食べ過ぎ飲み過ぎで胃腸がツライ。そんなときの対処法は?
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食べ過ぎ飲み過ぎで胃腸がツライ。そんなときの対処法は?

更新日:2020/09/03

暴飲暴食しがちな年末年始。このシーズンになると胃腸の調子を崩しやすいという人もいるのでは? でもイベント続きだからこそ、万全の体調で楽しみたいもの。そこで胃腸対策について公認スポーツ栄養士の鈴木志保子さんに教えてもらおう。

半数以上の人が「暴飲暴食が原因」と自覚している!
(2018年11月 オズモール調べ 1191人、複数回答)

半数以上の人が「暴飲暴食が原因」と自覚している!

オズモールのアンケートによると、胃腸の調子が「時々悪くなる(51%)」「悪くなることが多い(15%)」「常に悪い(4%)」を合わせると、約7割という結果に。「どんなときに胃腸の調子が悪くなる?」という質問では、「食べ過ぎたとき」という人が63%で最も多く、次に「お酒を飲み過ぎたとき」という人が36%いた。ほかにはニンニクや辛い食べもの、お肉、揚げものという声が目立った。なかには「ケーキなど甘いものを食べると胃がもたれる」(あいさん/40代・会社員)、「カレーを食べたとき」(ぶっちさん/30代・会社員)という人も。対策としては「胃薬を飲む」「大量の水分を取る」「何も食べない」という声が多かったけれど、逆に「お腹がすいたらとにかく食べる」(げじさん/20代・会社員)という人もいた。

胃腸のさまざまな症状は「休みたい!」のサイン

胃腸のさまざまな症状は「休みたい!」のサイン

鈴木さんは、「胃腸の調子が悪くなるのは、胃腸の働かせ過ぎが大きな原因」と話す。
「胃は運ばれた食物を胃酸によって殺菌し、小腸が受け付けられるくらいまで小さく分解するという働きがあります。これらの消化作業にかかる時間は1食で3~6時間程度。特に肉や揚げ物などは時間がかかります。さらに小腸に送られた食物は5~8時間以上かけて吸収します。これらの処理が終わらないうちに次の食事での食物が入ってきたり、大量の食物が入ってきたりすれば、オーバーワークとなり、調子を崩すのは当然です」
私たちも休まずに働き続ければ調子を崩すのと同じで、胃腸にも休息が必要。胃腸は胃痛や胃もたれ、吐き気、下痢といったサインを出すことで、それを訴えているといえる。

胃の調子が悪くなったら「食べない」のがベストな対処法

胃の調子が悪くなったら「食べない」のがベストな対処法

胃腸の働きについて理解できれば、調子が悪くなったときは休ませればいいということも納得できる。
「胃の内側は粘膜で覆われているので、回復が早いのが特徴です。8時間くらい胃を空っぽの状態にすると、通常は回復してくるはずです」(鈴木さん)
胃を空っぽにしたことで胃痛が起きる場合は、胃液の過剰分泌の可能性が大。この場合は、病院を受診して胃液を抑える薬を処方してもらおう。
「胃を休ませたあとの食事は、なるべく消化のいいものを。手軽に取るにはゼリータイプの栄養補助食品などがおすすめです。カレーライスや麺類などよく噛まないで食べられるものは、胃での消化に時間がかかるので調子が悪いときには要注意です」(鈴木さん)
また、食後にいつも胃もたれを起こしやすいタイプの人は、胃液が出にくい、あるいは胃での消化運動が低下している可能性も。その場合は、エネルギーや栄養素が不足しないようにしつつ、しばらく胃に負担がかからないようなやわらかく、油の少ない食事を意識してみよう。

教えてくれた人

鈴木志保子さん

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。(一社)日本スポーツ栄養協会理事長、(公社)日本栄養士会副会長、NPO法人日本スポーツ栄養学会前会長。マツダ株式会社陸上競技部、パラ水泳日本代表など、数多くのトップアスリートの栄養指導に従事。2018年7月に新刊『理論と実践 スポーツ栄養学』(日本文芸社)が発売。

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WRITING/AKIKO NAKADERA

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります