亜麻仁油のおすすめ11選!期待できる効果や食べ方、選び方のコツを管理栄養士が解説!

健康維持に欠かせない栄養素がたっぷり含まれている亜麻仁油は、美容効果も期待できると注目のオイル。とはいえ、えごま油やごま油など健康によいといわれる油はいろいろあり、違いがよくわからない人も多いはず。そこで今回は、料理研究家の麻生れいみさんに、選び方のコツや食べ方などを詳しく教えていただきました。編集部がおすすめする亜麻仁油も紹介するので、気になる商品を手にして毎日の食生活に取り入れてみて。

更新日:2022/06/16

今回お話を聞いたのは・・・管理栄養士・料理研究家 麻生れいみさん

管理栄養士・料理研究家。東京医療保健大学大学院に在籍、医療栄養学研究に勤しむ。食育栄養インストラクター。全国アスリート臨床栄養協会理事、日本健康食栄協会代表。あとりえASO主宰。ミリオンセラー作家。著書に『20kgやせた!10分ごはん』(宝島社)、『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『オイルをたせば脂肪が燃える! 麻生れいみ式ケトンアダプト食事法』(主婦の友社)など。

1.亜麻仁油の特徴と多く含まれる栄養素

亜麻仁油が体によいというのは聞いたことがあっても、どんな油なのかよくわからない人も多いのでは? そこでまずは、亜麻仁油がどんな油なのか解説しよう。

1-1.亜麻仁油とは亜麻の種子から抽出された生食用オイル

亜麻仁油とは、亜麻の花の種子から抽出される油のこと。別名、フラックスシードオイルとも呼ばれる。亜麻は中央アジア原産の亜麻科の植物で、主にロシア、カナダ、カザフスタンなどで多く栽培されており、色の濃いブラウン種とゴールデン種の2種類がある。

熱に弱く酸化しやすいので加熱調理には向かず、独特の苦みとクセがあるのが特徴。料理にプラスして酸味や塩味をまろやかにしたり、コクを深めたりして味わうのが一般的である。

1-2.亜麻仁油には「α-リノレン酸」と「アマニリグナン」が豊富

亜麻仁油にはタンパク質や食物繊維など、体に嬉しい栄養素がたっぷり含まれているが、なかでも注目したいのが、「α-リノレン酸」と「アマニリグナン」のふたつ。

亜麻仁油の約60%近くを占めるα-リノレン酸は、青魚にも多く含まれているオメガ3系の必須脂肪酸で、体内に入ると「EPA」と「DHA」に変換される。脳細胞や循環器系、神経組織などと密接な関わりがあり、体の働きを正常に保つうえで必要不可欠な成分だと言える。

アマニリグナンは、抗酸化作用を持つポリフェノールのひとつ。リグナンはごまにも含まれているが、亜麻仁油の含有量のほうが2倍も多い。アマニリグナンは女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをすることでも注目されている。 

2.亜麻仁油の摂取で期待できる5つの効果

それでは、亜麻仁油を摂取すると具体的にどんな効果が期待できるのだろうか。実にさまざまな効果をもたらすことで知られているが、ここでは主に5つの効果について紹介しよう。

2-1.血液をサラサラにして血栓ができるのを防ぐ

亜麻仁油に含まれている「α-リノレン酸」には、血管をしなやかにして血液をサラサラにする効果が期待できる。血流をよくすることにより血栓ができるのを防ぎ、動脈硬化や心筋梗塞などの疾患の予防につながるのも嬉しい。

また、α-リノレン酸から変換される「DHA」は赤血球を柔らかくする働きがあり、「EPA」は血小板が血管内で固まるのを防ぐのに有用。これらDHAやEPAは血圧を下げるのにも効果があると言われている。

2-2.血中コレステロールを低減させ、脂質代謝を改善

α-リノレン酸は血中の「LDL(悪玉)コレステロール」を低減させるのにも効果的。α-リノレン酸が体内に入るとLDLコレステロールが過剰に作られるのを抑え、血中に蓄積されるのを防ぐ。

また、「アマニリグナン」にもLDLコレステロールを減らし、「HDL(善玉)コレステロール」を増やす働きがあると言われ、血中の脂質代謝を改善したり中性脂肪の合成を抑制したりする作用もあるとして注目されている。

2-3.花粉症などのアレルギー症状の抑制

α-リノレン酸などのオメガ3系脂肪酸は炎症を抑える作用があり、アレルギー性結膜炎、いわゆる花粉症の症状を緩和するのにも役立つ。またα-リノレン酸から変換されるDHAやEPAにもアトピー性皮膚炎に有用であるという報告がある。

アレルギー症状を引き起こすのは、サラダ油などのオメガ6系脂肪酸を含む食品の過剰摂取が原因のひとつ。オメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸は、このオメガ6系脂肪酸をはじめとするさまざまなアレルギー原因物質の代謝を阻害し、アレルギーの発症を抑制すると考えられている。

2-4.記憶力の向上と認知症の予防

DHAやEPAは、脳細胞や神経組織と密接な関係があることでも知られる成分。特にDHAは脳や神経の細胞の活性化に大きく関わりがあると言われ、DHAを多く摂取することで記憶力や学習能力の向上につながると見られている。

また、α-リノレン酸は加齢による認知機能の衰えを防ぐのにも有用。DHAは脳の神経細胞が死滅して萎縮することが原因と言われる認知症の予防にも効果があるとして注目されている。

2-5.女性ホルモンのバランスを整える

亜麻仁油に含まれるアマニリグナンは「エストロゲン」に似た働きをするため、女性ホルモンのバランスを整えるのをサポート。女性の体調を整え、更年期の不調などをやわらげるのにも効果を発揮する。

女性ホルモンのような働きにより、しっとりとやわらかい肌へと導いたり髪にツヤを与えたりする効果もあり。エストロゲンはカルシウムの流出を防ぐと言われ、骨粗しょう症の予防にもつながると期待されている。

3.亜麻仁油とえごま油、ごま油との違い

亜麻仁油と同じく、オメガ3系脂肪酸が多いことで注目されているえごま油。そして、えごま油と名前が似ていて同じものと勘違いされやすいごま油。どれも健康によい油といわれるが、違いがよくわからないという人も多いのでは? それぞれの違いについて解説しておこう。

3-1.えごま油との大きな違いは風味と特有の成分

えごま油は、東アジア原産のシソ科の植物の種子から抽出される油のこと。亜麻仁油にはほのかな苦みがあって醤油との相性がよいが、えごま油は香ばしいので風味付けとして使うとよい。

「α-リノレン酸」の含有量はえごま油のほうが若干多めだが、商品によってまちまちなので、オメガ3系脂肪酸の効果を得たいのであればどちらを摂っても大きくは変わらない。

また、えごま油には「アマニリグナン」が含まれていないため、女性特有の症状やコレステロール値が気になる人には亜麻仁油がおすすめ。一方、えごま油には抗炎・抗菌作用を持つ「ロスマリン酸」が含まれているので、アレルギー症状が気になる人に向いている。

3-2.ごま油は熱に強く、風味も含まれる成分も大きく異なる

ごま油はえごま油と名前が似ていることもあり、オメガ3系脂肪酸が多いと思われがちだが、ごま油は「ごま科」、えごまは「しそ科」の植物から抽出される。全く別のもので、風味や成分は大きく異なる。

ごま油にはα-リノレン酸が少ししか含まれておらず、オメガ6系脂肪酸の「リノレン酸」とオメガ9系脂肪酸の「オレイン酸」が多め。亜麻仁油同様、リグナンが含まれるが、含有量はごま油のほうが少ない。

亜麻仁油やえごま油と違って酸化や熱に強く加熱調理ができ、特有の香ばしい風味があるため、栄養摂取目的というよりは料理用として使うのがおすすめ。

4.亜麻仁油の選び方

いざ亜麻仁油を取り入れようと思っても、一見どれも同じように見えて迷ってしまう人も多いはず。亜麻仁油を選ぶときのポイントをチェックして、自分に合うものを見つけてみて。

4-1.40度以下の低温圧搾法で抽出されたものを選ぼう

亜麻仁油に含まれる栄養をしっかり吸収するために、低温圧搾法(コールドプレス法)で抽出されたものを選ぼう。40度以下の低温でじっくり抽出されたものなら、熱に弱い「α-リノレン酸」などの栄養素も損なわずにしっかり取り込める。

化学溶剤を使って抽出する溶媒抽出法や、高温で抽出する機械圧搾法が用いられたものは、鮮度や栄養価が劣るので注意が必要。低コストで手に入るのはメリットだが、栄養摂取を目的とするならしっかりチェックしておこう。

4-2.栄養価重視なら未精製品を。独特の風味が苦手なら精製品がおすすめ

亜麻の種子から絞っただけの未精製品は、栄養素を丸ごと摂取できるのがメリット。品質がよいものほど色が濃くえぐみも強くなるが、亜麻仁油ならではの味わいを楽しめる。

一方、圧搾後に精製された商品は未精製品より栄養価は若干劣るものも、独特の風味やクセが少なく食べやすいのが強み。食材との相性を気にせずいろいろな料理に使いたい人や、亜麻仁油ならではの風味が苦手な人におすすめ。はじめての人にも向いている。

4-3.品質にこだわる人は、カナダ産のゴールデン種に注目

原料に使われている亜麻仁の品種にも注目しよう。特に品質にこだわる人は、カナダでわずかに生産されるゴールデン種がおすすめ。ゴールデン種は食用・医薬用として品種改良されたもので、亜麻仁の生産量のわずか5~10%ほどという希少なものである。

色の濃いブラウン種は低コストで手に入るものの、食用としてだけでなく工業用や飼料用にも使われている汎用性の高い品種。ゴールデン種のほうが価格は高めになるが、より高品質なものを選びたければチェックしてみて。

4-4.健康志向の人は、オーガニック製品を探そう

健康志向の人は、農薬や化学肥料を使わずに栽培された有機亜麻の種から抽出されたものを選ぼう。メーカーと契約している農園で厳格に栽培された原料を使っているものなら、さらに信頼性が高い。

日本でのオーガニック認証制度である「有機JASマーク」のほか、米国農務省の「USDAオーガニック」や、EUオーガニックの「リーフマーク」を目印に探してみて。

4-5.国産品は原産地と充填地をチェックしよう

国産品にこだわりたい人は、亜麻仁の原産地と充填地の両方が日本の製品を探そう。一般的に油が充填された場所が原産地になるため、海外産の亜麻仁が原料でも日本で抽出、充填されたものなら国産品扱いになる。

日本国内で収穫された亜麻仁だけを原料に使っている商品はかなり限られていてコストも高めだが、北海道産などの純国産品が販売されているので産地を気にする人はチェックしてみて。

4-6.1カ月程度で使い切れるサイズを目安に

亜麻仁油は酸化しやすいので、1カ月程度で無駄なく使い切れるサイズを目安に選ぼう。多くの場合、消費期限は開封から1~2カ月ほど。短いものでは3週間ほどのものもある。

はじめて購入する場合は少量サイズから手にするのがおすすめ。お弁当用など、外出時に携帯したい場合は、1回使い切りのミニパックタイプを選ぶのもあり。

4-7.遮光性・密閉性の高いガラス瓶だと品質をキープしやすい

光や空気による酸化を防ぐために、遮光性があり密閉性の高いボトルに入っているものがおすすめ。ガラス瓶だと空気を通しにくく、油の品質が安定しやすい。

ガラス瓶だと重くて扱いにくいという人は、空気を入りにくくして鮮度を保持できるよう工夫した二重構造のプラスチックボトルをチェックしてみて。

5.編集部おすすめの人気亜麻仁油11選

※紹介するアイテムは編集部がセレクトしたものです。監修者が効果・効能などを保障、推奨するものではありません。

Cadeau屋

国内搾油 亜麻仁油

110g×2本 2400円

無農薬、無添加の亜麻仁油を佐賀県から直接お届け

化学肥料、農薬不使用の亜麻仁を佐賀県太良町にある自社工場で搾油。発芽率95%の亜麻仁を使用し、太良町のふるさと納税品にも選出されている。

ポリフェノールなどが含まれた、無添加ならではのクリアな黄金色がポイント。熱を加えないコールドプレス製法で優良なオメガ3を絞り出している。

遮光使用の瓶を使用し、搾油した日も記載するこだわりも。搾りたての新鮮な亜麻仁油を楽しめる。

J-オイルミルズ

AJINOMOTO アマニ油

100g 702円

1日分のオメガ3を手軽に小さじ1杯で摂取可能

コレステロール0で健康を考えた商品。食べやすさを考えたクセのない風味を実現している。

小さじ1杯にオメガ3(n-3系脂肪酸)を2.4g含有。成人に必要な1日の目安量を手軽に摂取できる。

また劣化した油特有の臭みを防ぐため、押し出す方式の「鮮度キープボトル」を採用。ラベルに開封日もメモできるので、とくに鮮度が気になる人におすすめ。

日清オイリオ

アマニ油 フレッシュキープボトル

145g 950円

フレッシュキープボトルで新鮮な亜麻仁油を楽しめる

ボトルには二重構造を採用し、油が空気に触れにくい状態をキープ。酸化を防ぐ作り方も取り入れているので、いちばん搾りの新鮮な亜麻仁油を楽しめる。

一滴から使用できるよう注ぎ口にも工夫あり。液だれもしにくいので、使いたい分だけ注げる。

1日分のオメガ3を小さじ1杯で摂取できる。毎日小さじ1杯摂取すれば、約1カ月で使い切れるわかりやすさも嬉しい。

ニップン

アマニ習慣

3.7g×30袋 1379円(Amazon)

持ち運びしやすく、いつでも摂取できる個包装タイプ

新鮮さを重視する人にうってつけの、開封による油の酸化の心配がない個包装タイプ。持ち運びや使いきりに便利で、気軽に摂取しやすい。

亜麻仁にはプレミアムなゴールデン種を使用。なかでも血中の悪玉(LDL)コレステロール値を低下させる機能がある「α-リノレン酸」が豊富に含まれる品種を厳選している。

30袋なので月単位で計算しやすい。悪玉コレステロールの数値が気になる人の健康管理におすすめ。

ニップン

アマニ油

100g 810円

カナダ産のゴールデン種をコールドプレス製法で。液垂れしにくいキャップも特徴

熱を加えないコールドプレス製法を採用し、希少なカナダ産ゴールデン種のみを使用している亜麻仁油。産地や製法にこだわりたい人におすすめ。

キャップは液垂れしにくい形に設計。料理にかけるときにも、そのまま食べるときにも使用しやすい。

小さじ1杯あたり2.4gのオメガ3(n-3系脂肪酸)を含有し、なかでも「α-リノレン酸」が豊富。公式サイトではレシピも公開されているので、どのように亜麻仁油を取り入れればよいかわからない人は試してみて。

ニューサイエンス

カナダ産亜麻仁油

185g(200mL) 2646円、345g(370mL) 4104円

大さじ1杯に約8000mgのオメガ3脂肪酸。黒ガラスボトルで紫外線から亜麻仁油を守る

有名産地、カナダのアルバーター州の遺伝子組み換えでない亜麻仁を使用し、大さじ1杯に約8000mgのオメガ3脂肪酸を含有。保存料や添加物などを加えずに、低温圧で絞り出している。

光での酸化を防ぐために紫外線100%カットの黒ガラスボトルを採用。太陽光だけでなく、蛍光灯などの光からも亜麻仁油を守る。

一般社団法人日本オイル美容協会からの認定も受けた逸品。健康が気になりはじめた人も試してみて。

紅花食品

亜麻仁いちばん搾り

170g 1029円

40度以下の低温で仕上げたいちばん搾りの亜麻仁油

ニュージーランドの亜麻仁を40度以下の低温で搾油。いちばん搾りでトランス脂肪酸は含まれていない。

57%以上ものオメガ3(α-リノレン酸)を含有。さらに遺伝子組み換えの亜麻仁は利用していないので、体によいものを取り入れたい人におすすめ。

苦味があるのは、脱色や脱臭、脱ガムなどの加工を施していないから。気に入れば定期購入ができるのも嬉しい。

紅花食品

有機亜麻仁油

170g 1345円

ニュージーランドの契約農園で育てたこだわりの亜麻仁を使用

ニュージーランドにある、有機農法を採用した契約農園で栽培した亜麻仁を採用。隣の農園からの農薬の飛来を防ぐために間を空けて植樹するほどの徹底ぶりで、JAS認証も得ている。

また、体を気遣う人に嬉しい無添加、非遺伝子組み換え。低温圧搾法を採用し、無精製ならではの亜麻仁本来の味わいを感じられる。

トランス脂肪酸0gで58%以上のオメガ3(α-リノレン酸)含有。スープやサラダにかけて味わってみて。

勝山ネクステージ

仙台勝山館 亜麻仁油

230g 1944円

バイタリティの高い無農薬のカナダ産亜麻仁を使用

カナダの厳しい暑さ、寒さを乗り越えたバイタリティの高い亜麻仁を使用。無農薬で高い栄養価を実現している。

生産地であるカナダでコールドプレス製法にて搾油。新鮮な亜麻仁油をそのままボトルに入れているので、高品質なものを摂取したい人は要チェック。

無添加、無精製でトランス脂肪酸は0。60%以上のオメガ3脂肪酸が含まれているので、毎日の健康習慣として取り入れてみて。

成城石井

カナダ産 アマニ油

270g 1286円

α-リノレン酸を52%含有。くせがなく試しやすいカナダ産亜麻仁油

カナダで育った亜麻仁をこだわりのいちばん搾りで。「α-リノレン酸」が52%含有され、必須脂肪酸を手軽に摂取できる。

亜麻仁油特有の臭みや苦味を感じにくくするため、コールドプレス法で精製。くせが少ないので、はじめての亜麻仁油におすすめ。

成城石井ならではのおしゃれなボトルデザインにもご注目。キッチンのインテリアにもなじみやすい。

朝日

アマニ油(分包タイプ)

3g×30包 929円

いちばん搾りの低温圧搾で飲みやすさを実現

いちばん搾りで飲みやすく、きれいな黄金色が特徴。栄養素をなるべく失わないように低温圧搾を採用し、添加物、化学溶剤、保存料は使用していない。

70以上の品質チェックを行う国内の工場で製造。亜麻仁100%で、高クオリティの生産を実現している。

個包装で使いすぎや酸化を防げるのも嬉しい。1日にどのくらい摂取したか、きちんと記録に残して健康管理したい人におすすめ。

6.亜麻仁油の摂取目安量とおすすめの食べ方

亜麻仁油の栄養を効率よく摂取して健康に役立てるために、適切な摂り方とおすすめの食べ方を押さえておこう。

6-1.摂取量は1日あたり小さじ1杯程度が目安

α-リノレン酸などのオメガ3系脂肪酸の1日あたりの摂取目安量は1.6~2.2g(※)。亜麻仁油には約50~60%ほどのα-リノレン酸が含まれるため、1日に小さじ1杯程度を目安に摂取するのが望ましい。

オメガ3系脂肪酸とサラダ油などに含まれるオメガ6系脂肪酸の理想的な摂取比率は、オメガ3系:オメガ6系=1:2~4。最近はオメガ3系:オメガ6系=1:1をめざすのがよいとも言われている。

近年は食生活が欧米化してオメガ6系脂肪酸の摂取量が増えており、オメガ3系:オメガ6系=1:5、1:10にまで崩れている人も多い。できるだけオメガ3系脂肪酸が含まれる青魚や亜麻仁油などの食品を意識的に摂取しよう。

※参考文献:日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586558.pdf

6-2.料理や食材にはかけたり混ぜたりして食べよう

亜麻仁油のおすすめの食べ方は「かける」「混ぜる」の2通り。亜麻仁油は熱に弱く40度を超えると酸化するため、加熱せずにそのまま味わおう。

亜麻仁油の風味を活かしたいなら、野菜サラダやカルパッチョなどにかけて味わうのがおすすめ。手軽に摂取したければ、アイスやヨーグルトなどにかけるのがよい。

クセや香りを抑えたいなら納豆に混ぜたり、食べる直前に味噌汁などに入れたりするのもあり。めんつゆなどに少しだけ入れて混ぜればコクがアップして、おいしくなるので試してみて。

7.亜麻仁油に関するQ&A

亜麻仁油が妊活にいいというのは本当ですか?妊娠、授乳中に摂ってもいいですか。

海外ではオメガ3系脂肪酸の血中濃度が高いほど、妊娠の可能性が高くなったという報告があります。また、ある研究では妊娠中の母胎のDHA状態が幼児の脳の発達にきわめて重要であるということも示唆されています。

亜麻仁油にも含まれているオメガ3系脂肪酸は、胎児や赤ちゃんの発育に欠かせない栄養素です。できるだけ青魚などの食材から適量を摂るよう心がけ、毎日食べるのが大変なときに亜麻仁油を取り入れて栄養を補うとよいでしょう。

亜麻仁油はダイエットにも効果がありますか?

亜麻仁油に含まれるオメガ3系脂肪酸は、燃えやすい体を作るためには欠かせない栄養素です。しかし、私たちの体内では作られないため、食事から摂取しなければなりません。

ダイエットに限らず、健康のためにも意識的に取り入れたい栄養素なので、まずは青魚などの食材から摂ることを優先しましょう。亜麻仁油などのオメガ3系脂肪酸オイルは、食材から摂るのが難しいときに取り入れるのがおすすめです。

あくまでも普段の食事を基本に

記事の中でも何度かお伝えしましたが、オメガ3系脂肪酸を取り入れるために、まずは毎日の食事で青魚を意識的に食べることを心がけてください。

亜麻仁油には健康によい栄養素が含まれてはいるものの、オイルは非常に酸化しやすく、開封後は1~2カ月以内に使い切らなければなりません。また市販されているものも保管状態によってはすでに劣化している可能性もあります。亜麻仁油だけに頼るのではなく、青魚を毎日食べるのが難しいときにそれを補うものだと考えましょう。

今回お話を聞いたのは・・・管理栄養士・料理研究家 麻生れいみさん

管理栄養士・料理研究家。東京医療保健大学大学院に在籍、医療栄養学研究に勤しむ。食育栄養インストラクター。全国アスリート臨床栄養協会理事、日本健康食栄協会代表。あとりえASO主宰。ミリオンセラー作家。著書に『20kgやせた!10分ごはん』(宝島社)、『麻生れいみ式ロカボダイエット』(ワニブックス)、『オイルをたせば脂肪が燃える! 麻生れいみ式ケトンアダプト食事法』(主婦の友社)など。

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※記事は2022年6月16日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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