<作り方>
(1)タラは3等分に切る。パクチーは茎を7mmの長さに切り、葉を別にする。
(2)鍋で和風だしを温め、タラを入れて煮る。
(3)醤油で味を調えてパクチーの茎を入れ、ひと煮立ちしたら器に盛りつけ、パクチーの葉を飾る。
「パクチーは体を温めて発汗を促すほか、消化促進や解毒も期待できます。タラは弱った体力を補います。もし長ネギがある場合は、刻んで(3)でパクチーと一緒に加えるとさらに温まりやすくなるでしょう」(上之原さん)
“熱タイプ”の風邪は、体の熱を冷ます食材と水分補給で対処
一方の“熱タイプ”の風邪の場合は、大根、ゴボウ、味噌、菊の花、くず粉といった体の余分な熱を冷ます食材をたっぷり取り、あわせて水分をしっかり補給することがポイントなのだとか。
「このタイプの風邪は、熱によって水分が消耗されやすいため、水分補給をすることが大切。水分を補給することで汗をかきやすくなり、体内の熱を発散することができるのです」(上之原さん)
そして、毎日の食生活に取り入れたいおすすめのスープレシピはこちら。
●ゴボウのポタージュスープ
<材料:1人分>
ゴボウ 1/8本、タマネギ 1/8個、ベーコン 10g、バター 5g、コンソメスープ 1/2カップ、豆乳 1/2カップ、塩コショウ 適量
<作り方>
(1)ゴボウは薄く輪切りにして、水にさらす。タマネギは薄切りに、ベーコンは7mm角に切る。
(2)鍋にバターを入れて(1)を炒め、タマネギがしんなりしたらコンソメスープを加えて弱火で煮る。
(3)全体に火が通ったらいったん火を止め、あら熱を取ってミキサーにかける。
(4)(3)を鍋に戻して火にかけ、豆乳を加え、塩コショウで味を調える。
「体の熱を冷ますゴボウがたっぷり取れるスープです。さらに豆乳は体の熱を冷ますほか、口やのどなどの乾燥を潤す食材。“熱タイプ”の風邪にぴったりのスープです」(上之原さん)
体調がすぐれないときや食欲がないときも、スープなら食べやすく、栄養もスムーズに体内に吸収されるはず。また、たっぷり作って1食分ずつ小分けにして冷凍すれば、約3週間保存できるので、あらかじめ備えておけるし継続的に取り入れられそう。ごはんを加えて薬膳雑炊にするなどのアレンジも楽しみながら、これからの季節の風邪対策に活かしてみて。
教えてくれた人
上之原静佳さん
薬剤師、漢方カウンセラー。漢方と香りを融合した漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック 日本橋髙島屋S.C.店」にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案している。店舗は東京(上野・日本橋)、仙台、名古屋、京都で展開し、商品は銀座ロフトでも取り扱い中。
【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ
毎日がんばる働く女性にプチ不調や悩みはつきもの。そこでみんなが気になる健康法やグッズ、食材やドリンク、悩みの解決法やメカニズム、取り入れたい習慣などを専門家やプロのお話しとともにご紹介。自分のココロとカラダに向き合って、健やかに私らしく。オズモールはそんな“働く女性の保健室”のような存在をめざします
こちらもおすすめ。ヘルスケアNEWS&TOPICS
WRITING/TOMOKO OTSUBO