高齢者向けの宅配弁当・宅食おすすめ9選!選び方のポイントも紹介

調理済みの弁当が自宅まで届く宅配弁当・宅食。買い出しや自炊が困難な高齢者でも、栄養バランスに配慮した食事をとれるのが魅力。しかし宅食にもさまざまなものがあるため、「高齢者向きのものはどれ?」「本当においしい?」など疑問を感る人も多いはず。そこで今回は、管理栄養士の神原李奈さんに聞いた選び方や、編集部おすすめの高齢者向き宅配弁当9選をご紹介。宅配弁当を上手に活用して、便利で豊かな食生活をめざそう。

更新日:2024/10/24

今回お話を聞いたのは・・・管理栄養士 神原 李奈さん

株式会社Luce・健康検定協会所属。大学卒業後、日系航空会社の客室乗務員として働く中で、不規則な食生活から健康と食の強い結びつきを実感、食の世界に興味を持つ。退職後、大手料理教室の講師の経験を経て、得意だったパン作りの経験と技術を活かし、自宅パン教室を開く。食についてより深く学び、仕事の幅を広げたいと思い、栄養士養成専門学校へ入学。その後、管理栄養士免許を取得。

現在は、外資系航空会社で客室乗務員をしながら、管理栄養士として、さまざまなメディアで健康や美容・食に関する情報発信や、栄養指導などを行っている。

1.高齢者が宅配弁当を利用するメリットは?

宅配弁当サービスには、高齢者が利用することによるメリットが多くある。まずは、具体的に挙げられる4つのメリットについて解説。

高齢者が食べやすいように配慮された商品がある

高齢になると、ものを飲み込みづらくなったり、咀嚼能力が落ちたりしやすい。宅配弁当のなかには、高齢者向けに食材を柔らかく調理しているものや、咀嚼機能を助けるために細かく刻んでいるものも。

自宅で作ると手間がかかるため、宅配弁当を利用するのがおすすめ。ただし、飲み込みに問題がある人の場合、細かく刻まれた食材は誤嚥のリスクもあるため注意しよう。

栄養バランスが考えられたおいしい食事を手軽に楽しめる

宅配弁当の献立は、管理栄養士が監修しているケースが多い。自分で献立を考えなくても、栄養バランスにしっかり配慮された食事をとれる。おかずのバリエーションが豊富で、いろいろな味を楽しめるのも魅力のひとつ。

食材の買い出しに行く必要がない

体の調子が悪い、交通手段がないなどの理由で、食材を買いに行くことが困難な高齢者も多いはず。宅配弁当は調理済みの状態で届くため、買い出しに行く必要がない。身近に買い物を頼めるような人がいない状況でも便利。

自炊の負担を減らせる

自分で調理する手間を省けるのもメリット。電子レンジなどで温めるだけなので、洗い物も少なく済む。長時間キッチンに立つのが辛いと感じる高齢の人におすすめ。

2.高齢者向けの宅配弁当の選び方

高齢者向け宅配弁当を選ぶときに注目したい、5つのポイントをご紹介。ニーズに合うものを見つけるための参考にして。

自分に合うメニューを選べるか

高齢者のなかには持病を抱えていたり、食事制限するように医師から指導を受けている人もいるはず。健康状態に合わせた栄養バランスの商品を選べるか確認しよう。

例えば、血糖値が気になる人には糖質を抑えたメニューがおすすめ。血圧が気になる場合は、塩分を抑えて作られた弁当を選べるとよい。腎臓の病気がある人は、塩分だけでなくタンパク質の制限も必要になる。

ただし飽きずに続けるためには、おいしさやメニューの豊富さも大事。食べた本人の感想も重視して、長く継続できそうなサービスを選ぼう。

介護食の取り扱いがあるか

咀嚼しにくい、飲み込みづらいなどの事情を抱える人には、介護食を扱う宅食サービスの検討を。通常食だけでなくきざみ食、みじん食、ミキサー食、ムース食などをそろえているところも。介護者にとっても、調理の負担を大きく減らせるメリットがある。

継続しやすい価格であるか

継続利用するにあたっては、価格も重要なポイント。1食あたりの価格はもちろんエリアごとの送料もチェックして、トータルでかかる費用が予算に収まるか確認しよう。

できるだけ費用を抑えたいなら、定期コース割引、まとめ買い割引などの割引制度が充実したサービスを選ぶとよい。

注文や受け取りがスムーズにできるか

スムーズに宅配弁当を利用するため、注文や受け取りのしやすさにこだわろう。高齢者本人が注文する場合、インターネットやアプリだけでなく電話注文も可能なサービスを選ぶのが無難。

また配達日や時間の指定ができると、不在で受け取れないリスクを減らせる。通院などで不在にしがちな人は、置き配に対応したサービスも検討してみて。内容の変更やキャンセル、配達のスキップが可能なサービスだと、予定に合わせて柔軟に対応しやすい。

冷凍、常温など保存状態が自分に合うか

宅配弁当は、商品によって冷凍、冷蔵、常温など保存状態が異なる。それぞれのメリット、デメリットを理解したうえで、自分に合うものを選ぼう。

冷凍の弁当は長期保存が可能で、好きなときに食べられるのがメリット。しかし、ストックしておくには冷凍庫のスペースを確保する必要がある。

冷蔵や常温はできたてを届けてもらえることが多く、食材の風味をそのまま味わえる。ただし都度受け取りが必要なうえ、日持ちもあまりしない。基本的にまとめて注文して受け取りたい人は冷凍を、こまめな受け取りが困難でなく、できたてを味わいたい人は冷蔵や常温を選ぶのがおすすめ。

高齢の家族が1人暮らしをしていて、安否を確認する手段がほしいなら、あえて毎日の配達を選んで様子を見守ってもらうのもひとつの手。

3.【編集部おすすめ】高齢者向き宅配弁当9選

ワタミ

ワタミの宅食

高齢者の健康を支える毎日の食事を

毎日の食事にこだわりを持つ人のために、管理栄養士が監修した栄養バランスのよいメニューを提供。家庭で手作りされたような温かさを感じられる食事が、専用スタッフによって毎日決まった時間に配達される。

ご飯付き弁当の「まごころ御膳」をはじめ、おかずのみでは「まごころおかず」・4種類の総菜が入った「まごころ手鞠」・主菜2つでボリュームのある「まごころダブル」が選べる。食が細い人には、小さくても10品目が入ったご飯付きの「まごころ小箱」があり、それでも多いという人には「まごころ小箱(小)」も用意されている。カットフルーツやスイーツ、サラダなど、いつものメニューにプラスしたい1品メニューも豊富。

またワタミでは、離れて暮らす家族の様子を確認できる「みまもりサービス」もある。宅配時に配達スタッフが会話をして生活状況などを聞き、その様子や近況を家族に共有してくれる。

特徴

・ご飯付きとおかずのみのメニューから自分に合うものが選べる
・サラダやフルーツなどのプラス1品メニューも豊富
・食事の宅配をしながら家族を見守るサービスも提供

クロスエッジ

Dr.つるかめキッチン

専門家監修の宅配食が健康管理をサポート

各分野の現役専門医と管理栄養士のダブル監修で設計された、食事制限対応の宅配弁当サービス。糖尿病や腎臓病、高血圧など、特定の健康ニーズに合わせたメニューで、健康を守りながらおいしい食事を楽しめる。

コースは、「塩分制限気づかい御膳」「糖質制限気づかい御膳」「たんぱく質&塩分制限気づかい御膳」「カロリー制限気づかい御膳」「つるかめバランス栄養御膳」の5種類。旬の食材を使ったり、味のバランスを考慮したりと、飽きずに続けられるよう工夫されている。各コースに用意されているメニューは多彩で、食事を選ぶ楽しみもある。

継続利用できるように、続けやすい価格にこだわっているのも好印象。ユーザーの健康に配慮し、すべての食事は国内の厳格な衛生管理のもと作られている。

特徴

・現役の専門医と管理栄養士による監修メニューで健康をサポート
・身体に合わせたコースは5種類、多彩なメニューで選ぶ楽しみも
・続けやすい価格で継続利用しやすい

ファミリーネットワークシステムズ

わんまいる

健康を重視した冷凍おかずで豊かな食生活を

管理栄養士と料理の匠が監修した、栄養バランスのよい冷凍おかずを味わえる。国産食材を100%使用していて、合成保存料を使っていない食事を提供。季節ごとの限定メニューや特定のニーズに応じた食事など、家族全員で楽しめる多彩なメニューがそろっている。

できたてを急速冷凍したおかずは、暖かい料理なら湯煎、冷たい料理は流水解凍で調理できるので、おいしさを損ないにくい。和洋中から選べる単品おかずのほかにスープもあるので、食べたいものや普段の食事に合わせてチョイスしやすい。ギフト向けの食品も用意されている。

毎週違うメニューを定期的に届けてほしい人には、数日分の食事をまとめて注文できる「健幸ディナー」や「美食弁当」がおすすめ。日南どりや石見ポークといったご当地ブランド食材を使ったメニューも楽しめる。全国配送に対応しているので、どこに住んでいても利用しやすい。

特徴

・国産食材100%、合成保存料を使わない食事を味わえる
・ご当地のブランド食材を味わえるメニューも!
・解凍は湯煎か流水。急速冷凍のおいしさを損ないにくい

日清医療食品

食宅便

医療機関で培った実績を活かした健康食

長年の病院食の提供で培った技術を活かし、栄養バランスとおいしさを両立した宅配食を味わえるサービス。健康ニーズに合わせたコースがそろっていて、管理栄養士と熟練シェフが監修した自慢のメニューを提供する。各コースの栄養価が明確なので栄養管理もしやすい。

56種の豊富なメニューで飽きない「おまかせコース」を中心に、糖質10g以下の「低糖質セレクト」・たんぱく質10.2g目安の「たんぱくケア」・塩分とカロリーに配慮した「塩分&カロリーケア」をラインナップ。歯茎でつぶせるメニューがそろった「やわらかい食事」もある。

電子レンジで加熱するだけだから調理も簡単。おかずが移動したり、加熱時にムラが出たりするのを防ぐために、容器は深型を採用しているのも嬉しい。ほしい時に都度購入する通常便と、毎回注文する手間が省けて料金もお得になる定期便から、好きな注文方法を選ぼう。

特徴

・病院食の技術を活かした、日清医療食品ならではのおいしく健康的な宅配食
・目的に応じた5つのコースから選べる
・おかずの移動や加熱ムラを防止する容器で、おいしく食べられる

ウェルネスダイニング

ウェルネスダイニング

続けやすい価格設定。定期便でさらにお得に

糖尿病や高血圧など、特定の健康ニーズに合わせた食事を提供する、食事制限専門の健康宅配サービス。管理栄養士が、ユーザーの身体にぴったりなメニューを提案してくれる。食事制限は必要だけれど、自分で管理するのが難しい人や、栄養の偏りが心配な人にもうってつけ。

例えば「気配り宅配食」では、糖尿病や血糖値が気になる人向け・腎臓病向け・高血圧や心疾患が気になる人向けのコースのほか、食生活の偏りが気になる人に向けたコースも用意。いずれも主菜1品と副菜3品が付いた彩りのあるお弁当で、制限食なのにおいしく楽しく味わえるのがポイント。常駐している管理栄養士に食事の相談などもできる。

特に健康制限はないけれど、食べながらダイエットしたい人には「たんぱく質が摂れる脂質調整食」が用意されている。腎臓病の人や野菜不足が気になる人に向けた「野菜を楽しむスープ食」もある。

特徴

・食事制限が必要な人に特化した、管理栄養士提案のメニューが充実
・「気配り宅配食」は主菜1品+副菜3品でバランスもよい
・ダイエット中の人や野菜不足が気になる人に向けたメニューも用意

ウェルネスダイニング

やわらか宅配食

噛む力が弱くなった人でも食べる楽しみを

咀嚼や嚥下に配慮した、柔らかい食感の宅食に特化。食事の楽しさを失わずに健康管理を続けたい人に適しているだけでなく、家族全員で利用できる柔軟なプランも用意している。

管理栄養士が栄養バランスを考慮したメニューを監修し、食べやすさと柔らかさを追求。1口サイズが食べやすい人に向けた「ちょっとやわらかめ」・とろみのあるものが食べやすい人向けの「かなりやわらか」・舌でつぶせる柔らかさが食べやすい人向けの「ムースやわらか」と、3種類の固さから選べる。

全国配送に対応しているため、外出が難しい高齢者の人でも利用しやすい。7食・14食・21食のセット注文で、どのセットもメニューにかぶりがないので飽きずに続けられる。

特徴

・嚥下や咀嚼に配慮した柔らかなメニュー
・柔らかさは3種類からチョイスできる
・セットのメニューはかぶりがないから飽きにくい

ワタミ

ワタミの宅食ダイレクト

飽きのこないラインナップ。健康を支える冷凍お惣菜

総菜をはじめ、丼の具・麺類・スイーツなど100種類以上の豊富な総菜から選べる、ワタミの宅食ダイレクト。ダイエットや塩分ケアに向けた総菜なども用意されていて、塩分・カロリー・品目数に配慮して管理栄養士が設計。ワタミの宅食の実績と経験が生かされた、おいしいメニューを味わえる。

メニューは、総菜2種類入りで軽食にぴったりな「いつでも二菜」、塩分やカロリーに配慮した「いつでも三菜」、バラエティ豊かな「いつでも五菜」から選べる。1食あたり360円からと手ごろで、毎日の生活に取り入れやすい。好みに合わせた柔軟な注文が可能で、忙しくてなかなか自炊ができない人や食事制限が必要な人など、幅広いライフスタイルに適した選択肢を提供している。

レンジで温めたときにいちばんおいしくなるように工夫されているので、冷凍宅配食をおいしさで選びたい人にもぴったり。ユーザーの声をもとに商品の改善に取り組むなど、味・バランス・組み合わせにもこだわっている。

特徴

・スイーツや麺類など、選べる総菜は100種類以上
・1食あたり360円からと手ごろなプライス
・レンジで温めたとき、いちばんおいしくなるこだわりが魅力

SOYOKAZE

そよ風のやさしい食感

見た目もおいしさもそのまま。歯茎でつぶせるやわらかさ

飲み込む力や噛む力が気になってきた人に嬉しい、やわらかく仕上げたおかずを味わえるサービス。食感はやわらかでも、食材の形や彩り、味わいは変わらないので、食べる楽しみを損なわない。年配者向けの宅食に抵抗がある人にもおすすめ。

主菜のほかに副菜2品がついたおかずは、全部で20種類。野菜だけでなく肉や魚も取り入れたメニューで、洋食や中華も選べる。電子レンジで3分半温めるだけの簡単な調理なので、時間をかけずに用意できるのも嬉しい。

定期購入すれば980円の送料が無料になるので、単品で購入するよりもぐんとお得に。配達のペースを変更したり、注文をスキップしたりすることもできるので、自分の都合に合わせやすい。

特徴

・違うのはやわらかさだけ!味も彩りも、食材の形も普通の食事と同じ
・食べることが好きな人や、食事の見た目も大切にしたい人にぴったり
・肉や魚など、豊かな食材を使ったメニューが20種類

メディカルフードサービス

健康うちごはん

食事制限に対応したメニューも用意

医療・介護食の専門メーカーがつくる宅配食。栄養士が監修した、栄養バランスに優れた食事を提供している。メニューは自社工場での生産なので品質にこだわっており、バラエティに富んだメニューで飽きずに続けやすい。

たんぱく質や塩分などに配慮した食事のほか、バランスに特化した健康食も用意。歯茎でつぶせる固さに仕上げた「やわらか食」や、舌でつぶせる「ムース食」もあるので、年配の人も利用しやすい。ライフスタイルや健康状態に合わせて、家族みんなで利用できるのがうれしい。

どれを選んだらいいのかわからない人には、管理栄養士に無料で相談できるホットラインもある。送料込みで全国に配送しており、離れて暮らす家族への宅配もできる。

特徴

・自社工場生産の品質にこだわった食事を提供
・年配の人に向けたメニューもそろっている
・配送は全国対応で送料も無料

4.高齢者向け宅配弁当に関するQ&A

Q.宅配弁当サービスには介護保険が適用可能?

A.原則として宅食サービスには介護保険が適用されませんが、自治体が配食サービスを行っていることもあります。また、配食サービスを登録している業者から購入すると助成金を受け取れる地域もあるので確認してみましょう。

Q.1人暮らしの高齢者でも利用できる?

A.1人分の食事を手軽に用意できるため、1人暮らしの高齢者には特におすすめです。配達時に安否確認してくれるサービスもあるので、高齢の身内が遠方に住んでいる場合などに活用するとよいでしょう。

Q.家の中まで届けてもらうことも可能?

A.一般的には玄関先での受け渡しが基本ですが、体が不自由で玄関先まで出られないなどの理由がある場合、ダイニングや居室へ届けてくれるサービスもあります。事前に対応可能な範囲を確認してみましょう。

Q.高齢者用には食材が細かく刻まれた弁当を選ぶべき?

A.細かく刻んだ食事は、咀嚼(噛む)機能が低下した人や歯がない人の食事を助ける一方で、飲み込みに問題がある場合は誤嚥のリスクもあります。食べる人の状態をふまえたうえで、十分に注意しながら食べるようにしてください。

  • LINEで送る
※記事は2024年10月24日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

関連キーワード

TOP