朝晩で香りを使い分ければ、乱れがちな自律神経を整える味方に
好きな香りは心地良いもの。でも香りを、体調などを整えることにも役立てることってできるの?
「現代のライフスタイルは、生活のリズムが乱れやすいですよね。そのため、自律神経の不調などにつながりやすい。ですから朝はローズマリーやペパーミント、レモン、グレープフルーツなど気持ちをクリアにして活力を与えてくれる精油を、夜はラベンダーやカモミール、オレンジなど緊張をほぐしてくれる精油を取り入れると、体のリズムが整いやすくなると思います」と岩田さん。
朝晩で香りを使い分けることで、乱れがちな自律神経も整いやすくなるとか。特に夜眠れない人は、コットンやティッシュに精油を1~3滴たらしたものを枕元に置いておくのもおすすめ。または、市販の芳香蒸留水(フローラルウォーター)を枕に吹きかけても。フローラルウォーターとは、植物を水蒸気蒸留して得られる香りのついた水のことで、メーカーごとにローズやラベンダーなどさまざまな種類のものがあるとか。特にラベンダーやカモミールはリラックス作用が高いため、快眠のための助けにもなるそう。肌や髪の毛についてもOKなので、デオドラントとしても使えるのがうれしい。
香りは、女性ホルモンのバランスも整えてくれる強い味方
ほかにも、美容面で役立てることはできるの?
「生理やプレ更年期など、ホルモンバランスに関わるトラブルを和らげてくれることが精油の優れた特徴です。女性ホルモンのバランスが整うと、肌の潤いや血色、髪のツヤなどもアップします。高級なヘアケアやスキンケアを使うのと同じくらいの効果がある、と私は考えているんですよ」と岩田さん。
ゼラニウムやネロリ、イランイランなどの女性ホルモンのバランスを整える作用のある精油を使って、アロマバスなどに浸かるのもおすすめだそう。アロマバスのレシピは、天然塩または黒砂糖などを大さじ2杯容器に入れ、その上から精油を3~5滴たらし、よく混ぜ、バスタブに。香りを吸い込みながら、ゆっくり温まろう。
【アロマバスのおすすめ精油ブレンド】
ホルモンバランスを整える:ゼラニウム2滴、イランイラン1滴、オレンジスイート2滴
冷えやむくみに:スイートマジョラム2滴、ジンジャー1滴、オレンジスイート2滴
眠る前のリラックスに:ラベンダー2滴、ベルガモット2滴、フランキンセンス1滴
脳に直接伝わるのが香りの特徴。ストレス対策にも香りを活用しよう
働く女性は、なにかとストレスも多いもの。メンタル面でも、香りは役立ってくれるの?
「リラックスさせてくれるほか、不安やストレスを和らげる、イライラを抑制して気持ちを安定させる助けになってくれるなど、精油はメンタルの安定にも役立ってくれます」と岩田さん。香りの刺激は嗅覚によって脳に伝えられる。しかし五感のうち嗅覚だけが「考える脳」と言われる大脳新皮質を経由せず、「感じる脳」と言われる大脳辺縁系へとストレートに伝わるのだとか。頭で考えるよりも先に、ダイレクトに気持ちが癒されたり、気分がリフレッシュできるのが、香りの特性だそう。
「忙しい現代女性にこそ、香りをおすすめしたいですね。その日の気分や目的にあわせて香りを選ぶようにすると、揺らぎがちな気持ちをベストな状態にキープすることができます」(岩田さん)。大事なプレゼンの前など緊張するシーンでは、ティッシュに緊張を和らげる精油を付けたものを、胸元やポケットに入れておくのもおすすめだそう。「女性の心と体のバランスは、季節や環境、ライフステージなどとともに変化していきます。アロマやハーブなど天然の素材を使った香りは、そんな心身のバランスを整えるのにおすすめです。健やかな心と体をキープするために、ぜひ植物の恵みを活用してください」(岩田さん)。
教えてくれた人
岩田珠美さん
英国IFA認定アロマセラピスト、日本アロマ環境協会アロマセラピスト・インストラクター。ニールズヤードレメディーズにてセラピスト、スクール講師として勤務、顧客への施術やセラピスト養成講座での技術指導などに携わる。現在「T's room」を主宰、アロマセラピートリートメントのほか、マタニティトリートメントや産後の骨格矯正など、女性のライフステージに寄り添った施術を行っている。
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WRITING/HIROKO KUROKI