日本酒専門家がおすすめする山形の日本酒21選!パーティ用やユニークな日本酒も

日本酒専門家がおすすめする山形の日本酒21選!定番や一度は飲みたい日本酒も

山形は県をあげて日本酒や酒米の研究・開発に取り組んでいる土地で、2016年には県単位では全国で初めてとなる日本酒ブランド「GI山形」が登録認定されるなど、ますます盛り上がりを見せている。今回は日本酒専門家・並里直哉さんおすすめの山形の日本酒を、シーン別に21選ご紹介。自分だけのお気に入りの1本をぜひ見つけてみて。

更新日:2023/03/20

お話を聞いたのは・・・

日本酒専門家 並里直哉さん

日本酒専門家 並里直哉さん

酒類総合卸会社に6年間勤め、酒類全般の知識を得たのち日本酒専門家として独立。アカデミー・デュ・ヴァン等のスクールにて、日本酒の資格試験受験対策講座などを担当している。国の研究機関が認める唯一の日本酒専門家資格「清酒専門評価者」に合格、「日本醸造協会認定きき酒マイスター」の資格も保有。日本酒の審査会の審査員などを精力的に務めている。

公式HP:https://namisato.amebaownd.com/
Twitter:@NamisatoN
Instagram:@naoya.namisato

山形の日本酒にはどのような特徴があるの?

日本酒専門家がおすすめする山形の日本酒21選!定番や一度は飲みたい日本酒も
最上川河川敷と田圃(PIXTA)

県単位として初めて「GI山形」認定!優れた吟醸酒が豊富にそろう“吟醸王国”

2016年、国税庁は県単位としては全国で初めて、日本酒の地理的表示(Geographical Indication)に「GI山形」を登録認定。これはボルドーやシャンパンと同じように「産地ならではの種類の特性が明確である」という一定の基準を満たした日本酒だけが認められ、“山形酒”を名乗る資格があるとするもの。雪国である山形は、低温発酵に有利で雑菌の増殖を抑える寒冷な気候と、各山系からの豊富な雪解け水に恵まれ、酒造りにはとても適した土地柄。また、最上川の流域では古くから稲作が盛んで、酒造好適米「出羽燦々」「出羽の里」「雪女神」などが次々に生まれた。味の特徴としては、山形では“吟醸王国”と呼ばれるほど吟醸酒がたくさん造られており、酒米を極限まで磨いて低温長期発酵させることで、華やかな吟醸香が楽しめる1本が多い。

山形の日本酒はどのように選べばいい?

日本酒専門家がおすすめする山形の日本酒21選!定番や一度は飲みたい日本酒も

“DEWA33”などのシールを頼りに、個性豊かな酒米の種類から選ぶのがおすすめ

米どころの山形には、純米吟醸向けは「出羽燦々」、純米酒向けは「出羽の里」、大吟醸向けなら「雪女神」など個性豊かな酒米が数多くあるため、米の銘柄から日本酒を選んでみるのも面白い。とくに「出羽燦々」を一定基準で醸したお酒には“DEWA33”という県認証シールを貼ることが認められているので、初心者でも分かりやすい。また、前述した通り「GI山形」に認定された日本酒は、山形の気候風土を十二分に活かした優れた品質のものばかりなので、GI認定ラベルが付いているものはどれもおすすめ。今ではほとんど手に入らないとされるスーパープレミア酒「十四代(高木酒造)」や、前年の県品評会にて上位成績を獲得した蔵がチャンピオンの酒米を醸すという贅沢な「山形讃香(さんが)」など、スペシャル感が強い日本酒が多いので機会があったらぜひ試してみて。

普段飲みにおすすめ!山形の日本酒5選

毎日の食事とともに楽しみたい日本酒を、リーズナブルな品を中心に日本酒専門家の並里さんがセレクト

東北銘醸

初孫 純米本辛口 魔斬(まきり)

2198円(Amazon)

深みのある味わいとすっきりした辛口が魅力の「全量生?」純米酒

蔵独自の発酵技術を活かし、「全量生?造り」にこだわった純米酒。同蔵の生?造りは世界的にも高い評価を受けており、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門で2018~2020年の3年連続でトロフィーを受賞している。深みのある味わいがありつつもすっきりとした日本酒度+8辛口のお酒で、寿司やお刺身などと相性抜群。魔斬(まきり)とは、酒田地方に伝わる主に漁師などが使うスパッと切れる小刀のことで、このお酒のキレ味のよさを端的に表現している。

液体容量720ml
アルコール度数15.5%
地域庄内

亀の井酒造

くどき上手 黒ばくれん 超辛口吟醸 生酒

3320円(Amazon)

「亀の尾」を醸した冬季限定の超辛口生酒

辛口の酒を追求した人気シリーズ「くどき上手 ばくれん」の、冬季限定品である「黒ばくれん」。通常の「ばくれん」は、火入れ後約1年半にわたり0℃の環境で冷蔵貯蔵し、適熟を利き酒後に充填するという手順を踏んで出荷しているが、「黒ばくれん」は冬の時季だけに生で蔵出しされるレアな1本。 蔵の優れた醸造技術により、酒造好適米「亀の尾」の個性を存分に引き出し、少し固めでキリっとしたさわやかな酒質に。 立ち上がりは躍動感のあるフレッシュな香りが感じられ、口に含むと上品な甘味と適度な酸味が調和する。

液体容量720ml
アルコール度数18%
地域庄内

菊勇

三十六人衆 出羽の里 六号プラス

1155円(楽天)

人気ブランド「三十六人衆」の日本酒度+6の限定辛口純米酒

同蔵の創業以来長きにわたって使われてきた「協会六号酵母」で醸した、人気ブランド「三十六人衆」の限定辛口純米酒。うっすらと麹を思わせる香りは穏やかながら、程よい米の旨味と深み、キレの良さが抜群で食中酒としてデイリーに楽しみたい。口当たりはさらりとしていて、純米酒らしいコクのある味わい。協会六号酵母の“六”と日本酒度の“+6”を掛け合わせ、六×6=三十六人衆としたネーミングセンスにも遊び心が感じられる。

液体容量720ml
アルコール度数15%
地域庄内

水戸部酒造

山形正宗 純米雄町 生もと造り

2750円(Amazon)

「雄町」を65%まで磨き、硬度120の硬水を用いた力強い純米酒

酒造好適米・雄町を65%まで磨きあげ、生もと造りで醸した本格派の純米酒。「山形正宗」の真髄ともいうべき逸品で、硬度120の硬水を用いて力強く骨太の酒質に仕上げている。食の雑誌「dancyu(ダンチュウ)」にも何度も取り上げられ、「華やかさと瑞々しさをもつ新しいタイプの純米酒」、「重量感と落ち着きを兼備。飲むぞ!という日にも」などと評される1本。雄町独特の柔らかくコシのある旨みを味わいながら、後半にふくらみを感じさせてくれるお酒でどんな料理にも相性が良い。

液体容量720ml
アルコール度数16%
地域村山

渡會本店

和田来(わたらい) 特別純米酒 出羽の里

2090円(Amazon)

「ワイングラスで美味しい日本酒アワード」4年連続最高金賞!バランスの良い逸品

創業寛永2年、江戸時代からの酒造りの伝統を受け継ぐ渡會本店の代表作である「和田来(わたらい)」。山形県産米・出羽の里を60%まで磨きあげ、山形セレクション(GI)認定も受けている特別純米酒で、豊かな米の旨みと心地よい香り、キレの良い酸味のハーモニーがすばらしくバランスが良い1本。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で4年連続で最高金賞を受賞したのはこのお酒が初めてで、コストパフォーマンスに優れ、毎日飲んでも飽きない逸品。

液体容量720ml
アルコール度数15.6%
地域庄内

ホームパーティなど華やかなシーンにおすすめ!山形の日本酒5選

芳醇な香りが楽しめるフルーティーな日本酒を、並里さんがセレクト。ホームパーティなどの華やかなシーンで楽しんで

小嶋総本店

東光 純米大吟醸 雪女神

3465円(Amazon)

“大吟醸のために生まれた”酒米・雪女神を醸した上品な純米大吟醸酒

安土桃山時代の慶長2年に創業した、長い歴史を誇る小嶋総本店の代表ブランドである「東光」。“大吟醸のために生まれた”とのキャッチフレーズをもつ、山形県産の酒造好適米・雪女神を醸した、「東光」の純米大吟醸酒がこちらの1本だ。軽快な果実の香りと透明でなめらかな口当たりは、酒米の名の通り、女性的で上品な仕上がりになっている。「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2020」で金賞を受賞したこともあり、キリッと冷やしてぜひワイングラスで楽しみたい。

液体容量720ml
アルコール度数16%
地域置賜

菊勇

三十六人衆 山田錦40%精米 純米大吟醸生酒

3960円(楽天)

山田錦を40%まで磨き上げた、贅沢な純米大吟醸酒

最高級の酒米・山田錦を40%まで精白した、「三十六人衆」の純米大吟醸。同ブランドではこれまで山田錦を50%まで磨いた純米大吟醸酒はあったものの、さらに上をいく40%精白という大胆さで、贅沢に米を使った特別な1本だ。 山田錦らしい華やかな香りと、ふくらみのある味わいが特徴で、40%精白ならではの旨さが存分に感じられる。日本酒度は±0で甘みが強く、酸味も軽いため日本酒が苦手な女性にもぴったり。

液体容量1800ml
アルコール度数15%
地域庄内

六歌仙

山法師 大吟醸 雪女神

3300円(Amazon)

山形生まれの酒米と酵母で醸したソフトで飲みやすい大吟醸酒

山形県産の酒造好適米・雪女神を用い「山形KA酵母」で醸した、生粋の山形らしい大吟醸酒。華やかな香りと甘みの強さが特徴で、ソフトで飲みやすい仕上がりに。数量限定販売のため、持ち寄りホームパーティなどに持参すると注目を浴びること間違いなし。ちなみに「山法師」という銘柄名は、四方八方「山」に囲まれた地元の恵まれた環境を表し、自然の法則のままに自然を壊さず生きていく知恵者の「法師」にあやかって名づけられたそう。

液体容量1800ml
アルコール度数16%
地域村山

富士酒造

栄光冨士 純米大吟醸 無濾過生原酒 愛山 LOVE MOUNTAIN

4400円(楽天)

四季醸造で無濾過生原酒を毎月出荷、おすすめは「愛山」

日本酒は、一般的には冬の寒い時期にのみ醸造されることが多い中、富士酒造では一年を通じて日本酒を醸造する「四季醸造」を行っている。同蔵を代表する銘柄「栄光富士」は無濾過生原酒のシリーズで、四季醸造により毎月ごとに異なる味わいの新酒を出荷。おすすめは毎年3月に発売される「愛山」で、鮮やかなショッキングピンクのラベルが目を引く1本。生産量が少なく“幻の酒米”ともいわれる愛山を50%まで磨き、山形酵母で仕込んだ純米大吟醸だ。フルーティーな香りとさわやかで雑味のない上品な甘味が特徴で、飲んだ後の余韻がとても心地良い。

液体容量1800ml
アルコール度数15.8%
地域庄内

亀の井酒造

くどき上手 純米吟醸

3640円(Amazon)

こだわりの「小川10号酵母」で醸したやわらかな旨口酒

全国の日本酒ファンから長年愛され続けている、「くどき上手」の代表格たる純米吟醸。山形庄内米の美山錦を全量使用し、50%まで磨き上げたのちに「小川10号酵母」にて仕込むというこだわりよう。この酵母が、軽やかで繊細な香味の中にふくよかな旨味と甘みをプラスし、やわらかな旨口酒に仕上げている。自然の旨みを生かした、豊かな味と香りは一度飲んだらやみつきに。飲み手を選ばないので、大勢が集まるパーティの場にもぴったり。

液体容量1800ml
アルコール度数15~16%
地域庄内

自分へのご褒美や特別な日におすすめ!山形の日本酒3選

スペシャル感あふれるワンランク上の日本酒を並里さんがセレクト。自分へのご褒美や大切な記念日などにぴったり

出羽桜酒造

出羽桜 雪漫々 氷点下五年熟成酒

6748円(Amazon)

プレミアム大吟醸「雪漫々」の最高峰!シルクのような舌触りが楽しめる

吟醸酒を得意とする出羽桜酒造の中でも別格の、山田錦を35%まで磨き上げて醸した極上の大吟醸酒。 プレミアム大吟醸「雪漫々(ゆきまんまん)」シリーズの最高峰ともいえる傑作で、優雅で気品のある味わいを心行くまで堪能できる。真夏でもマイナス5℃の低温を保つ熟成蔵「酒眠蔵(しゅみんぐら)」の中で、5年もの時間をかけてゆっくりと熟成されるため、ゆったりと酒の若さを矯(た)めてまろやかな味わいに仕上がるという。奥深く上品なシルクのような舌触りは、特別な日にこそ味わいたい。

液体容量720ml
アルコール度数16%
地域村山

楯の川酒造

楯野川CRAFT 雪-YUKI- 原酒

5500円(公式サイト限定販売)

大吟醸に適した酒米として開発した「雪女神」を40%まで磨き上げた逸品

楯野川CRAFTは、数少ない日本酒の原料の中から酒米にスポットを当て、その特徴や個性を最大限に引き出すために醸された蔵直限定のシリーズ。「雪-YUKI-」は、山形県が大吟醸酒に適した酒米として開発した「雪女神」を全量用い、40%まで磨きあげて「6号酵母」で丁寧に醸した珠玉の1本。やや控えめながらも、熟したマスカットのような香りと淡く気持ちの良い甘みが特長的で、原酒のどっしり感と純米大吟醸らしい綺麗な酒質を両立させている。

液体容量720ml
アルコール度数16%
地域庄内

東の麓酒造

純米大吟醸 無濾過 龍龍龍龍(てつ)

3394円(Amazon)

「龍龍龍龍(てつ)」の名が表す通り、手間暇を惜しまず丁寧に造り上げた逸品

丁寧な酒造りをモットーとする「東の麓酒造」は、その品質の高さのわりに世にはあまり知られず、日本酒愛好家の間だけで評判が高まっていた小さな酒蔵。ユニークな銘柄名は「龍」を四つ書いて一つの漢字として「てつ」と読み、一番画数の多い字とされている。この名が表す通り、たくさんの手間暇を惜しまず丁寧に造りこんだ1本で、希少な酒米「愛山」を醸したすっきりとした飲み口と、上品でやわらかな旨みが特徴。記念日などの特別な日や、大切な人へのプレゼントとしても最適な逸品だ。

液体容量720ml
アルコール度数17.5%
地域置賜

低アルコールでランチ飲みにもおすすめ!山形の日本酒3選

女性同士のランチ飲みや、お酒が強くない人におすすめな“低アルコールの日本酒”を並里さんがセレクト。

米鶴酒造

米鶴 純米あんだんて

1400円円(楽天)

「スローフードジャパン燗酒コンテスト2013」で金賞を受賞したソフトな純米酒

銘柄名の「あんだんて」とは、“歩くような速さ”という意味をもつ音楽の演奏記号のこと。アルコール度数12度のソフトな純米酒で、銘柄名の通り自分のペースに合わせてゆったりと楽しめ、お酒があまり強くない女性にもぴったりの1本だ。さわやかな香りと、甘味と酸味のバランスが心地良く、きれいで軽快な味わいが魅力。「スローフードジャパン燗酒コンテスト2013」で金賞を受賞したこともあり、日ごろから体調や健康に気を使っている方にもおすすめ。

液体容量720ml
アルコール度数12%
地域置賜

楯の川酒造

楯野川Basicシリーズ 純米大吟醸 清流

2385円(Amazon)

鳥海山の麓を流れる清流をイメージした、きれいで軽やかな純米大吟醸

楯野川「Basicシリーズ」の中核として存在感を放つ、庄内産の酒造好適米・出羽燦々を50%まで磨きあげた純米大吟醸。“出羽富士”とも称えられる名峰・鳥海山の麓を流れる清流のような透明感をイメージして造られたお酒で、きれいな透明感と軽やかさが魅力。アルコール度数14%台と低めに抑えられ、軽快な口当たりと若々しくさわやかな果実のような吟醸香が楽しめ、後味はさらりとして優しいので昼飲みにもおすすめ。ぜひワイングラスに注いで、華やかな香りを楽しんでみて。

液体容量720ml
アルコール度数14%
地域庄内

WAKAZE

WAKAZE(ワカゼ) THE CLASSIC

3740円(Amazon)

日本とフランスの2拠点で醸造されるユニークなSAKE

「WAKAZE(ワカゼ)」は世界中で日本酒=SAKEが造られ、飲まれることを想定して生まれた新しいお酒で、現在日本とフランスの2拠点において醸造が行われている。多様な食文化と調和するSAKEを目指し、日本酒の伝統的な製法をベースにルールにとらわれずに造られた「WAKAZE THE CLASSIC」は、クリアな甘みと軽やかな酸味、13度の低アルコールが特徴。酒米をほとんど磨かず、低精米の造りにより引き出される骨格のある味わいは、あらゆる料理との多彩なペアリングを可能に。 フランスで開催される日本酒品評会「Kura Master日本酒コンクール2022純米酒部門」において、海外醸造酒で唯一プラチナ賞を受賞。

液体容量720ml
アルコール度数13%
地域庄内

一度は飲んでみたい、ユニークスタイルな山形の日本酒5選

“上級者向け”の原酒や古来製法にインスパイアされたお酒など、個性派の1本を並里さんがセレクト。

朝日川酒造

山吹極(やまぶき) 生もと 純米無濾過原酒

1485円(楽天)

アルコール度数19%超!アミノ酸2.2、酸1.9のパワフルさをもつ純米無濾過原酒

「山吹極(やまぶき)」という銘柄は、無濾過原酒特有のほんのりとした山吹色から名づけられた、同蔵を代表するブランド。「酒が飲み手を選ぶ酒」という肩書きを持つこの本品は、生もと造りならではの古酒に似た独特な香りと骨太の味わい、アルコール度数が19度を超える原酒という点から“上級者向け”とされている。アミノ酸2.2、酸1.9のパワフルさをもち、軽快な吟醸酒とは対照的なコクのある深い味わいは、好きな人はやみつきになってしまうほど。

液体容量720ml
アルコール度数19.1%
地域村山

小嶋総本店

小嶋屋 無題 弐ノ樽(にのたる)

4400円(楽天)

もろみに杉樽酒を加えて発酵させる「酒四段」製法で、自由なお酒を実現

「小嶋屋 無題」シリーズは、古来よりの日本酒造りの歴史からインスパイアされた、まったく新しい自由なお酒として業界内で知名度を上げている。8世紀の「御酒(ごしゅ)」や10世紀の「酒造りのしおり」からヒントを得て、もろみに加える酒の一部を杉樽による貴醸酒に替えて発酵させる「酒四段」製法は、現在特許出願中。ウッディーな杉の香りに高級フルーツを思わせるような妖艶なアロマが加わり、唯一無二の複雑な仕上がりになっている。お刺身や魚介のカルパッチョ、天ぷらなどの素材の味を活かした料理との相性が抜群。

液体容量720ml
アルコール度数13%
地域置賜

水戸部酒造

山形正宗 まろら 純米酒

2420円(Amazon)

ワインのマロラクティック発酵を応用した個性的な風味が魅力

銘柄の「まろら」とはリンゴ酸を乳酸に変える“マロラクティック醗酵技術(Malo-LacticFermantation)”をもじったもので、この技術を日本酒造りに応用するのは国内初の試み。マロラクティック醗酵は一般にワイン醸造で使用される技術で、乳酸菌の働きによりお酒に含まれるリンゴ酸が乳酸に変化し、やわらかな味わいを生み出すというもの。乳酸による力強くも丸みのある酸味と、酸に調和する甘みが抜群のバランスを見せ、あらゆる料理に合うのでデイリーの食中酒としてもおすすめ。

液体容量720ml
アルコール度数15~16%
地域村山

東の麓酒造

純米大吟醸 三羽のうさぎ

2750円(楽天)

ユニークなうさぎの伝承も!「雪女神」を35%まで磨いた限定純米大吟醸酒

蔵元が「卯年」にちなんで特別に瓶詰した、マロラクティック醗酵をほどこした限定純米大吟醸。純米大吟醸向けに開発された山形産酒米「雪女神」を35%まで徹底的に磨き、雑味のない透明感あふれるきれいな酒質を実現し、上品ですっきりした甘みと旨味が楽しめる。蔵がある山形県南陽市の神社・熊野大社の本殿裏にはうさぎが三羽隠し彫りされており、すべて見つけると「願いが叶う」「幸せになれる」との言い伝えが。ユニークな伝承にあやかりながら、ゆっくり味わいたい銘酒だ。

液体容量720ml
アルコール度数15%
地域置賜

WAKAZE

WAKAZE FONIA tea ORIENTAL

2980円(Amazon)

ジャスミンやローズの香りが華やかな唯一無二のクラフトサケ

酒米が発酵している最中の醪(もろみ)の中に、ジャスミン、ハイビスカス、バラなどの花々を漬け込んだ華やかなクラフトサケ。できあがった日本酒に果汁を加えるだけのリキュールとは違い、ORIENTALはこうした副原料を醪で一緒に発酵させることで、米と調和した自然な香りが生まれている。また「白麹仕込み」を行っているため、白麹が生み出すさわやかな酸味が感じられ、すっきりとした味わいの中にジャスミンやローズのフレーバーが香る唯一無二の1本。自然派ワインやクラフトジンが好きな方にもおすすめ。

液体容量500ml
アルコール度数13%
地域庄内

よくある質問

幻の日本酒と呼ばれる「高木酒造 十四代(じゅうよんだい)」はどんなお酒?

「十四代」は、山形県村山市の高木酒造が製造販売する日本酒で、杜氏の高木顕統(あきつな)氏が生み出した傑作です。みずみずしく研ぎ澄まされた味わいは、まさにプレミア酒といった風格をもち、一度飲んだら忘れられないとも評されています。十四代が発売された平成初期は淡麗辛口のすっきりした日本酒がブームであった中、フルーティな香りの十四代は一躍注目を集め、たちまち人気銘柄に。今では酒店の店頭に並ぶことはほとんどなく、日本酒バーなどで“一期一会”の出会いがあればかなりのラッキー。同蔵の本醸造酒「朝日鷹」は以前は比較的手に入りやすかったものの、今は十四代と同じくレアな1本になっています。

※表示価格は2023/3/22時点のAmazon、楽天を参考にしており、変更される場合があります。最新の価格はAmazon.co.jprakuten.co.jpにてご確認ください

WRITING/AKIKO TANAKA

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※記事は2023年3月20日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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