目の下のたるみが治らないのはなぜ?美容皮膚科医が目もとのたるみについて解説
疲れたように見えたり不健康そうに見えたりしてしまう、目の下のたるみ。また、年を重ねるとしわとして同時に刻まれてしまうことも。表参道で美容皮膚科「ティーアイクリニック」を開院している医師の田原一郎先生に、目もとのたるみの原因や治療方法について教えてもらった。
更新日:2021/05/11
目の下のたるみとは?
目の下のたるみの状態
目の下の肌のハリがなくなった状態のことで、50代以降ではしぼんだ皮膚が重力に負けて垂れ下がり、しわを伴うことも多い。また、若い人で目もとがたるんでいる人は、目が大きくて涙袋も大きい傾向にあり、たるみやクマができやすい。クマのラインに合わせて凸凹した状態のたるみが現れているケースも多くみられる。
目の下のたるみの原因とは
たるみの原因は、肌のコラーゲン不足。加齢によってコラーゲンが減ると、真皮という皮膚の土台部分がゆるんで肌がハリを失い、しぼんだ形になる。
目の下がたるんで膨らんでいる場合は、目もとの脂肪が肌の表層に出てきていることが特徴的。皮膚が若くハリを保っていると脂肪を抑えておくことができるけれど、皮膚が弱くなってくると表面の形を維持できず、凹凸が出てくる。生まれつき目の下に脂肪がつきやすい場合、若い人や子供でも目の下がたるむことも。
目の下のたるみの対策・ケア・治療方法
照射を受ける
目の下のたるみは、程度が軽い場合は皮膚にコラーゲンを出させる施術で若返らせて、抑え込むことが可能。肌内部からコラーゲンの再生因子を出してコラーゲンの量を増やす施術がおすすめ。一方で、たるみがひどかったり、肌の老化が進行したりしている場合は効果を得られにくいので、まずは医師に相談をするのがベター。
■光フェイシャル
コラーゲンが70%を占め、コラーゲンの生産工場でもある真皮に直接アプローチできる施術。痛みやダウンタイムがなく、シミや肝斑などの肌トラブルを悪化させるリスクも低い。目の周りはデリケートなため、照射をしない美容クリニックもあるから事前にチェックして。
■超音波(HIFU)
表皮・真皮のさらに下にある皮下組織や筋膜にアプローチできる。コラーゲン生成に直接作用するわけではないが、後からコラーゲンが出てくるのが特徴。たるみを解消するには、皮膚や肌の各層にアプローチして総合的にリフトアップしていくのが理想で、深い部分に作用させるにはHIFUがおすすめ。
■高周波(RF)
肌に高周波を当てるマシン「サーマクール」や「テノール」も真皮にアプローチできる施術。施術時にやや痛みを感じるケースが多い。
美容整形クリニックで施術を受ける
美容整形クリニックではメスを使った施術が可能。目の下に脂肪がたまる眼窩脂肪が原因の場合、下まぶたを切開して脂肪を取り除く下眼瞼脱脂術(かがんけんだっしじゅつ)や、しわになった皮膚を取り除く下眼瞼除皺術(かがんけんじょすうじゅつ)を行う。切開した後は縫合が必要になるので、傷跡がしばらく目立ちやすい。一方、目の下のたるみを切らないで取る場合、小さく傷つけた部分から脂肪を取り出す施術になるが、重度のたるみには対応できないことも。
美容鍼を受ける
鍼師の国家資格取得者のなかでも、美容鍼を取り扱っている鍼灸院で受けることができる。専用の鍼を使用してツボを刺激したり、鍼で筋肉をほんの少し傷つけたりしてコラーゲン再生力を高める。目の下の脂肪を除去することはできないので、比較的軽度のたるみにおすすめ。
目の下のたるみの予防
紫外線ケア・UV対策を徹底する
日焼け止めには、下まぶたのたるみを取る直接的な効果はないけれど、紫外線対策はどんな肌悩みにも必要な基本のケア。また、肌の酸化・糖化を防ぐことで肌の老化を防ぐと、たるみの予防にもつながるので、毎日忘れず行おう。
スキンケア時に摩擦を起こさない
目の下のたるみは、スキンケアの時にどうしても触りたくなってしまうもの。けれど目の周りの皮膚はとてもデリケートなので必要最低限のタッチにとどめ、できる限り刺激を与えないようにして。たるみ以外にしわも出ている場合は、ソフトなツボ押しも控えたほうがベター。また、アイクリームなどを塗る際は力を加えずにそっと乗せる気持ちで触れるようにしよう。やさしく扱うことでしわやたるみを悪化させないようにすることが大切。
目の下のたるみにまつわるQ&A
目の下のたるみはセルフケアで治せますか?
顔のたるみと同様、肌のコラーゲンを増やすことが大切。食事でのコラーゲンを摂取は効果に繋がりにくいので、クリニックでの治療がおすすめです。
お話を伺ったのは、医師 田原一郎さん
日本医科大学医学部卒業後、日本医科大学付属病院、都内総合病院、都内美容クリニックなどを経て、2012年に「ティーアイ表参道クリニック」を開院、現在に至る。2014年からミスユニバース日本大会審査員、ミスユニバース日本大会ビューティキャンプ公式講師。一般内科や外科的な知識、全身管理の考えのもと安全性を第一に考えた美容医療と医療に取り組んでいる。
WRITING/ATSUKO HABU、ILLUSTRATION/HARUKA OSHIMA