ストレートネックとは?頭痛やこりにも繋がるストレートネックの原因や治し方、簡単ストレッチを徹底解説
頭痛や首こり、肩こりなど悩まされているトラブルのもとは、ストレートネックかも? ストレートネックを引き起こす原因や、セルフチェック方法、今すぐできるストレッチや治し方などを「猫背矯正サロン eS」の整体師・澤田知宏さんに聞きました。日々の動作や姿勢を見直し、取り入れられるケアを実践して、トラブルのない健やかな体を手に入れよう。
更新日:2021/09/21
ストレートネックとは?
ストレートネックの特徴と起きるトラブル
姿勢を横から見たときに、首の頸椎は緩やかなカーブを描いていると理想的。しかし、その緩やかなカーブがなくなってしまい、まっすぐになっている状態をストレートネックと言われ、別名「スマホ首」とも呼ばれる。特徴として、普段からあごが上がっていたり、耳の位置が肩よりも前に出ていたりする状態が多く見受けられる。
体に現れる変化・症状としては、頭痛・首こり・肩こりを感じる場合が非常に多く、肩の筋肉が盛り上がり、首が短く見えてしまうということもある。これまでに周りから「首が前に出ているよ」とか、写真撮影のときに「あごを引いてください」と言われた経験がある人は要注意!
ストレートネックの原因
■スマートフォン・パソコンの長時間の操作
頭はボーリングの球くらいの重さがあると言われており、首が前に出る姿勢を長時間取ることが大きな原因となる。特にノートパソコンによるデスクワークやスマートフォンを使う際は、目線の下に画面があるため、集中すると自然と画面に近づきがちになり、首に負担がかかる姿勢に! またテレワークが増え、地べたに座ってパソコン作業をする人もいるけれど、地べたでの作業は骨盤が後傾して背中が丸まり、首が前に出る状態が自然と作り出されるためNG。
■猫背や反り腰
猫背や反り腰もストレートネックの原因のひとつ。それは、背骨がゆがむことによって首周りに影響が出てくるから。骨盤が後傾していると背骨は腰の方から全体的に丸まってしまい猫背に。そうすると、首が前に出やすい姿勢になっていく。反対に骨盤が前傾した状態の反り腰も背骨のS字カーブが極端になるため、首の緩やかなカーブがなくなってしまい、ストレートネックに繋がる。
■高すぎる枕
自分に合っていない高すぎる枕で寝ている場合、睡眠中に首がまっすぐ伸びた状態となり、それが長年続けばストレートネックのひとつの要因になりえる。今現在、高い枕で寝ていて落ち着くという人は、すでにストレートネックになっている可能性も! 枕の高さをチェックして自分に合ったものに変え、快適な睡眠環境を整えることも、ストレートネックを防いだり改善したりするのに大切なポイント。
あなたはストレートネック?セルフチェック
自分で今すぐできる、ストレートネックのチェック方法をご紹介。
壁沿いに両方のかかとをつけて立ち、その状態で体をチェックしよう。このとき、耳・肩・骨盤の横・外くるぶしの4カ所が一直線上になるのが理想的な姿勢。一方で、後頭部が壁につかない人はストレートネックの可能性が! また、後頭部が壁についてもあごが上がっている、後頭部を壁につけた状態をキープするのがしんどいという人も改善を検討しよう。
ストレートネックの治し方って?
ストレッチ
デスクワークの合間にもできる簡単ストレッチ。ストレートネックの場合、広頸筋(こうけいきん)や胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)といった首の前側の筋肉が縮こまっている状態なので、ストレッチによって緊張を緩め、あごを引きやすい状態にしていこう。ストレッチをする際は、気持ちいいくらいの力加減で行うこと、呼吸を止めずに行うことを忘れずに。
■首の前側のストレッチ
1.鎖骨に手をあて、下にゆるく圧をかけて押さえる。
2.1の状態をキープしたまま、向けるところまでゆっくりと上を向き、そのままゆっくり3回呼吸をする。
■首の横側のストレッチ
1.鎖骨に手をあて、下にゆるく圧をかけて押さえる。
2.1の状態をキープしたまま、向けるところまでゆっくりと上を向いてから、首をゆっくりと左に倒し、そのままゆっくり3回呼吸をする。
3.反対側も同様に行っていく。
姿勢改善(骨盤調整)
骨盤調整・骨格調整は一般的に、呼吸を意識しながら骨盤、股関節周りの筋肉をほぐしたり、ストレッチで伸ばしたりして、骨格のズレや骨盤の開きを正しい位置へ戻していく施術方法。ストレートネックというと首のイメージが強いけれど、猫背・反り腰・骨盤のゆがみなど人によって原因はさまざま。そのため、その人の体の状態を確認したうえで、効果的な方法で足もとから首まで全身を施術して体のバランスを整えていく。
整体・揉みほぐし
整体・揉みほぐしは、背骨や骨盤のズレを調整して筋肉の疲労やこりをほぐすもの。姿勢矯正と同じく、1人ひとりに合ったアプローチを探り、ストレートネックの改善をめざして施術をしてくれる。セルフチェックやストレッチでの日々のケアに加えて、プロの手で調整をしてもらうと、より早くストレートネックの状態をよくしていけるはず。
ストレートネック予防法
スマートフォン・パソコン操作の際に正しい姿勢を取る
首が前に出てしまうような姿勢を長時間取らないということが、普段からの予防としてできることのひとつ。パソコン作業をするときは画面を目線に合わせるようにする、スマートフォンを使うときは少し腕を上げ、なるべく目線に合わせるようにするなど、日常の何気ない動作が予防に繋がる。頭はボーリングの球くらいの重さがあることを忘れず、首に負担をかけない姿勢を心がけよう。
寝るときの枕の高さを調整する
高い枕を使っていると睡眠中に首がまっすぐ伸びた状態となり、その状態が長年続けばストレートネックになってしまう。そこで自分に合った高さの枕で寝ることがとっても重要。視線がどこに向いているかを確認することで、簡単にチェックできる。適切な高さなら目線が真上よりやや下に向かっている状態に。枕が高すぎる場合は目線が下に向かって傾きすぎて、自分の足が見える状態となる。
ストレートネックにまつわるQ&A
ストレートネックとはどのような状態のことを指しますか?
ストレートネックとは、首の骨の緩やかなカーブがなくなりまっすぐになっている状態を指します。これまでに周りから「首が前に出ているよ」とか、写真撮影のときに「あごを引いてください」と言われた経験がある方は要注意かもしれません。頭痛や首こり、肩こりなどのトラブルを感じている人が多く、普段からあごが上がっていたり、耳の位置が肩よりも前に出ていたりする状態が多く見受けられます。また、肩の筋肉が盛り上がってしまい、首が短く見えることもあります。
ストレートネックは自分で治せますか?
自分でケアする場合は、ストレッチがおすすめです。ストレートネックは広頸筋や胸鎖乳突筋といった首の前側の筋肉が縮こまっている状態なので、ストレッチによって緊張を緩め、あごを引きやすい状態にしていきましょう。
根本的な改善をめざすなら、姿勢矯正や整体などプロの手に委ねるといいです。ストレートネックの原因は、猫背・反り腰・骨盤のゆがみなど人によってさまざま。その人の体の状態を確認したうえで、足もとから首まで全身を施術して体のバランスを整えてくれます。
お話をお伺いしたのは、澤田知宏さん
代官山にある「猫背矯正サロン eS」の代表。姿勢矯正の中でも特に猫背矯正を得意とし、筋肉をほぐしながら関節を動かすバキバキやらない施術でキレイな姿勢へと導いてくれる。
WRITING/NOZOMI SUZUKI