耳の症状があっても、特に対処していない人が多数
オズモールのアンケートによると、半数以上の人がなんらかの耳の症状を経験しているという結果に。特に多かった症状が「耳鳴り」で、約60%。ほかには「聞こえづらい」「耳が詰まる」といった症状で、突発性難聴を経験した人は約12%いた。対応としては突発性難聴の場合はすぐに病院を受診しているけれど、そのほかの症状の人は受診せずに「特になにもしていない」という声が多かった。受診したとしても「原因がわからず、心配ないと言われただけで治療しなかった」という声もちらほら。とはいえ、本人にとってはつらいもの。なかには、耳鳴りがひどくて仕事を辞めたという人も。
耳鳴りは難聴にともなって起こりやすい
耳鳴りは外部の音がないにも関わらず、音を感じる現象で、その多くは難聴に伴って起きる。音の種類は多様で、ジーというセミの声、キーンという高音、ゴーという機械音などを訴える人が多い。通常は難聴の回復とともに耳鳴りもよくなるけれど、慢性化することも。現在のところ耳鳴りを治す特効薬はないのだとか。難聴は加齢性のもの以外では、中耳炎や耳垢が原因になるケースもあるのだそう。こうした原因がなくて、突然難聴になった場合を突発性難聴という。突発性難聴は1週間以内に治療を開始した場合に効果が高いとされているので、すぐに受診して治療を受けることが大切。
耳に症状が出るのはストレスや疲れがたまっている証拠
「漢方では耳に出る症状は、体全体の管理能力の衰えだと考えます」
と齋藤友香理さん。
「ストレスや疲れを感じたときに、どこに症状が出るかはその人の体質によるもの。胃など消化器系に出る人、婦人科系に出る人、皮膚に出る人などさまざまです。その中で耳に出るタイプの人が、耳鳴りや突発性難聴になると考えられます。特に耳に症状が出るタイプは心身に負荷をかけすぎている人と言えるでしょう」
耳に症状が出た場合は、体や心からのサインだととらえて、ストレスや疲れがたまり過ぎていることを自覚したい。
「大切なのは心身を十分に休めること。仕事を休んで家事を誰かに任せ、旅行などをするのもよいでしょう」(齋藤さん)
休養には十分な睡眠が大切だけれど、耳鳴りが気になって眠れないという人も。夜の静寂によって耳鳴りをより感じやすくなることもあるので、その場合は川のせせらぎなど自然環境音を耳鳴りの音を消さない程度に流しておくと、眠りやすくなるそう。
「耳の養生には、ワカメやひじき、海苔などの海藻類、黒豆や黒ゴマ、黒糖など黒い食材もおすすめです」(齋藤さん)
教えてくれた人
齋藤友香理さん
薬剤師、「薬日本堂漢方スクール(東京・大阪・仙台)」講師。東京理科大学薬学部卒業後、薬日本堂入社。10年以上臨床を経験し、平成20年4月までニホンドウ漢方ブティック青山で店長を務め、多くの女性と悩みを共有した実績を持つ。スクールでは、漢方の世界への第一歩となる講座「はじめての漢方入門」を実施中。
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WRITING/AKIKO NAKADERA