花粉症は腸内環境の悪化と深く関わっている
花粉症とは、体の「バリア機能」が花粉などを異物ととらえたために起こる症状。「バリア機能」とは、外界の刺激物が体内に侵入しないように防御する体の働きのことをいうが、東洋医学ではこの「バリア機能」と大腸には密接な関係があると考えている。
「腸内環境が悪化すると、バリア機能も低下する傾向があります。そのため、下痢や便秘などがみられるときは、花粉症が起こりやすいサインととらえることができます」(上之原さん)
下痢や便秘で悩む人はもちろん、そうでない人も、腸内環境を整える「腸活」が花粉症予防につながることを覚えておこう。
朝の規則正しい生活習慣が腸内環境を整える
1日のうちで最も大腸の働きが活発になるのは、朝5時から7時の間。腸内環境を整えるためには、まず、この時間帯の過ごし方に意識を向けることが大切なのだそう。
「できるだけ毎日、朝5時から7時の間に起床して、排便する習慣を身につけることを目指してください。起きたらまずは白湯を飲むようにすると、大腸の働きが促されて、排便しやすくなります」(上之原さん)
朝はどうしても慌ただしくなりがちだけれど、この時間帯にゆったりと余裕が持てるように心がけると、排便習慣が身につきやすくなる。
起床の時間と同じぐらい大切なのが、朝食の時間。朝食は胃の働きが活発になる朝7時から9時までに取るようにしよう。生野菜やスムージーなど体を冷やす食事はできるだけ控えて、ごはんに味噌汁など、体を温める食事を取り入れることがポイント。
夜のリラックスタイムで胃腸を休ませることも大切
朝の大腸の活動をスムーズにするためには、夜の過ごし方も重要。大腸の活動が活発な朝5時から7時の約半日後、夕方5時~夜7時にケアすることも忘れないで。
「この時間帯は、体が生命力を蓄えようとするタイミングです。この時間に激しく活動したり、無理をしてストレスを抱え込んだりすると、生命力が不足して冷えなどを招き、腸内環境が悪化して朝方の排便がうまくいかなくなるでしょう」(上之原さん)
夕食も、この時間帯に取るのが理想的。遅い時間に夕食を取ると胃腸が夜遅くまで活動して睡眠時になっても休まらず、腸内環境が改善されにくいので注意して。
夕食後はゆっくりと入浴して、体を芯から温めるのも重要。特に朝方に下痢しやすいタイプは、入浴時にしっかり体を温めよう。
「グレープフルーツやスイートオレンジ、レモンといった柑橘系のアロマバスにゆっくり浸かると、体が温まって腸の働きが改善するでしょう」(上之原さん)
このように朝と夜の生活習慣を見直して腸内環境を整えることは、「バリア機能」を高めて花粉症の予防につながるのはもちろん、美肌やダイエットなどの効果も期待できる。春に向けて、今のうちから生活習慣を改善してみて。
教えてくれた人
上之原静佳さん
薬剤師、「カガエ カンポウ ブティック日本橋髙島屋S.C.店」漢方カウンセラー。漢方と香りを融合した漢方ビューティブランド「カガエ カンポウ ブティック」にて、漢方薬からハーブティー、スキンケア、アロマまで、からだの内外からのトータルビューティーケアを提案。
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WRITING/TOMOKO OTSUBO