耳には全身のツボが集まっている
東洋医学では、体の表面には体内の諸臓器につながっている「ツボ(経穴)」が数多く点在していると考えられている。メジャーなツボだけでも全身に300以上あるのだけれど、なかでも耳には全身につながるツボが数多く集まっているのだそう。
「耳の上半分には下半身のツボが、下半分には上半身のツボが集まっています。これらの耳のツボを刺激することで、全身のケアをすることができます」(齋藤さん)
とはいっても、たくさんある耳のツボを一つひとつ覚えるのは大変なこと。そこで、耳をさすったりひねったりするだけで全身のケアができる、簡単な耳のマッサージをご紹介しよう。
起床時の耳マッサージで全身がすっきり
まずは両手のひらをそれぞれ左右の耳を覆うように当て、上下にゆっくりと動かして耳をさすってみよう。
次に、耳を親指と人差し指でつまみ、5~10回程度軽く引っ張って。耳の上部から下部へと、順々に引っ張る場所をずらしていくのがおすすめ。
最後に、耳を軽く握り、その手を前後に回して耳をひねろう。5~6回行って。耳がポカポカと温かくなってきたらマッサージは終了。次第に全身の血行がよくなっていくはず。
「朝目覚めたときに耳のマッサージを行うと、全身がすっきりして気持ちよく起きることができます。また、このマッサージは疲労回復も期待できるので、仕事中に疲れを感じたときにもおすすめ。道具を使わずにいつでもどこでも手軽にケアができますよ」(齋藤さん)
夜寝る前に「聴宮」を押してストレス解消
耳の聞こえが悪い、耳鳴りがするなどの症状がある場合、過労や過度のストレスが原因の可能性が高いのだとか。心当たりがある場合は、「聴宮(ちょうきゅう)」という耳ツボを押してみて。耳の穴の手前にある小さな突起のすぐそばの、口を開けたときにへこむ場所にあるからすぐ見つかるはず。
「聴宮は耳鳴りや聴力の低下などが見られる際によく用いられるツボですが、これらの症状の原因と考えられるストレスがたまっているときにもおすすめのツボです。ヘアピンやつまようじの頭部分などで約1秒押しもみましょう。それを20回繰り返してください。お風呂上がりや夜寝る前のケアがいいでしょう」(齋藤さん)
朝起きたとき、そして夜寝る前の耳のケアを習慣にして、疲労やストレスをためない工夫をしてみて。
教えてくれた人
齋藤友香理さん
薬剤師、「薬日本堂漢方スクール(東京・大阪・仙台)」講師。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務め、多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。スクールでは、漢方の世界への第一歩となる講座「はじめての漢方入門」を実施中。
【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ
毎日がんばる働く女性にプチ不調や悩みはつきもの。そこでみんなが気になる健康法やグッズ、食材やドリンク、悩みの解決法やメカニズム、取り入れたい習慣などを専門家やプロのお話しとともにご紹介。自分のココロとカラダに向き合って、健やかに私らしく。オズモールはそんな“働く女性の保健室”のような存在をめざします
こちらもおすすめ。ヘルスケアNEWS&TOPICS
WRITING/TOMOKO OTSUBO