日本人に多い、胃の不調はなぜ起こる？
「胃を含めた消化管の働きは、自律神経によってコントロールされています。ストレスや不規則な生活によって自律神経の働きが乱れると、胃が正常に機能せず、不調を感じやすくなります」（刑部さん）
不調を引き起こす胃の機能異常は大きく分けて2つあり、1つ目が「運動機能の異常」。胃の運動がスムーズにできなくなると食べ物が胃内にたまってしまい、胃がもたれたり、すぐに満腹になったりする症状につながるそう。2つ目が「知覚過敏」で、食べ物や胃酸を刺激と感じ、胸焼けやみぞおちの痛みを感じやすくなるのだとか。
「一般的に胃の不調症状の背景にはピロリ菌感染が考えられます。症状が長く続いたり、頻度が多かったりする人は、まず医療機関を受診しましょう。検査をしても異常が見つからなければ機能異常だと考えられます」（刑部さん）
また、日本人は一般的に胃の不調になりやすいと考えられているのだそう。
「欧米人と比べると、胃の底の部分が出口よりも下に下がっている人が多いようです。このため、食べ物が底にたまってスムーズに排出されにくく、胃もたれなどが起きることもあると言われています」（刑部さん）
もともと食べ物がスムーズに排出されにくいうえに、胃の運動機能も低下してしまうと、さらに消化に時間がかかり、不調を感じやすいというわけ。
胃弱対策は、自律神経を整えることがカギ
では、胃弱にならないため、またはなってしまったらどうすればいい？
「自律神経を整えることがポイントになります。そのためには、規則正しい生活を送ること。毎日3食食べて、睡眠時間を確保して十分休養し、適度な運動を心がけましょう。特に朝食は胃を活動させるためにも大切です。また、適度な運動は消化管運動を活発にします。タバコは胃の血流を低下させ、胃に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなってしまうのでNG。度数の強いアルコールも胃の粘膜を傷つけるので控えましょう。体に良い飲酒は、一日一合程度が目安です」（刑部さん）
胃弱の状態のときは、症状を悪化させないために食べ物にも注意したほうがよいそう。
「脂肪分が多い肉類や甘いものは消化に時間がかかるので避けましょう。香辛料は胃の知覚過敏をより敏感にしてしまうので胃弱の人は控えて」（刑部さん）
胃が不調の時にコンビニで手軽に買える食品を編集部がセレクト
胃の運動機能が低下している場合は、消化しやすいおかゆを
コンビニで買えるものとしておすすめなのは、レトルトパウチのおかゆ。
「おかゆはすでに半分消化してあるような状態なので、胃の運動機能が低下しているときでも消化しやすく適しています」（刑部さん）
「味の素KK おかゆ」は、温めずにそのまま食べることもできるので、仕事中のランチにも最適。食欲が落ちていて栄養不足になっているときなら、同時にタンパク質も取れるような「玉子がゆ」がおすすめ。
食欲が低下しているときはのどごしがよいものを
胃弱のときは食欲が落ちがちに。だからといって食事を抜いてしまうと、さらに胃の運動機能が低下してしまうという悪循環に。そんなときは、のどごしのいいとうふがおすすめ。「紀文 とうふそうめん風」は、豆腐をそうめん状にしてあり、水を切って添付のめんつゆをかけるだけで食べられるので便利。消化を助けるためにも食べるときはよく噛んで。
胃弱対策にはヨーグルトもおすすめ
消化がよくコンビニでも手に入る手軽な食品といえば、ヨーグルトがあるけれど、胃弱の人は特に「LG21乳酸菌」を使用しているものを選ぶといいそう。
「LG21乳酸菌は数ある乳酸菌の中でも特に胃酸に強く、胃の粘膜に付着しやすい性質があり、研究では、胃弱の方の症状軽減の効果も期待できるそうです」（刑部さん）
「明治プロビオヨーグルト LG21」は、LG21乳酸菌を使用していて、コンビニでも手に入るのでチェックしてみて。
胃弱の状態が続くと症状に悩まされてつらいだけではなく、栄養が十分に消化・吸収されず、さまざまな病気や症状の引き金になることも。自己判断せずに病院を受診するとともに、生活習慣を見直したり食事を工夫したりして、胃弱状態を改善しよう！
教えてくれた人
刑部優美さん
緒方医院院長。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器学会専門医、日本ヘリコバクター学会ピロリ菌感染症認定医。消化器内科、胃腸科疾患を中心に日常的な病気や生活習慣病の予防や治療、各種健康診断を行う。
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WRITING／AKIKO NAKADERA
