マットレスのカビの取り方3選!やってはいけない方法や効果的なカビ対策

いつの間にか生えているマットレスのカビ。特に、梅雨時や夏場は湿気がこもりやすく、カビの大量発生に困っている人も多いのでは。この記事では、マットレスのカビを取る方法やNGな落とし方、カビが生える原因を解説。カビさせないための具体的な対策も紹介するので、マットレスを衛生的に保ちたい人はぜひ最後までチェックして。

更新日:2024/04/17

今回お話を聞いたのは・・・

睡眠セラピスト 松本美栄(まつもとみえ)さん

睡眠デトックス・姿勢美矯正サロン「プロスパービューティー」オーナー。一般社団法人 濃縮睡眠協会 代表理事。自らの実体験をもとに、疲れを解消し日中のパフォーマンスを上げる睡眠法の研究をはじめ睡眠の効率を極限まで高めるメソッド「濃縮睡眠®」を開発。経営者や士業など、多忙を極めるビジネスパーソンやアスリートなどの間で評判になる。「睡眠の変化から人生の豊かさをより感じられる人を増やす」ことを目標にサロンでの施術・カウンセリングや座学の提供のほか、メディアへの出演も行っており、これまでに延べ6000人以上の睡眠に関する悩みを解決。著書に、「誰でも疲れない体が手に入る 濃縮睡眠メソッド」(かんき出版)、「パフォーマンスを劇的に変える!快眠習慣」(自由国民社)がある。

睡眠デトックス・姿勢美矯正サロン プロスパービューティー ウェブサイト
一般社団法人濃縮睡眠協会 ウェブサイト

1.マットレスのカビをそのままにするとどうなる?身体への影響とは

「マットレスにカビが生えたけれど、少しだから大丈夫」と放置している人は要注意。マットレスのカビをそのままにしていると、寝ている間カビの胞子を大量に吸い込むことになり、鼻炎や気管支喘息、アレルギー性皮膚炎、副腎疲労などを引き起こす可能性がある。特に、免疫力が弱い子供や高齢者は影響を受けやすく、重い症状がでることもあるので注意が必要。

一度生えたカビは対処しない限りマットレスに残り続け、自然に消えることはない。「ひどくなったら対処しよう」と除去を先延ばしにした結果、手に負えないほど範囲が広がってしまうケースもある。マットレスのカビは決して放置せず、早め早めに対処しよう。

2.マットレスにカビが生える原因

マットレスにカビが生える主な原因は、湿気とゴミ。人間は寝ている間にコップ1~2杯分もの汗をかくと言われており、マットレスには毎日大量の汗が染み込む。その結果、カビが生えやすい環境になり、広範囲にわたってカビが増殖する。

また、マットレスには皮脂やほこり、フケなどのゴミも溜まりやすい。これらはカビの栄養源となり成長を促進してしまうので、カビの増殖スピードが早まる原因に。マットレスはカビが発生しやすいだけでなく、増殖しやすい恰好の場所とも言える。

2-1.マットレスに生えるカビは主に3種類

カビにはさまざまな種類があるが、マットレスに生えるのは主に「黒カビ」「赤カビ」「青カビ」の3種類。このうち、最も多いのは「黒カビ」で、空気中にも浮遊している。マットレスが目に見えてカビている場合は、複数のカビが繁殖している証拠なので、なるべく早く対処しよう。

また、ウレタン素材のマットレスには「青カビ」が発生しやすい。ベッドフレームには「白カビ」が発生するため、カビの種類ごとに対策を行うのではなく、すべてのカビを発生させない心掛けが大切。

3.すぐに対処!マットレスに生えたカビの落とし方3選

カビによる健康被害を防ぐには、正しい方法で対処するのが大切。ここでは、マットレスに発生したカビを取り除く方法3選を紹介する。

3-1.方法1|消毒用エタノールで簡単除去

マットレスのカビは、消毒用エタノールで簡単に除去できる。消毒用エタノールをスプレーボトルに入れて、カビている箇所が湿るまで吹きかけたら、1時間ほど放置して浸透を待とう。

その後は、ぬるま湯で濡らしたタオルを絞り、こすらないようスプレー箇所をトントン叩いて拭き取る。湿気を飛ばすため、最後はドライヤーで乾かすか、風通しのよい場所で陰干しして。

使用するエタノール濃度が濃いと、マットレス自体を傷付けてしまったり、肌にダメージを及ぼしたりする危険性が。濃度90前後の消毒用エタノールを使う際には、水で薄めて活用するのがおすすめ。しっかりと乾かす必要があるため、寝る直前などの使用は避けよう。

カビの臭いが気になる場合は重曹水もスプレーして

重曹には臭いを吸着する働きがあるため、カビの臭いが気になる場合に併用するのがおすすめ。重曹小さじ1杯に対して100mlの水をスプレーボトルに入れ、よく振って混ぜる。カビ部分に重曹水を吹きつけ、5分ほど経ったらタオルでトントン叩いて拭き取って。その後に方法1を行えば、カビの成分と一緒に臭いも取り除ける。

3-2.方法2|市販のカビ取りスプレーを使う

カビ取りスプレーは、一般的なドラッグストアや通販で売られているため入手が簡単。使い方は商品によって違うものの、基本はカビが生えている部分にスプレーして20~30分放置するだけ。消毒用エタノールでは落ちない黒ずみをはじめ、カビの餌になるバクテリアも除去できる。

ただし、多くのカビ取りスプレーは塩素系で漂白力があり、染料まで脱色してしまう場合が。濃いカビを落とそうと何度もスプレーを吹きかけると、脱色の可能性も高まるだけでなく、マットレス内部に染み込んで素材の劣化に繋がってしまう。カビ取りスプレーは色落ちしてもいいマットレスにのみ使用し、あまり吹きかけすぎないように注意しよう。

3-3.方法3|クリーニング業者に依頼する

カビの範囲が広かったり、生えてから時間が経ったりしていると、自力で落とすのが困難な場合も。そんなときは、思い切ってプロのクリーニング業者に依頼しよう。

マットレスのクリーニング業者なら、目に見えない菌や臭いも除去してくれる。自宅まで引き取り可能なサービスがある業者を選べば、運ぶ手間もかからず気軽に利用できるはず。費用はマットレスのサイズによって異なるが、子供用の小さいもので7000円が相場。

4.やってはいけない4つのカビ取り方法

マットレスは身体に直接触れるものなので、安易なカビ取りは厳禁。かえってカビの範囲が広がってしまったり、体調不良を引き起こしたりしないように注意して。ここでは、避けるべきマットレスのカビ取り方法を4つ紹介する。

4-1.キッチンハイターやカビキラーをかける

カビ除去と言えば、キッチンハイターやカビキラーを思い浮かべる人も多いのでは。しかし、これらの塩素系漂白剤は非常に強い除菌作用がある。皮膚や粘膜に触れるとただれてしまう危険性があるため、マットレスのカビ取りには使わないようにしよう。

4-2.カビ取り剤とほかの洗剤を併用する

塩素系洗剤であるカビ取り剤は、絶対に酸性洗剤と混ぜないこと。カビ取り剤と酸性洗剤を混ぜると有毒ガスが発生する危険性があり、命にかかわる。

カビ取り剤の作用が弱いからと言って、ほかの洗剤と混ぜるのもNG。中和作用を起こし、カビ取り効果が下がる場合がある。有毒ガスの発生や、カビ取り剤本来の効果を薄める結果につながりかねないため、ほかの洗剤との併用は避けたほうがよい。

4-3.湿度が高い雨の日に作業する

雨の日は湿度が高く、カビが繁殖しやすい。そんな日にマットレスを水拭きすると、かえってカビが活性化してしまう可能性が。マットレスのカビを取るときは、湿度の低いカラッと晴れた日を選ぼう。

4-4. 掃除機でカビを吸う

カビを吸い取るために掃除機を使うと、カビの胞子を周囲にまき散らしてしまう恐れがある。その結果、無事だった場所もカビが生えやすくなり、かえってカビの範囲が広がることも。

5.正しく防止を!マットレスのカビ対策9選

マットレスのカビを防ぐには、普段からの予防が大切。なにより重要なのは、寝室やマットレスに湿気をためないこと。できることから始めて、マットレスを清潔に保とう。

5-1.寝室はこまめに換気する

最も簡単なカビ対策は、寝室のこまめな換気。カビの餌になるほこりを外に出す意味でも、定期的に窓を開けるのは重要。

なお、カビは湿度60%を超えると活動し始めるので、寝室には湿度計を設置すると目安になってわかりやすい。寝室内の湿度が、なるべく60%を下回るよう日々気を付けよう。

5-2.起きたら掛け布団をめくる

起きたら掛け布団をめくり、毎日1~2時間ほどはマットレスの表面をさらそう。掛け布団がマットレスに密着していると、寝汗による湿気が解放されずにカビやすくなる。目覚めてすぐのベッドメイキングは、掛け布団やマットレスのカビを促してしまうため、起床後しばらく経ってから行って。

5-3.週に1回はシーツ類を洗う

週に一度はシーツや敷きパッドを洗濯しよう。洗濯せずに使い続けると、吸収し切れない寝汗がマットレスに染み込んでしまう原因に。カビの栄養分となる皮脂汚れや食べこぼしもしっかり洗い流し、常に清潔な状態を維持し続けよう。

5-4.敷きパッドや除湿シートを使う

マットレスとシーツだけでは、寝ている間にかいた汗がすぐにマットレスへ吸収されてしまう。マットレスとシーツの間に敷きパッドや除湿シートを設置すれば、寝汗をしっかり吸い取ってくれる。敷きパッドは週に1回洗濯、除湿シートもこまめに乾かして清潔を保とう。

5-5.壁とベッドは10cmほど離して設置する

マットレスは底面だけでなく、側面からも湿気を逃がしている。壁にピッタリとくっつけてしまうと湿気がこもり、カビやすくなるため要注意。特に、窓際は結露でマットレスが濡れやすいので、ベッドやマットレスを設置するときは壁から10cmほど隙間を確保して。

5-6.マットレスはこまめに干す

内部にこもった湿気を逃がすため、1~2週間に1回はマットレスを陰干ししよう。干す場所は、直射日光の当たらない風通しのいい窓際がおすすめ。生地が傷む天日干しは避け、自立させたり壁に立てかけたりして干すとよい。扇風機やサーキュレーターを使うと効率よく乾くので、梅雨時や汗を多くかいた日は試してみて。

5-7.マットレスの直置きは避ける

マットレスを床に直接置くと、湿気の逃げ場がなくなりカビやすくなる。特に、万年床はカビの温床になるため、マットレスの直置きはなるべく避けよう。ベッドを置くのが難しい場合は、マットレスと床の間にすのこを敷けば湿気を逃せる。その際には、除湿パッドと組み合わせて使用するのがおすすめ。

5-8.カビない素材のマットレスに変える

中材にエア系ファイバーを使用しているマットレスは、ほかの素材に比べてカビにくい。エア系ファイバーのマットレスは繊維の隙間が空洞で通気性がよく、湿気にくい特徴がある。手洗いやシャワーでの丸洗いができる製品も多いため、衛生を保ちやすいのも嬉しいポイント。

以下の記事では、カビにくい素材を使用したものも含め、人気のベッドマットレスをご紹介。マットレス選びに役立つ情報も紹介しているので、あわせてチェックしてみて。
人気のベッドマットレスおすすめ31選!睡眠セラピストに聞いた役割や選び方も - OZmall

5-9.通気性のいいベッドフレームにする

ベッドフレームは、床との間に隙間がある脚付きタイプやすのこタイプがおすすめ。隙間がほとんどないベッドフレームは通気性が悪く、カビ対策には不向き。フレーム板が一枚のベッドや収納付きのベッドも湿気がこもりやすいので、寝室の湿気が気になる場合は避けよう。

6.マットレスがカビたら捨てることも検討しよう

カビの範囲やマットレスの使用期間によっては、買い替えを検討したほうがいい場合も。素材や種類にもよるが、一般的にマットレスの寿命は5~10年程度(ノンコイルマットレスなら5年前後が目安)と言われている。劣化したマットレスを使っていると身体に痛みがでたり、眠りが浅くなったりといった影響があるため、「まだ使えそうだから」などと無理に使い続けず、新しいものを購入しよう。

古いマットレスを処分する方法としては、「粗大ゴミにだす」「新しいマットレスの購入店舗に引き取ってもらう」「不用品回収業者に依頼する」などがある。それぞれメリット、デメリットがあるので、ぜひ自分に合った方法を探してみて。

買い替え時にチェックしたい、マットレスの選び方は以下記事でも詳しく解説。腰痛の人向けの選び方もあるのでこちらも参考にしてみて。
人気のベッドマットレスおすすめ31選!睡眠セラピストに聞いた役割や選び方も - OZmall
腰痛におすすめのマットレス11選!マットレスの選び方や気になる疑問も解説 - OZmall

※記事は2024年4月17日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

TOP