自分の足の「幅」って知ってる?足を健康に保つ基本の3つを知って足トラブルをケアしよう
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自分の足の「幅」って知ってる?足を健康に保つ基本の3つを知って足トラブルをケアしよう

更新日:2020/09/03

多くの女性に覚えがある、夕方の足の疲れやむくみ。それ以外にも、30代になってからかかとの角質が厚くなった、外反母趾がひどくなったなど、年々足のトラブルに悩む女子は増えているよう。足は全身を支える重要な部分だけに、トラブルが深刻になる前にケアしていきたいもの。日々がんばってくれている足をどうケアすればいいのか、フットケアのプロフェッショナル・青山フットケアアカデミー代表の福井さんに伺いました。

9割以上の女性の足にトラブルが。足を健康に保つ「基本の3つ」を知って、強く美しい足に

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「日本の働く女性の90%以上が足に何らかのトラブルをかかえているという調査があります。足のトラブルは外反母趾や巻き爪、タコや魚の目だけでなく、ひざの痛みや腰痛にまで関わってきます」と福井さん。今まではかかとの角質やむくみによる脚の太さなど見た目の観点から足をケアする人が多かったが、足が健康にも深く関わることが知られてきて、健やかでいるためにメンテナンスしよう、という意識を持つ人も増えてきているそう。

「角質やタコをいくら削っても、原因となっている足への偏った負担や摩擦などが解消されない限り、またできてしまいます。ですから大事なのは、足に負担をかけている原因を取り除いてやること。そうすれば、タコや厚くなった角質なども自然に新陳代謝してきれいに治るんですよ」(福井さん)。

それでは、足を根本的にケアするために必要なのは?「基本は3つです。ひとつ目は靴を正しく選ぶこと、ふたつ目は脚をケアすること、3つ目は正しい歩き方にすること。この3つを正しく知って自分のものにすれば、トラブル知らずの足に変わることができます」。逆に、足をがんばってマッサージしても靴が全然合っていなかったりすると、すぐに効果が薄れてしまったりするなど、ひとつだけを気遣ってもほかの負担が足を引っ張ることも。この3つを一緒に心掛けていくことが大切だそう。今回の記事では、まず靴の選び方を、初心者の人でも始められることから教えていただきます。

自分の「幅サイズ」を知っていますか? 足のサイズを知っておくことは一生の財産に

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それでは、靴選びについて大事なことってなに?「皆さんのなかでも、自分の足の『幅』をちゃんと知ってる人はいないのでは? 23cmとか24cmとか、足の縦の長さだけで靴を選ぶことになりがちなので、幅のサイズを意識してほしいですね」と福井さん。日本の規定では靴の幅はA、B、C・・・からEEEE、Fまで9種類あるそう。でも当然すべてのサイズに全部の幅サイズがあるわけではなく、日本でシューズショップに置いてあるものは、一般的にはD~EEなどが多い。EEE(3E)などと書いてあるものは幅広だとわかるが、あとは幅が印字されていないことが多く、よくわからない。

「幅が広すぎたりすると足が前にすべって落ちてしまい、指が圧迫されてよく動かなくなる『前すべり』が起きます。また、かかとが空いて抜けてしまうので、サイズが大きいと思い込んで実際より小さいサイズを選んでしまうことも。そうすると、さらに指がきつくなって負担をかけてしまいます。歩くときに指が動いてしっかり地面とつかめることは、安定性を保つために大切なので、靴と足の幅が合っていることは全身のためにも重要なのです」(福井さん)。同様に縦の長さに関しても、指ギリギリの長さだと指が動けないので、縦サイズにも指先に少し余裕のあるものを選んだほうがいいそう。

「サイズを測ってくれるショップも今はたくさんあるので、一度測ってもらうといいでしょう。その際、データをもらってくるようにしましょう。自分のサイズが分かっていれば、靴を選ぶ際にも、この幅サイズを探してほしいと頼むこともでき、できるだけサイズの合う靴を買うように工夫できます」。健康な足づくりの第一歩として、まずは自分のサイズを知っておくことから始めてみては?

サイズさえ分かっていれば調整も可能に。靴のデザイン選びでも負担を軽減できる

サイズさえ分かっていれば調整も可能に。靴のデザイン選びでも負担を軽減できる

幅サイズのほかにも、気を付けられることは?「日本人は幅広の人が多いと言われてきましたが、最近では幅サイズがAやBなど、細いサイズの人も増えてきています」と福井さん。そういう人は気付かずに幅の合っていない靴を履いていることが多く、指や足に大きな負担がかかり、トラブルを抱えている人も多いそう。また、サイズを測ってはみたものの、自分にぴったりの靴がなかった場合もある。「できるだけ近いサイズのものを選んで、足りないところにはインソールなどを詰めて合わせるのも手。自分のサイズを把握してどこが合っていないのかがわかれば、シューフィッターさんにお願いするにしても調整しやすいはずです」(福井さん)。

また、靴そのものの構造で補うこともできるそう。おすすめは、甲の部分が深いデザイン。足が前すべりしにくい構造だとか。具体的には、靴ひもで締めるタイプのサドルシューズやブーツ、ブーティ。サンダルならサボ、パンプスタイプでもスクエアトウを選ぶなど、できるだけ甲が覆われているものをセレクトするといいそう。ハイヒールは甲の面積も極端に少ないうえヒールがふくらはぎの筋肉、指などに多大な負担をかけるため、極力履く時間を抑えたほうがいいとか。
「若いときはデザイン重視で靴を選びがちですが、その負担が積み重なって30代以降から足のトラブルを訴える人がとても多いのです。もちろん、ヒールを履きたいときもあるでしょう。大事なプレゼンではスニーカーで行って会場で履き替える、デートのときだけオフィスで履き替えるなど、ダメージを少なくする工夫で随分負担は減ります。大人の女性として、靴と賢く上手につきあってほしいですね」(福井さん)。
次回は、フットケアの基本の足のケア方法と正しい歩き方についてお届けします。

教えてくれた人

福井健太郎さん

つくば大学修士課程修了、フットセラピスト、1級フットケアアドバイザー、日本フットケア学会会員。欧米の先進的フットケア理論を学び、数多くの女性の足のトラブルに接する中で、足・靴・歩行を一体とした根本的ケア法「自然療法フットケア(R)」のメソッドを確立。2000年、青山フットケアアカデミー(AFA)を設立し、フットケア法の教授やサロン開業サポートなどに注力。著書は『キレイな足になる3つのヒミツ』(現代書林)、『魅せ脚レッスン』(主婦の友社)等。

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WRITING/HIROKO KUROKI

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります