世界のいまを考える現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ 2017」が8月に開幕

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3年に一度開催される現代アートの国際展が、横浜市内の各会場で開幕。今回は紛争や難民の問題など世界の「いま」を考えながら、人間の勇気と想像力が拓く未来へ希望をつなぐ内容に。世界中からどんなアートが集まるか、横浜を街ぐるみで楽しめる3ヵ月になりそう。

更新日:2017/06/05

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「島と星座とガラパゴス」という3つのキーワードがポイント。世界から約40組のアーティストが集結!

2017年8月4日(金)から11月5日(日)まで、横浜市内ではヨコハマトリエンナーレ 2017「島と星座とガラパゴス」が開催される。会場となるのは横浜美術館と横浜赤レンガ倉庫1号館、そして横浜市開港記念会館の3ヵ所。国際的に活躍するアーティストや、日本で初めて紹介されるアーティストなど約40組が、テーマに沿った作品を出品するそう。

タイトルにある「島」「星座」「ガラパゴス」という3つの言葉は、孤立や接続、想像力や指標(道しるべ)、独自性や多様性などを表すキーワードなのだとか。そんなキーワードを手がかりにアートを鑑賞すれば、新しい視点に出会えるかも。

パオラ・ピヴィ《I and I(芸術のために立ち上がらねば)》 2014

写真は、イタリア人アーティスト、パオラ・ピヴィの作品《I and I(芸術のために立ち上がらねば)》 。これまで動物をモチーフにした彫刻作品なども多く手がけてきたそうだけど、活動の拠点をアラスカに移してから、北米で神聖な生き物とされてきた熊の作品を展開しているという。

ユーモアあふれるタイトルと、カラフルな羽根に覆われた実物大の熊の姿は、多様性や差異を示す存在にも見える。作品として楽しみながら、熊の置かれた環境にもちょっと想いを馳せてみては。

世界が抱える問題を、時にリアルに時にコミカルに、多彩な表現で考えさせてくれる作品群

世界が注目する問題をモチーフとした作品も多く、その背景を知ることでいろんなことを考えさせてくれる。

例えば、世界が注目する難民問題をモチーフとした中国人アーティスト、アイ・ウェイウェイ(艾未未)の作品《安全な通行》 。ちょっと見ただけでは、すぐにそれと分からないけれど、柱を飾っているのは大量の救命胴衣。

アイ・ウェイウェイ(艾未未)《安全な通行》 2016

これらは、ギリシャのレスボス島にたどり着いたシリア難民が実際に着用していたもので、命がけで海を渡った証でもある。その事実を知ると、作家の投げかけるメッセージがさらに強く伝わってくるよう。

また、ユーモラスな表現で「歴史」のものものしさを考えさせるのは、映像作家としても活躍するクリスチャン・ヤンコフスキーの《重量級の歴史》という作品。偉人の巨大彫刻を、重量挙げのポーランド代表選手が力を合わせても持ち上げられない様子は、どこかコミカルで哀愁さえ感じる。

クリスチャン・ヤンコフスキー《重量級の歴史(ルドヴィック・ワリンスキー)》 2013

独特の世界観を持ったユニークな作品も。会期中はセット券で関連イベントも一緒に楽しめる

独自の視点で、ものの持つ「意味」に注目した作品も登場する。ロンドンを拠点に活躍するアーティスト・デュオのブルームバーグ&チャナリンは、精神分析学の創始者フロイトが晩年に使っていた診療用の長椅子に着目。

絵のように見えるのは、この椅子に付着していた(患者のものらしい)毛髪のDNA解析画像をタペストリーにしたもの。現代の科学技術と、伝統工芸をコラボさせた不思議な作品に仕上がっている。

ブルームバーグ&チャナリン《フロイトの長椅子の残存繊維を石英楔型検板を用いて観察した際の干渉縞》 2015

会期中は各会場で展示される作品のほかにも、観光をテーマにしたイベント「BankART Life V」や、黄金町エリアのアートフェス「黄金町バザール2017」などがあり、2つのパスポートがセットになったチケット(セット券)も発売される。各会場を結ぶ無料バスも運行するので、チケットさえあればアクセスは楽々。

夏から秋に向かって、横浜が現代アートに彩られる「ヨコハマトリエンナーレ 2017」。驚いたり、考えたり、実感したり、いろんな形でアートな時間を楽しんで。

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ヨコハマトリエンナーレ2017「島と星座とガラパゴス」

ヨコハマトリエンナーレ ロゴ

TEL. 03-5777-8600(ハローダイヤル 8:00~22:00)
会期:2017年8月4日(金)~11月5日(日)
休場日:第2・第4木曜(8月10日、24日、9月14日、28日、10月12日、26日)
開場時間:10:00~18:00 (最終入場17:30)
※10月27日(金)、28日(土)、29日(日)、11月2日(木)、3日(金・祝)、4日(土)は20:30まで開場(最終入場20:00)

会場/アクセス:
横浜美術館/みなとみらい線「みなとみらい駅」3番出口より徒歩3分 ほか
横浜赤レンガ倉庫1号館/みなとみらい線 「馬車道駅」または「日本大通り駅」より徒歩6分 ほか
横浜市開港記念会館/みなとみらい線「日本大通り駅」1番出口より徒歩1分 ほか
※会期中は会場間を結ぶチケット所持者限定の無料バスも運行

鑑賞券(前売):一般1800円(1500円)、大学・専門学生1200円(900円)、高校生800円(500円)、中学生以下 無料
※3会場に会期中1回ずつ入場可能。入場当日は同一会場に限り、再入場可能
セット券:一般2400円(2100円)、大学・専門学生1800円(1500円)、高校生1400円(1100円)、中学生以下 無料
※関連イベント「BankART Life V」、「黄金町バザール2017」のパスポートがセット

NAOKO YOSHIDA (はちどり)

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※記事は2017年6月5日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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