マットレスの正しい洗い方は? お漏らし、皮脂汚れなど種類別の対処法

「自宅でマットレスを洗いたいけど、洗い方がわからない」「そもそもマットレスって洗った方がいいの?」と、マットレスのケア方法をお探しの人もいるのでは? そこでこの記事では、自宅で洗えるマットレスの見分け方や、種類別、汚れ別のマットレスの洗い方をご紹介。自宅で簡単にできる部分洗いの方法も。適切な洗い方を知って、清潔感のある寝具を保とう。

更新日:2024/04/17

今回お話を聞いたのは・・・

睡眠セラピスト 松本美栄(まつもとみえ)さん

睡眠デトックス・姿勢美矯正サロン「プロスパービューティー」オーナー。一般社団法人 濃縮睡眠協会 代表理事。自らの実体験をもとに、疲れを解消し日中のパフォーマンスを上げる睡眠法の研究をはじめ睡眠の効率を極限まで高めるメソッド「濃縮睡眠®」を開発。経営者や士業など、多忙を極めるビジネスパーソンやアスリートなどの間で評判になる。「睡眠の変化から人生の豊かさをより感じられる人を増やす」ことを目標にサロンでの施術・カウンセリングや座学の提供のほか、メディアへの出演も行っており、これまでに延べ6000人以上の睡眠に関する悩みを解決。著書に、「誰でも疲れない体が手に入る 濃縮睡眠メソッド」(かんき出版)、「パフォーマンスを劇的に変える!快眠習慣」(自由国民社)がある。

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1. マットレスは汚れてなくても洗うべき?

たとえ汚れが目立たなくても、マットレスには目に見えない汚れが付着している場合も。清潔感を保つために、定期的に洗ったり買い替えたりしたほうがベター。

しっかりと洗えば、汗や皮脂汚れによるシミ、黄ばみのほか、ホコリやカビ、ダニなども除去が可能。特に喘息やアレルギーの症状が出やすい人は、マットレスの汚れが原因になる可能性があるため、こまめに洗おう。

2. 洗えるマットレスの見分け方

2-1. 自宅で洗えるマットレス

マットレスを洗う方法は、自宅で洗濯するかクリーニングに出すかのどちらか。

エア系と呼ばれる「高反発ファイバー」の素材は、ほとんどの場合、自宅で丸洗いが可能。「高反発ウレタン」は、洗えるものと洗えないものがあるため、洗濯表示の確認がマスト。

2-2. クリーニングに出すべきマットレス

コイルが入っているマットレスは自宅では洗えないため、クリーニングに出す必要がある。しかし、熱に弱い「ウレタン」や「ラテックス」などの素材は、対応していないクリーニングも少なくない。そういったマットレスは、部分洗いなどでの対応が必要になる。

熱に弱いマットレスでも、30度前後の温度であれば問題がない場合も多い。ジュースをうっかりこぼしてしまったり、濡れたタオルを放置してしまったりといった際には、簡単にシミ抜きを行った後に、ドライヤーなどで手早く乾かす対処が可能。

2-3. 3つ折り、ベビーマットレスは洗える?

3つ折りマットレスやベビーマットレスも、素材によって洗えるものと洗えないものがある。購入時に洗濯表示や取扱説明書などで確認しておくのがベスト。

特に、ベビーマットレスを頻繁に洗えない場合は、マットレスの上にタオルやおねしょシーツを敷くなどの対応がおすすめ。カビやダニの繁殖から赤ちゃんを守れるだけでなく、毎日取り替えれば清潔な状態を保てる。

3. マットレスの種類別の洗い方

3-1. エアリーファイバーマットレス

「ポリエチレン繊維」でできているエア系の「ファイバーマットレス」は、自宅のお風呂場で丸洗いが可能。推奨温度や洗い方は素材や製品によって異なるため、洗濯表示や説明書の通りに行う必要がある。ファイバー系のマットレスなら、シャワーで水洗いするのみの洗い方で十分な場合が多い。

基本的には、40℃程度のお湯でマットレスを流し洗いして、直射日光の当たらない場所で陰干しするだけ。中性洗剤を使う場合は、洗剤を入れた浴槽の湯にマットレスを浸し、足で踏み洗いをして、洗剤が落ち切るまで何度も湯を替えよう。中性洗剤であれば、衣類用(洗濯用)、台所用、掃除用など用途を問わず使用できる。

3-2. ウレタンマットレス

「無膜ウレタン」や「爆膜ウレタン」と呼ばれる特殊加工タイプを除き、「ウレタンマットレス」は水洗いできないものがほとんど。汚れが目立つ場合は、カバーだけを外して洗おう。カバーが外れない際は、中性洗剤を水で薄めてタオルに浸け、叩き洗いをするのがおすすめ。

また、「高反発ウレタン」のノンコイルマットレスは、自宅で洗えるケースも。水で押し洗いをしてマットレスに水を含ませ、汚れを押し出すように洗い、風通しのよい日陰で乾かして。

3-3. スプリングマットレス

「ボンネルコイル」や「ポケットコイル」などの金属スプリングが内蔵された「スプリングマットレス」は、自宅で洗うのが難しいベッドマットレス。

部分的に汚れている場合は、「ウレタンマットレス」と同様、中性洗剤を水で薄めてタオルに浸け、叩き洗いをしよう。全体が汚れている場合は、クリーニング業者に依頼を。持って行くのが難しい場合は、出張クリーニングに対応している業者を選ぼう。

3-4. ラテックスマットレス

ゴム素材の「ラテックスマットレス」は、劣化の可能性があるため水洗いできないことがほとんど。

汚れが気になる場合は、水で濡らして固く絞ったタオルで汚れた部分を拭き取り、陰干しで乾かそう。

以下では、通気性のよいものや丸洗いできるものなど、人気のマットレスを紹介。腰痛の人に役立つ選び方も、ぜひ参考にしてみて。
人気のベッドマットレスおすすめ31選!睡眠セラピストに聞いた役割や選び方も - OZmall
腰痛におすすめのマットレス11選!マットレスの選び方や気になる疑問も解説 - OZmall

4. 【部分洗いも】マットレスの汚れ別の洗い方

4-1. 汗ジミ、皮脂

人は睡眠中にコップ1杯分の汗をかくと言われているため、マットレスにも汗ジミや皮脂汚れが発生する可能性が。寝汗でシミができたら、「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」でケアしよう。

水100mlに重曹またはセスキ炭酸ソーダを小さじ1杯入れて、シミ部分にのせて5分放置。その後は、乾いたタオルで拭き取るだけ。汚れが取れて臭いがなくなるまで繰り返したら、陰干しでしっかり乾燥させよう。

4-2. お漏らし

おねしょの臭いの原因は、アルカリ性のアンモニア。アンモニアの臭いは、「クエン酸」で除去しよう。タオルで尿を吸い取ったら、水200mlにクエン酸小さじ1杯を加えたものを汚れ部分にのせて、約5分放置。臭いが取れるまで繰り返して。

しかし、これだけでは汚れが落ちきらないことも。そのときは、中性から弱酸性の尿を除去する「中性洗剤」をタオルに含ませ、固く絞って叩き洗いするのがおすすめ。

いずれも、熱いお湯をかけると尿に含まれるタンパク質が固まって落ちにくくなるため、水かぬるま湯を使用して。

4-3. カビ

湿気の多い空間でマットレスを使用していると、カビの発生リスクが高まる。もし、カビが発生してしまったら、市販の「カビ除去スプレー」でケアしよう。

表面のカビを濡れたタオルで拭き取り、カビ部分に「カビ除去スプレー」を噴霧して20分放置。カビが落ち切るまで繰り返し、落ちきったら陰干ししてしっかり乾燥させるだけ。

「消毒用エタノール」でも代替可能。エタノールを使う場合は、使用後1時間ほど放置しよう。

マットレスのカビの落とし方や防ぐ方法などは、以下の記事でも詳しく解説しているので、あわせてチェックして。
マットレスのカビの取り方3選!やってはいけない方法や効果的なカビ対策 - OZmall

4-4. 血液

月経時の漏れなどによる血液の汚れには、血液のたんぱく質を分解して汚れを落とす「セスキ炭酸ソーダ水」が効果的。

水500mlにセスキ炭酸ソーダを小さじ1杯入れて汚れに浸し、10分ほど放置。乾いたタオルに血液汚れを移すように軽く叩き洗いしよう。汚れが落ち切るまで繰り返したら、陰干しをしてしっかり乾燥させて。

4-5. ダニの繁殖

繰り返し繁殖するダニには、退治と除去のアプローチが大事。布団乾燥機などを使って、3日間ほど朝晩2回に分けて60℃以上の熱を当て、ダニを死滅させて退治しよう。

退治だけではダニの死骸やフンなどが残ってしまうため、マットレスの表面を掃除機で丁寧に吸って除去するのもお忘れなく。日々マットレスを清潔に保ち、湿気や汚れが溜まらないようにするのが、ダニの繁殖予防に役立つ。

4-6. 嘔吐物

マットレスに嘔吐してしまった場合は「重曹」を使って対処しよう。大さじ1杯の重曹を水300mlに溶かし、タオルに染み込ませて固く絞る。タオルを汚れている部分に押し当てて、臭いが取れるまで数回続けるだけ。その後は、風通しのよい所で陰干しして、しっかり乾かして。

もし臭いが取れない場合は、市販の消臭剤を使用すれば効果的。事前にプロテクターやシーツを取り付けておくと、マットレスに嘔吐してしまっても処理の手間がかからない。

5. マットレスの洗い方の注意点

5-1. コインランドリーや洗濯機を使わず手洗いを

コインランドリーや洗濯機で洗うと、マットレスが劣化する原因に。マットレスの手洗いから乾燥までを、必ず自宅で行って。

一部のマットレスは、洗濯機で丸洗い可能な商品も。その場合は、取扱説明書に沿って洗濯をしよう。

5-2. 半年に一度をめどにしっかりとお手入れを行おう

厚生労働省の「旅館業における衛生等管理要領」によると、布団や枕などの寝具の清潔を保つためには、「6カ月に1回以上の丸洗いが望ましい」と記述されている。これは「不特定多数の人が使用する場合」を考慮した規定で、一般家庭においてはその限りではない。マットレスの素材によっては、頻繁に洗いすぎると劣化する可能性があるため、半年に一度をめどにしっかりとお手入れを行おう。

半年に一度のしっかりとしたお手入れのほかには、定期的なメンテナンスや普段からの配慮が必要不可欠。スプリングマットレスなら、普段からベッドパッドを使用して汗を染み込ませないようにしたり、部屋の換気を行い湿気を逃すようにしたりといった配慮が大切。ノンスプリングマットレスの場合は、換気による湿気対策はもちろん、側生地の定期的な洗濯が効果的。

5-3. 直射日光で天日干ししない

マットレスを乾かすときは、除湿器や扇風機を利用して乾かしたり、室内で最も風通しのよい場所に立てかけたりして乾かすのがベスト。特に、熱に弱いウレタン素材のマットレスの場合は、天日干しすると変質を起こす可能性も。必ず風通しのよい日陰で乾かそう。

6. マットレスの洗い方に関するQ&A

Q. マットレスを長持ちさせるためには?

マットレスを同じ体勢で使用し続けると、同じ箇所ばかりに荷重がかかってしまい、ヘタリやすくなるもの。半年おきごとに、表面と裏面、頭部と足元を置き換えることで体重を分散でき、長持ちさせられます。

また、マットレス上で飛び跳ねるのも劣化が早まる原因のひとつ。一点に強い力が集中し、スプリングや床板を壊す可能性があるので注意しましょう。

Q. カビの繁殖を抑えるには?

カビを発生させない基本対策は、「換気」「除湿」「掃除」の3つです。雨が降っていなければ、風通しをよくするためにこまめに窓を開けたり、梅雨シーズンはエアコンの除湿や除湿機で湿度を下げたりして対処しましょう。

また、ベッドを壁から5cmほど離したり、晴れた日には布団やマットレスを干したりするのもカビ対策になります。

Q. マットレスが洗えないときはどうしたらいい?

マットレスが洗えないときは、部分的に汚れを落とすのがおすすめです。前述した「汚れ別の洗い方」を参考に、部分洗いをしましょう。

使用して時間が経っている場合は、買い替えを検討するのもひとつの手。汚れの具合に合わせて、適切な対処法を行いましょう。

※記事は2024年4月17日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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