首こりの原因とは?解消に効果的なストレッチ方法や予防法も解説

首の後ろにある筋肉がこり固まり、痛みやだるさを感じる首こり。ときには頭痛や吐き気、めまいといった症状につながることもあるため、予防したい、解消したいと考える人は多いはず。そこで今回は、パーソナルトレーナーの津村美緒さんに聞いた首こりが起こる原因や、予防のための注意点、首こり解消におすすめのストレッチなどを詳しくご紹介。つらい首こりに悩まされているなら、ぜひチェックしてみて。

更新日:2024/08/30

今回お話を聞いたのは・・・

パーソナルトレーナー 津村美緒(つむらみお)さん

パーソナルトレーナーとして活躍する傍ら、ハーティネス株式会社の代表も務める。フィットネス業界での経験を活かし、正しいダイエット知識を求める人々に向けて、オンライングループレッスンを運営。コンプレックスを強みに変えることをコンセプトに掲げ、ボディメイク運動やリバウンドなしの食事指導を行っている。YouTubeチャンネル「みおGYM」では週2回エクササイズを配信し、出版、雑誌、テレビ出演などさまざまなメディアで活動。 JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟で2年連続優勝経験を持つ。

<資格>
AFFAパーソナルスポーツトレーナー、JAFA(日本フィットネス協会)エアロビックダンスインストラクター、遺伝子トレーニングアドバイザー、JWI自立型セルフマネジメント 認定プランナー2級、上級食育アドバイザー

1.首こりとはどのような状態?肩こりとは違う?

首こりとは、首の後ろにある筋肉が緊張状態になり、こわばったり硬くなったりしている状態。張ったような重い感じやだるさ、疲労感などを感じることが多く、ひどいときは首を動かすのが難しくなったり、痛みを伴ったりすることもある。

似たような症状として肩こりも挙げられるが、首と肩は大きな筋肉でつながっているため、首こりなのか肩こりなのか判断しにくい。違和感が首の後ろのうなじ周辺にある場合、首がこっていると考えられる。

ただし、痛みや手足のしびれを伴うときは、筋肉の疲労ではなく頚椎に異常がある可能性も。放っておくと症状の悪化を招くので、注意しながら経過を見よう。

2.首こりがあるかどうかセルフチェックする方法

首周辺に違和感があるけれど、本当に首がこっているのかわからないこともあるはず。首こりかどうか判断するために、以下の3つのチェックポイントを確認してみよう。

首を左右にどれだけ倒せるかチェック

背筋を伸ばした状態で首を左右に倒し、肩から顔までどの程度間が空くか調べる方法。顔と肩の間がこぶしひとつ分ほど空いていれば、正常だといえる。それ以上に空いていたり、左右の隙間に差があったりする場合は、首がこっている状態かも。

左右を向いたときの可動域をチェック

身体は前に向いたまま顔だけを左右に向けたときに、肩と鼻の位置関係がどうなるか見る方法。肩と鼻が一直線上にある状態が望ましい。鼻が肩のラインより手前で止まってしまう場合は、首の後ろ側がこっているといえる。

顔をスムーズに上下に向けられるかチェック

顔を上に向けたときに、真っ直ぐスムーズに上げられるか調べてみよう。首の前側の筋肉がこり固まっていると、うまく上を向けないことが多い。

また、顔を下に向けたときにどこまで下げられるかもチェックして。顎を鎖骨につけられず大きな隙間がある場合は、首がこっている可能性も。

3.主な首こりの原因

首こりを引き起こす恐れのある6つの原因を解説。自分の習慣を振り返りながら、当てはまるものがないかチェックしてみよう。

長時間首に負担のかかる姿勢で過ごしている

首は重い頭部を支えているため、姿勢によっては大きな負担がかかりやすい。悪い姿勢で長時間過ごしていると、首こりの原因になる。

首がこりやすい人として挙げられるのは、スマートフォンの画面を長時間見ることが多い人、デスクワークで長時間座っている人など。長時間同じ姿勢でいると猫背になりやすく、頭を支えている頸椎やその周辺の筋肉の荷重バランスが崩れることで、首すじの筋肉が引っ張られてこわばり、首こりを引き起こす。

また、高さの合わない枕を使うことも、原因のひとつとして考えられる。

ストレークネックになっている

ストレークネックとは、本来ゆるやかなS字カーブを描くべき頚椎が、まっすぐになってしまっている状態。首を前に出した姿勢を続けると起こりやすく、首こりや肩こりの原因となる。スマホの画面を見るときの前かがみ姿勢で起こりやすいことから、「スマホ首」と呼ばれることも。

首こりが気になるなら、ストレートネックになっているかどうかをセルフチェックしてみるのがおすすめ。壁にお尻と背中をつけて立ち、後頭部、肩甲骨、お尻、かかとが無理なく壁についているかどうか確認しよう。無理をしないと壁につかなかったり、後頭部が壁から浮いたりする場合は、ストレートネックの可能性が高い。

目の使いすぎによる眼精疲労

長時間にわたり目を酷使すると、眼球の周りの筋肉に疲れを感じる「眼精疲労」になりやすい。眼精疲労になると、物を見るときにピントを合わせにくくなり、顔を前のめりにするなど不自然な姿勢をとることで首こりを引き起こす。

また、目の周辺に疲労が溜まると全身に疲れを感じることも。とくにパソコンやスマートフォン、タブレットなどの画面を長く見ることが多い人は注意が必要。

ストレスによる自律神経の乱れ

人は大きなストレスを受けたとき、自律神経のはたらきに乱れが生じやすくなる。自律神経は筋肉の状態や血行にも影響するため、乱れると首周辺の血行が悪くなり首こりの原因に。

一時的なストレスであれば対処しやすいが、過度にストレスが溜まったり、ストレスを感じる状況が続いたりすると、首こりが慢性化することもある。

運動不足による血行不良

運動不足で身体を動かしていないと、筋肉に疲労や緊張が生じやすくなる。血行の悪化を招き、首のこりがひどくなってしまうことも。

また、首周辺の筋肉量が少ないと、頭を支えるために多くの負担がかかり、こりを引き起こしやすいと言われている。姿勢に気をつけているのに首がこりやすいと感じるなら、日頃の運動習慣が関係しているかも。

首こりを症状として伴う疾患がある

こりだけでなく頭痛や吐き気、手足のしびれなどの症状を感じる場合、「頸椎椎間板ヘルニア」「変形性頸椎症」といった頸椎に関わる疾患も原因として考えられる。加齢とともに見られやすくなるほか、ラグビー、柔道など首に負担のかかるスポーツでも起こりうる。

また、中には肝炎、胆石、狭心症、高血圧症などの内臓疾患により起こる首こりも。筋肉のこりをほぐしても痛みや違和感が消えない場合や、気になる症状が続く場合は、医療機関を受診して。

4.首こりを予防するための8つのポイント

つらい首こりを防ぐためには、日常生活で原因を作らないよう意識することが大切。首こり防止のために実践したい8つのポイントを解説。

日頃から正しい姿勢を心がける

まずは、首こりや肩こりを引き起こしやすい姿勢の乱れを正そう。パソコンやタブレット、スマートフォンなどの画面を見る際は、頭を下げる姿勢を続けないように注意。筋肉がこり固まって血行が悪くなるうえ、ストレートネックになるリスクも高まる。

パソコンを使う際は画面と顔の距離を40cm以上離し、ディスプレイの上端が目の高さと同じになるか、少し低めになるように高さの調節を。椅子に座るときは背筋を伸ばし、肘を90度曲げた位置に机の高さがくるようにするとよい。スマホを持ったら背筋を伸ばした姿勢のまま脇を締めて、目線と画面の高さを合わせて使う。

なお、いい姿勢を心がけていても、同じ姿勢を長時間続けると首や肩がこりやすい。デスクワークをする場合は1時間に1回を目安に休憩をとり、伸びをするなど軽く身体を動かして。

ストレッチやマッサージで筋肉をほぐす

筋肉のこりを防ぐには、ストレッチも効果的。仕事や家事の合間に取り入れて、しっかり筋肉をほぐして。ウォーキングやラジオ体操など、気軽にできる軽い運動を取り入れたり、やさしくマッサージしたりするのもおすすめ。

ただし、無理に伸ばしたり圧をかけすぎたりすると、逆に筋肉を傷めてしまう恐れも。いきなり強い負荷をかけないように、ゆっくりと伸ばそう。

身体を動かす習慣を身につける

身体を動かさないまま過ごすと、筋肉の血流が悪くなり、疲労やこりを引き起こしやすくなる。普段から適度な運動を取り入れて、首こりや肩こりを予防しよう。

必ずしもジムに通ったりハードなスポーツをしたりする必要はなく、意識的に階段を使う、いつもより少し多めに歩く、といった運動でOK。忙しくて時間をとれない人は、デスクワークをしながら足を上げ下げしたり、腕を回して肩甲骨周りをほぐしたりしてみて。

首や肩を冷やさないようにする

冷房や冬の寒さによる冷えは、血流の悪化や筋肉のこわばりを招く原因。首や肩を冷やさないよう、冷気が当たるところで長時間過ごさないように注意して。冬場の外出時には、ネックウォーマーやマフラーで防寒しよう。

首や肩が冷えてしまった場合は、カイロを当てたり湯船に首まで浸かったりして温めるとよい。手元にカイロがない場合は、タオルを水で濡らして電子レンジで1分ほど温めたホットタオルを使うのもひとつの手。

ストレスを溜め込まない

自律神経の乱れを防ぐために、精神的なストレスを溜め込まないよう意識しよう。身体を動かしたり思いきり趣味を楽しんだりして、定期的にストレスを発散させることが大切。

また、生活リズムを整えることも首こり予防には欠かせない。食事を抜かない、できるだけ寝起きする時間を一定に保つなど、規則正しい生活を心がけて。

自分に合う枕を使う

就寝時に長時間使う枕は、自分の体型や寝方に合うものを選ぶとよい。仰向けで寝る場合は頚椎の前弯カーブに、横向きの場合は肩から首にかけての曲線にフィットする形を選ぼう。ストレートネックに悩む人は、それにに対応したデザインの商品もあるので検討して。

首に負担をかけないためには、枕の高さも重要。個人差はあるが、一般的に仰向け寝なら1.5~5cm、横向き寝なら4~10cm、うつぶせ寝であれば0.5~3cmが適しているといわれる。高さ調節ができる枕なら、体格や好みの寝方に合わせやすく便利。

また、枕に使われる中材にはいろいろなものがあるが、どれが合うかは人によってさまざま。その日のコンディションによっても適した素材や高さは異なるので、複数の枕を使い分けたり、高さをタオルなどで調整しながら使ったりするのがおすすめ。

血行促進効果のあるウェアを着用する

近年では、身体から放出される遠赤外線(体温)を輻射することで血行を促進し、筋肉のコリの緩和や筋肉痛の緩和効果が見込めるリカバリーウェアが流通している。運動後や就寝中に着用することで、筋肉のハリやこりの予防、緩和に役立つ。

普段着としても着やすいスタイリッシュなタイプや、寝返りのしやすさを追求したパジャマタイプなど、種類はさまざま。生活スタイルに合うものを取り入れて、首こり予防に役立てよう。

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SIXPAD リカバリーウェア

9900円(Tops:オーバーサイズTシャツ)

締め付けのないゆったりシルエット。リカバリーウェアをおしゃれに着こなしたい人に。

抜け感のある着こなしが叶う、オーバーサイズのリカバリーウェア。特殊繊維の「Mediculation®(メディキュレーション)」が身体から放出される遠赤外線を輻射し、血行を促進する。疲労回復しながら、おしゃれさも求めたい人におすすめ。

特殊繊維の配合量の多さと効果の相関性に着目し、約310g/m2の目付量で設計。吸水速乾性が高く、汗をかいてもさらっとした着心地を保てる。運動後や夏のリラックスタイムに着るウェアとしてうってつけ。

さらに、より涼しく着用できるように接触冷感機能を採用。機能にも過ごしやすさにもこだわった使い心地を、ぜひ一度体感してみて。

たんぱく質やビタミンをバランスよく摂る

頭をしっかり支えるための筋肉づくりには、栄養バランスのとれた食事も重要。筋肉のもとになるたんぱく質を摂るために、肉、魚、大豆、乳製品などの食材を意識して取り入れよう。

また、ビタミンEには血行をよくするはたらきがあるとされている。ビタミンEを多く含むかぼちゃ、ブロッコリー、キウイフルーツや、うなぎなどを食事にプラスしてみて。サプリメントを活用してもよいが、基本的には食事からさまざまな栄養をバランスよく摂取するのが好ましい。

5.首こり解消におすすめなストレッチを紹介

首こりの解消に効果的なストレッチの方法をご紹介。簡単にできるものばかりなので、隙間時間を使い実践してみよう。どこか一部分だけを伸ばすのではなく、前後、側面の筋肉をまんべんなく伸ばすことが大切。

首の両脇を伸ばすストレッチ

ストレートネックの原因になる「胸鎖乳突筋」のこりをほぐすのにおすすめ。背筋をまっすぐに伸ばし、右手を左の側頭部に添える。右側へ倒すように引き寄せて、左側の首筋を伸ばしたまま20秒ほど静止して。

無理に力を入れず、手の重みだけで頭を倒すのがポイント。息を吐きながらゆっくり戻したら、反対側も同様に伸ばす。

真横の筋肉を伸ばし終えたら、再び右手を左側頭部に添え、右斜め前に倒そう。20秒静止し、戻したら反対側も同様に。首側面のやや後方の筋肉まで伸ばすことで、しっかりほぐれやすくなる。

首の後ろ側を伸ばすストレッチ

姿勢を正したら頭の後ろで両手を組み、軽く押しながら顎を胸に近付けるイメージで頭を下げる。15秒ほどキープしたら、ゆっくり戻してもう一度同じ動きを繰り返そう。

手に力を入れすぎず、自然な重みでストレッチをかけるのがコツ。身体全体が前かがみにならないよう姿勢にも注意して。

首の前側を伸ばすストレッチ

うつむき姿勢や猫背になると、とくに前側の筋肉がこり固まりやすい。デスクワークが多い人やスマホをよく見る人は、前側をしっかり伸ばして。

両手を組んで胸の前に当てたら、口を閉じたまま顎を天井に向けるように頭をゆっくり後方へ倒す。倒しすぎると頸椎に負担がかかるので、首の前側が心地よく伸びる程度にとどめよう。15秒ほどキープしたらゆっくり戻し、同じ動きを計2回行う。

最後に頭をゆっくり回す

首の前後や横を伸ばしたら、仕上げに頭をゆっくり回して全体を伸ばそう。激しく動かすと首に負担がかかりやすいので、やさしくなじませるイメージで動かして。

6.首こりの緩和に効果的なグッズは?

首こりの緩和には、ストレッチに加えてグッズも取り入れるとより効果的。例えば以下のようなものに注目してみよう。

自宅で簡単に使えるネックマッサージャー

マッサージや整体に行く時間がとれないなら、自宅で使えるネックマッサージャーを活用してみて。首に当てるだけで、こりが気になる部分をほぐせる。首~肩甲骨あたりまで広くカバーできるものなら、肩こりにもアプローチしやすい。

首の冷えが気になる人は、温熱機能の有無もチェックしよう。首周りを温めながらほぐすことで、よりスッキリ感が得られるはず。

筋肉の疲労を回復するリカバリーウェア

首だけでなく全身の疲労感が気になるなら、リカバリーウェアに注目。身体から放出される遠赤外線を特殊な繊維が輻射し、血行を促進する。

着ているだけで効果が見込めるので、効率的に疲労を回復したい人にはとくにおすすめ。就寝時やスポーツ後、リラックスタイム用のウェアとして取り入れてみて。

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SIXPAD リカバリーウェアスリープ

11000円(Tops:スリープトップ(半袖))

寝ている間に疲労を回復。快適な睡眠のためにこだわった着心地のよさも魅力。

睡眠時の疲労回復をめざす人におすすめな、半袖タイプのリカバリーウェアスリープ。高純度セラミックを練り込んだ特殊繊維の「Mediculation®(メディキュレーション)」が、身体から放出される遠赤外線を輻射して血行を促進する。寝ながら筋肉のハリ、コリにアプローチできるのが嬉しい。

肌触りのよさにもこだわり、なめらかな生地を採用。締め付け感のない着心地で、スムーズな入眠がかなう。寝返りを打ちやすいように、ゆったりしたシルエットで設計されているのもポイント。

胸元のロゴは表面だけのプリントなので、チクチク感が気になりにくい。シンプルなデザインだから、就寝時からちょっとした外出まで幅広く使えるはず。

7.首こりに関するQ&A

Q.首こりやめまいに効くツボはある?

A.首こりに効くツボとしては、後頭部にある「玉枕(ぎょくちん)」、耳たぶの裏側にある「天牖(てんゆう)」、うなじにある「「風池(ふうち)」などが知られています。痛みを感じない程度に、指でほどよく押してみてください。

自分でツボを押そうとすると肩に力が入ってしまいがちなので、呼吸のリズムに合わせ、身体の自然な重みで押すように意識しましょう。

Q.首こりが痛いと感じるときは伸ばさないほうがいい?

A.首こりの原因が頸椎の傷みにある場合、無理に動かすと悪化させてしまう恐れがあります。必要以上に圧をかけたり伸ばしたりせず、医療機関を受診しましょう。とくに、頭痛やしびれといった症状も見られる場合は注意が必要です。

Q.首こりは薬や漢方で緩和できる?

A.市販薬によって緩和できることもあります。内服薬では筋肉をほぐす薬やビタミン剤、外用薬では湿布や塗り薬などが一般的です。ただし、市販薬の説明に記載された期間がすぎても改善が見られない場合や悪化している場合は、使用をやめて医療機関を受診してください。

Q.鍼灸治療や整体はひどい首こりに効く?

A.首こりが慢性化している場合、鍼灸や整体で身体を整えるのはおすすめです。セルフケアでは手が届かない部分へ効果的にアプローチできます。治療に必要な回数は症状によっても異なるので、鍼灸師や整体師とよく相談しましょう。

Q.ストレートネックはセルフケアで改善できる?

A.セルフケアである程度の改善は可能です。首を前に突き出す姿勢で負荷がかかる「胸鎖乳突筋」を緩めることで頭が立ち上がりやすくなり、首や肩のこり軽減も期待できます。

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※記事は2024年8月30日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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