夏バテ対策は、エネルギーである「気」を補うことがカギ
東洋医学では、夏バテの原因は体質や環境などによってさまざまな違いがあるものの、主な要因として挙げられるのが「気」(き=エネルギー)の不足と考えるのだそう。漢方に詳しい薬剤師・カガエ カンポウ ブティック漢方カウンセラーの上之原静佳さんによれば、夏バテに直面しているときは、まず気を補う食材を積極的に取るといいのだとか。
「気を補う代表的な食材は、穀類、イモ類、豆類です。夏バテなどで疲れを感じるときは、キビやアワなどの雑穀や玄米、ヤマイモ、ジャガイモ、大豆、トウモロコシ、枝豆、豆腐などをより多く食事に取り入れるといいでしょう」(上之原さん)
気が不足するのは、気を生み出す胃腸の機能が弱っていることが大きく関係している。そのため、胃腸に負担をかけないように心がけることも大切。
「まずはよくかんで食べることを意識し、脂っこいものや生もの、冷たいものなどは、胃腸の負担になるのでできるだけ避けましょう。胃腸の働きをサポートするには、消化吸収を助けて疲労回復も期待できる梅干しがおすすめです」(上之原さん)
毎日の食事に手軽に取り入れられる! 夏バテ解消薬膳レシピ
気を補う食材のなかでも、高い疲労回復を期待できるのがヤマイモ。食材であり、漢方では「山薬(さんやく)」と呼ばれる生薬としても用いられているのだと、上之原さん。
「ヤマイモは『山のうなぎ』とも呼ばれるほど、滋養強壮に優れた食材です。毎日少しずつでも食べることを習慣にすると、夏バテ解消に役立つでしょう」(上之原さん)
そこで上之原さんに、ヤマイモを毎日手軽に取り入れられるレシピを紹介してもらおう。
【ヤマイモの梅肉和え】
<材料:2人分>
ヤマイモ7cm、梅干し1~2個、梅酢 適量
<作り方>
(1)ヤマイモは短冊切りにする。梅干しは種を取り、包丁でたたいてなめらかにする。
(2)ヤマイモに梅干しを加え、粘りが出るまで和える。
(3)お好みで梅酢を加えて味を調える。酸味が強すぎる場合は、みりんを少量加えてみて。
胃腸の働きを助けて食欲を増進する一品なので、毎日の食事にプラスすれば夏バテ解消につながるはず。
エネルギーが湧き出る足裏のツボで疲れを取ろう
食事のケアに加えて、ツボ押しで気を補うことも効果的。特に夏バテの回復におすすめなのは、足裏にある「湧泉(ゆうせん)」というツボなのだそう。
「土踏まずの少し上、足の5本の指を曲げたときにできるくぼみの中央部にあり、“元気が泉のごとく湧き出てくるツボ”と言われています。この湧泉を押すと、疲労回復のほか、むくみ、めまい、不眠などの改善につながります」(上之原さん)
湧泉のツボに両手の親指を重ねて置き、20秒ほど強く押して。これを両足とも10回ずつ行おう。お風呂上がりのリラックスしたときなどに押すと効果的。
もうすぐ8月が終わるとはいえ、まだまだ暑い時期が続くとき。毎日の簡単ケアで、夏バテを上手に解消して。
教えてくれた人
上之原静佳さん
薬剤師、「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」漢方カウンセラー。漢方と香りを融合した漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック」にて、漢方薬からハーブティ、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティケアを提案。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO