多くの人が体調を崩しやすい季節の変わり目は、温野菜でビタミン・ミネラルをたっぷり補給
体調を崩しがちな季節の変わり目には、なにを心がけたらいいの? 「夏の暑さで食欲が落ちていたせいで、必要なビタミンやミネラルも不足していることが多い時期です。この状態のまま、寒い日も増えてくる秋に向かうと、うまく体が調整できなくなります。『ちょっと疲れてるだけ』と軽く考えず、体調をしっかり意識しましょう」と飛田さん。
では、具体的にどういう食事がおすすめ? 「食欲が低下しているときにも、そのまま食事を抜いてしまわないようにしましょう。自律神経の乱れで弱った胃腸を、不規則な食事で空にしたり、次には食べ過ぎたりと酷使するのは避けたいもの。また、夏の間の冷たいものの摂り過ぎで、胃腸や体全体も冷えています。冷たいものではなく、温かく消化のいい食べ物・飲み物を、ペースを乱さず規則正しく食べたいですね。生野菜ではなく温野菜で、夏の間に不足してしまったビタミン・ミネラルをたっぷり補給するのも有効です」(飛田さん)。
まだまだ暑さが残る時期にこそ、ゆっくり入浴して全身を温めよう
また、冷たい食べ物のほか、連日のエアコン使用などでも、夏の終わりには体が冷えきっていることが多い。38~40℃程度の熱すぎないぬるめの湯に、半身浴でなく肩までゆっくり浸かって、全身を温めるのもおすすめだそう。まだまだ暑さが残る時期にこそ、積極的に体の内側から温めることは、疲れ切った自律神経を力づけてくれるサポートに。
汗でじっとり気づかないうちに、肌にも危険信号!?この季節こそしっかり保湿を
そのほかにも、この季節、気を付けたほうがいいことは? 「夏は湿度が高いので感じにくいのですが、紫外線の影響やエアコンの風などで、実はかなり肌が乾燥している人が多いんです。夏バテで疲労がたまり回復力が弱っているせいもあり、肌に乾燥や紫外線の影響が強く出てきます。いつもより化粧水をたっぷり使ったり、パックをこまめにするなど、この季節は保湿をしっかり意識しましょう」と飛田さん。
季節の変わり目には、体調だけでなく肌トラブルを起こす人も多いので、まずは未然にこの時期のうちに、しっかり保湿ケアを行っておくことが肝心だそう。「また肌のコラーゲンやエラスチンの生成を助けるビタミンCは、肌のハリやうるおいを保つ助けになり、体の疲労感のサポートにもなってくれます」(飛田さん)。ビタミンCを多く含む野菜のパプリカやブロッコリー、キウイなどのフルーツ類を積極的に摂ることもこの時期には効果的。秋冬に向けて、体だけでなくお肌の健康のためにも、心にとめておきたい。
教えてくれた人
飛田砂織
クリニックシュアー銀座院長。東京大学、北里大救命救急センターで救急専門医として従事。救急での重症患者への治療経験から、病気にならないための予防医学の大切さに気付く。2015年クリニックを設立、美容皮膚科とナチュラルホルモン補充療法・点滴療法・サプリメント療法などを組み合わせ、健やかに美しくなる最新のアンチエイジング医学を実践。
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WRITING/HIROKO KUROKI