【編集部ルポ】世田谷の住宅街にある「世田谷いちご熟」でいちご狩りしてきました

都内いちご狩り

更新日:2018/01/31

東京に大雪が降った翌日まだ雪が残る都内。東急大井町線の上野毛駅から歩いて数分の住宅街に、いちご狩りができるところがあると聞き、編集Rが行ってきました。都内にあって便利だけど、狭くないの? いちご狩り感は味わえるの? などワクワクと多少の不安をかかえつつ「世田谷いちご熟」でのいちご狩りをレポートします

世田谷いちご熟

手書きの看板といちごの絵が農園まで案内

上野毛駅からお店が並ぶ道をぬけ、さらに川沿いを行くと左側に現れたのが、白い文字で書かれた「世田谷いちご熟」の木の看板。味のある文字もいいですが、いちご狩りのスポット名にしては少々個性的な名前(その由来はのちほど)。
その看板から目を移すと、目的地までを案内するように等間隔にかわいいいちごの絵や文字が書かれた看板が。人生2度目のいちご狩りの編集Rとしては、それだけで期待は上ります。
到着するとビニールハウスが2棟あるこぢんまりとしたいちご農園「世田谷いちご熟」が、まさに住宅街の中にありました。

世田谷いちご熟内観

“世田谷でいちごが熟しております”

爽やかな笑顔で迎えてくれたのは「世田谷いちご熟」のご主人・廣田隆一さん(以下、廣田)。いちご狩りの前にいろいろ聞いてみました。

編集R:なぜ「世田谷いちご熟」というのですか?

廣田:「世田谷でいちごが熟しております」を短縮したものなんですが、それ以外にも意味があって。「いちご」にかけて「一期一会」を調べてみたら“一生”という意味があるんですよね。それで、いちごと一緒に人生が熟すという意味も込めてみました。

編集R:そんな浅くて(失礼)、深~~い意味があったんですね。いい名前ですね。いちごと人生が一緒に赤く熟すなんてハッピーな気持ちになります。

廣田:あははは。ありがとうございます。

編集R:ところで、こちらに来るまでに絵や絵文字があったのですが。

廣田:僕が書きました。アートとか音楽も好きで。物販のパッケージも描いてます。あと、いちごのテーマソングを作ってみたり(笑)

編集R:いちごのテーマソングですか? いちご農家にとどまっていなくておもしろいですね。

廣田:いろいろやりたくて。例えば、冷凍しておいたいちごを削ったかき氷とか。お酒を持ち込んでナイトいちご狩りとか。つまみはいちごって楽しそうじゃないですか? ただし泥酔禁止で(笑)

編集R:いいアイデア! 行きたいです。泥酔もちろん気をつけます。私ならシャンパンかな。シャンパン×いちごなんて、まるで「プリティウーマン」って古いですかね…ははっ(※わからない方は、映画「プリティウーマン」をご覧ください)

廣田:僕は、発泡日本酒がおすすめです。

編集R:それもいいですね。いちご摘みながらお酒を飲むなんて新しいいちご狩りのカタチですね。もし実施するとしたらどこで告知するんですか?

廣田:HPかフェイスブックで告知しようと思っています。ぜひチェックしてみてください。

紅ほっぺと章姫

「章姫」と「紅ほっぺ」が大きく熟してます

お話を伺い、いちご狩りのポテンシャルの高さに、胸の高鳴りがおさまらない編集Rはいよいよビニールハウスへ。

ビニールハウスの中は、寒い外とは違ってあたたかく、とてもきれい。ミツバチも飛んでいて、普通にハチを見たら速攻逃げところですがおいしいいちごのために存在していると思うともっとがんばれと、声をかけたくなります。

ミツバチが受粉してできたいちごは大中小といろんな大きさで実がなり、大きいものは片手のひらいっぱいになるほど。こんな大きないちごスーパーでは見たことありません。そんないちごが食べ放題できるなんて夢のよう。

こちらで育てているいちごの品種は、縦長な実が特徴の「章姫(あきひめ)」(写真下・左側のいちご)と丸みがある「紅ほっぺ」(写真下・右側のいちご)。「紅ほっぺ」は、スーパーでも見かけるので知っている人も多いのでは? 実がしっかりしていて酸味があります。一方、「章姫」は実がやわらかく流通に向かないので、あまりスーパーではみかけないかもしれません。味は、酸味が少なくいちごの甘さがより感じられますよ。

どちらの品種も化学農薬をなるべく使わないようにしている。それゆえ枯らしてしまうなどの失敗や挫折もあったのだそう。

「5年前のオープン当初は、いちごが病気になることも。でも化学農薬をなるべく使わず、品質や収穫量を安定するように毎年努力しています。植物って結構強いんです。そして今年は、いちごに二酸化炭素を与えています。二酸化炭素は植物にとって栄養剤。何度も実をつけるいちごが疲れずにたくさん実をつける工夫です」(廣田さん)

都内のいちご狩り

いよいよいちごを摘んで、いただきます

いちごは高設栽培なので屈む必要なし。なので、お気に入りのスカートを着て出かけても安心。女子にはありがたいスタイルです。
いちごの摘み方は、いちご全体を手で持ち、指でヘタの上の茎を持って、プチっと折るだけなので簡単です。やさしく、包み込むようにいちごを持って摘むのがコツですよ。

摘んだらまずはなにもつけずそのまま食べて、それぞれの品種の違いを味わって。「紅ほっぺ」はシャクっと歯ごたえで、ジューシーな汁とともに甘酸っぱい、「章姫」は、紅ほっぺと比べると柔らかく、口に入れた途端に強い甘が広がります。個人的には酸味と甘さのバランスがいい紅ほっぺが好み。食べ比べて、自分の好みを見つけてみるといいですよ。

そのままのいちごの味を楽しんだら、2種類から選べる“いちごのおとも”で味変を。乳製品アレルギーの人のために練乳のほか、てんさいオリゴ糖も用意。練乳は安定感のあるいちごみるく味に。てんさいオリゴ糖は、さっぱりとした甘さですこし大人向けです。てんさいオリゴ糖は、ここならではなのでぜひ試してみて。

いちご狩りおみやげ
(写真上)左:いちごジャム600円、右:いちごゼリー200円 (写真左下)アイス各300円。左:豆乳ミルフィーユ、右:練乳 (写真右下)ご主人が描いたいちごの絵をアイスなどのラベルにしている

いちごのおみやげも買って帰りました

いちごをたっぷり食べて帰る前におみやげもチェック。冬に食べるアイスが大好物な編集Rですが、食べ放題でおなかいっぱいのため、今回アイスは泣く泣くパス。その代りジャムと気になっていたゼリーを購入しました。ジャムとゼリーは、「章姫」と「紅ほっぺ」の両品種を使って作っていています。

ちなみに断念したアイスですが、アイス専用に小粒の「紅ほっぺ」を摘み取り冷凍して使用。練乳味には、紅ほっぺの果肉を入れ、豆乳ミルフィーユには、果肉を練り込んでいる。なぜ小粒かというと、皮の割合(赤い部分)が多いからだそうです。初めて知ったのですが、いちごって赤いところが皮だったんですね。

さて、購入したジャムとゼリーは家に持ち帰りいただきました。
ゼリーは、いちごの味が濃くて香もいい。すこしねっとりとした食感でおいしい。ジャムは、パンはもちろん、カマンベールチーズにつけて食べてみました(よくチーズにマーマレードジャムでつけて食べるので)。いちごジャムとカマンベールチーズの組み合わせは、いちごの香りがふわっと広がり、塩気×甘みのコラボがクセになります。ジャムは添加物なども使ってないので、つけるだけでなく料理に使うのもいいかもしれませんよ。

【上野毛】世田谷いちご熟

TEL:03-3701-5171
住所:東京都世田谷区中町4-32-1
開園日:水・日10:00~なくなり次第終了(営業時間はブログで確認を) 
予約:不要
いちご狩りのスタイル:30分食べ放題
料金:大人2000円、子供1700円(制限時間30分食べ放題)
アクセス:東急大井町線「上野毛駅」より徒歩10分

【動画】いちご摘みの雰囲気を動画で見てみよう

都内の住宅街でできるいちご狩りが気になってきたら、動画で雰囲気をみてみて。いちご狩りに行かないと見ることができない白くて小さないちごの花や、その花にとまって蜜を吸い、受粉してくれるミツバチも登場します。

いちごの見分け方

おいしく食べたいなら抑えておこう 食べごろいちごの見分け方

「世田谷いちご熟」で扱う「章姫」と「紅ほっぺ」の食べごろを見極めるポイントを廣田さんに聞きました。
「章姫(写真左)は、ヘタの下にすこし白い部分が残るのが特徴なので、ヘタの下に白い部分があっても熟しておいしい状態。でも、白い部分が半分くらいあるとまだ固く、甘さも足りないのでもう少し待った方がいい。紅ほっぺ(写真右)は、ヘタのすぐ下まで真っ赤になると食べごろ。章姫と違い、実全体が赤くなります。ヘタの下まで赤くなければ、酸味を感じやすいです」
※写真では、品種ごとに食べごろとまだの状態の実を並べています。写真左が章姫、写真右が紅ほっぺです。ヘタのところまで赤いのが食べごろ。白い部分がのこっているいちごは食べごろまではまだ少しの状態です。

おすすめ! 都内から1時間ちょっとで行けるいちご狩りスポット

みやもとファーム

東京で農園気分を味わいながらいちご狩り

都内で農園の雰囲気が楽しめて、季節の野菜や果物を育てている「みやもとファーム」。こちらでは、「章姫(あきひめ)」と「紅ほっぺ」の摘み取り体験ができる(100g250円)。いちご狩りのほか、農園レストラン(夜のみ営業)や、自家製の手づくり豆腐、ハチミツの販売もしているので、いろいろと楽しみたい人におすすめ。

【東京】みやもとファーム

TEL:080-8436-3555
住所:東京都練馬区高松1-39-5
開園日:毎週日曜12:00~なくなりしだい終了
予約:不要
いちご狩りのスタイル:摘み取りのみ
料金:100g 250円(ひとりづつパックを渡し、摘み取り後計量)
アクセス:都営大江戸線「練馬春日町駅」より徒歩10分
※2月下旬よりいちご狩り開始予定。詳細は要問合せ

古和谷園

3種類のいちごを食べくらべて楽しむ

「紅ほっぺ」のほか、甘みと酸味のバランスがいい「やよい姫」、果汁が多くさっぱりした甘さの「かおり野」の3品種を食べ比べできる。練乳をあえて提供しないのは、土作りからこだわった完熟いちごのおいしさを味わってほしいから。いちご狩り後は、足を延ばしてアスレチックや自然が体験できる「アンデルセン公園」に立ち寄ってみては。

【千葉】古和谷園

TEL:047-442-4750
住所:千葉県鎌ケ谷市初富本町1-5-4
開園日:火~日曜10:00~なくなりしだい終了(いちご直売は5月末まで無休。月営業)
予約:要予約
いちご狩りのスタイル:30分食べ放題
料金:大人1700円、子供(4歳~小学生未満)1200円、1~3歳700円/5月9日~大人1000円、子供(4歳~小学生未満)700円、1~3歳500円
アクセス:京成線「初富駅」より徒歩5分、北総線・アーバンパークライン線「新鎌ヶ谷駅」より徒歩15分

PHOTO/AYUMI OOSAKI
※2018年1月31日現在の情報です

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※記事は2018年1月31日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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