シミ・そばかすを消してシミができにくい肌へ!美容皮膚科医が教える原因や対策、予防とは

シミ・そばかすを消してシミができにくい肌へ!美容皮膚科医が教える原因や対策、予防とは

一度できてしまったが最後、なかなか消えないシミやそばかす。これまでの日焼けダメージや、食生活などが影響して、シミ・そばかすができやすい状態になっているかも。そこで、美容皮膚科「ティーアイクリニック」の院長・田原一郎先生に、シミの正体や治療方法、予防方法について教えてもらった。

更新日:2021/05/11

シミ・そばかすとは?

シミ・そばかすの状態

シミとは、肌表面から約0.2mm程度の表皮という層にあるメラニンのこと。メラニンは、紫外線から肌を守るために細胞から出され、体にとっては大事なバリア機能。しかし、メラニンは、それ自体が黒い色をしているのでシミやそばかすとして認識できてしまう。
シミができやすいのは、目の下や鼻の頭、くちびる、ほお骨の周辺など紫外線が当たりやすい部分。シミが多かったりシミが濃くなったりしている部分はUV対策が足りていないので注意しよう。また、背中や腕も紫外線を受けやすく、シミができやすい。ただし、シミのできやすさやできやすい部位は遺伝が影響していることが多いため、お悩みの部位や度合いは人それぞれなのだとか。

また、シミもそばかす(雀卵斑)も、その正体はメラニンそのもので、シミとそばかすを分けて考える必要はない。一方、肝斑や隆起のあるシミ、ADM(後天性真皮メラノーシス)などは、見た目は似ているけれど実態はまったくの別モノ。例えば肝斑は女性ホルモンによる炎症と色素沈着なので、シミ用のケアをすると悪化する可能性が。また、隆起があるシミはイボの部類、ADM(後天性真皮メラノーシス)は表皮よりも奥深くにあるアザの仲間、と三者三様。それらを自分で見分けて判断することは難しく、治療法も異なるので医師に相談をするのが安心。

シミ・そばかすの原因

紫外線から体を守るメラニンがシミやそばかすの正体。では、シミやそばかすができやすい人とできにくい人がいるのはどうしてなのか、田原先生に主な原因を3つ教えてもらった。

■遺伝
シミに限らず、肌に出てくるものは9割以上が遺伝によるものと言われている。たとえ今は様子が違っていても、歳を重ねるにつれて親と同じような傾向になるケースが多いので、親にシミが多ければそう思ってケアをしておくことが大切。
残りの10%は後天的なもので、もちろんこれまでの日焼けの仕方や食生活、運動習慣など、日頃の生活も影響している。

■酸化
紫外線を浴びることで肌の活性酸素が増え、肌の細胞が劣化していくのが肌の酸化。鉄が酸化してさびるのと同じ状態が肌にも起きてしまう。赤ちゃんの頃ぴかぴかだった肌も、紫外線を無防備に浴び続けることで透明感を失っていく。肌の酸化は生まれてからずっと進んでいる状態だから、思い立ったらすぐにシミ対策をスタートするのがベスト。

■女性ホルモン
女性の肌は、生理・妊娠・出産を機に、ホルモンの影響で炎症を起こしやすくなるもの。炎症が起きた肌は酸化が進んでしまい、シミになってしまうこともある。また、炎症性色素沈着である肝斑はホルモンの影響を受けやすい。

シミ・そばかすの対策・ケア方法・治療方法

光フェイシャルを受ける

田原先生がもっとも推奨するシミケアが、光フェイシャル。肌に特殊な光を当てることでさびた状態の細胞を修復し、シミやそばかすを改善へと導く。痛みがあるものやダウンタイムがある施術は出力を弱める必要があるが、光フェイシャルは痛みがマイルドなため出力を弱める必要がなく、マシンの効果を最大限発揮できるのが魅力。

マシンの種類やシミの度合いによって違いがあるものの、ほとんどの場合1回15分程度の施術でも改善を実感できる。また、3~4週間に1回の頻度で5回程度継続すると、肌がもとからキレイな人だと思われるようなクリアな素肌に。その後は頻度を減らしつつ、定期的にメンテナンスするのがおすすめ。

美容レーザーを受ける

シミ取りレーザーもよく知られている施術のひとつ。美容レーザーを使用したシミケアは効果が高い反面、施術中の痛みが強かったり、ダウンタイムが2週間前後と長めになったりデメリットも。美容レーザーを選ぶかどうかはシミがある皮膚の深さ次第。自己判断は難しいので、医師に相談してみよう。
シミ消しレーザーを当てた部分が徐々に黒くなり、シミが消えるまでの間にほくろのような濃い色になるので、広範囲のシミや目立つ部分の場合は避けた方がいいことも。ダウンタイム中、患部のメイクがNGという点も光フェイシャルと異なるポイント。

シミ・そばかすの予防

内服薬、外用薬を使う

体の内側からアプローチする飲み薬や、スキンケアのついでに塗れる外用薬のシミケア効果にも期待したいところ。しかし、内服薬や外用薬の効果はとてもマイルドなので、できてしまったシミを消すにはパワー不足。予防策の一環として取り入れる分には十分に効果が見込める。光フェイシャルなどで適切に治療した後、薬やサプリメントでシミの発生を抑えていくのがベター。

日頃の紫外線ケア・UV対策を徹底する

シミやそばかすの正体は、紫外線を浴びた肌を守るために体から出されるメラニン。そして、紫外線のせいで肌の酸化・糖化が進行することも悪影響を及ぼす。日常生活で日光を100%避けることはできないので、日傘や日焼け止めといった適切なUV対策を習慣化しよう。室内にいるときも窓からの光で紫外線の影響を受けるため、おこもりデーにも最低限の日焼け止めをお忘れなく。また、目のまわりやくちびるは紫外線対策を怠りがちだけれど、実は紫外線が当たりやすいパーツ。サングラスやUV効果のあるリップを活用して。

抗酸化物質が含まれている食べ物を摂る

ベータカロテン、リコピン、ビタミンCなど抗酸化物質が含まれたものを食事から摂取するのも大切。それらを摂取すればシミが消えるというわけではないけれど、シミ対策のみならず美容と健康によい食品ばかりなので、偏りなくさまざまな食べ物から抗酸化物質を取り入れよう。例としては、パプリカ、トマト、チンゲン菜、エリンギ、キャベツ、玉ねぎなどの野菜や柑橘類、そしてサーモン。ただしレモンやオレンジなどの柑橘類を朝や日中に食べるのはNG。柑橘系のフルーツにはソラレンという物質が含まれていて、紫外線が当たるとメラニンを肌の上層に押し上げてしまう作用があるので注意しよう。

シミ・そばかすにまつわるQ&A

シミ・そばかすはセルフケアで消せますか?

一度できてしまったシミをセルフケアで治療するのは難しいです。光フェイシャルや美容レーザーなどで適切に治療した後、ご自身でアフターケアや予防に力を入れるのがよいでしょう。

シミを消すための施術を受ける、ベストタイミングは?

シミ消しに取り掛かるべきタイミングはズバリ「今すぐ」。古くなったシミほど取りにくくなるので、気になっているならすぐに治療をスタートしてください。「紫外線の弱くなる冬に」と考える人も多いようですが、それよりもシミを熟成させないことが大切です。

シミのできやすい人はどんな人ですか?

シミのできやすさの要因の9割は遺伝です。ご両親のどちらか、または両方にシミが多ければ将来シミが増えてくる可能性が高いので、今から予防や対策に力を入れてください。また、女性は生理や妊娠・出産のタイミングでホルモンバランスが不安定になり、炎症が発生してシミができやすくなります。

シミと肝斑の見分け方を教えてください

シミが現れる場所は左右対称ではなくバラつきがあり、境界線が比較的はっきりしています。一方で、肝斑の特徴は、顔の両側に左右対称にほぼ同じ形、大きさで発症します。比較的広い範囲にやや灰色味を帯びた淡褐色の境がはっきりしないぼやけた形で見えます。特徴はあるものの、区別がつきにくく自身で判断するのは難しいため、気になったら医師へ相談してみてください。

お話をお伺いしたのは、医師 田原一郎さん

日本医科大学医学部卒業後、日本医科大学付属病院、都内総合病院、都内美容クリニックなどを経て、2012年に「ティーアイ表参道クリニック」を開院、現在に至る。2014年からミスユニバース日本大会審査員、ミスユニバース日本大会ビューティキャンプ公式講師。一般内科や外科的な知識、全身管理の考えのもと安全性を第一に考えた美容医療と医療に取り組んでいる。

WRITING/ATSUKO HABU、ILLUSTRATION/HARUKA OSHIMA

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※記事は2021年5月11日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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