【医師監修】なぜ痩せない? ダイエットに失敗する人の特徴と原因は
ダイエットをしているのに痩せない。カロリー計算はバッチリなのに体重が減らない・・・そんな「なぜか痩せない人」には共通の特徴があるみたい。痩せない原因を『オックスフォード式 最高のやせ方』の著者・下村健寿先生に聞いてみた。
更新日:2022/09/20
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今回お話を聞いたのは・・・下村健寿先生
福島県立医科大学医学部病態制御薬理医学講座主任教授。先端医科学ウェルネスアカデミー(AMWA)代表理事。医学博士・医師。元・英国オックスフォード大学生理学・解剖学・遺伝学講座/遺伝子機能センター シニア研究員。
インスリン・糖尿病学の世界的権威であるフランセス・アッシュクロフト教授に師事・同大学にて、新生児糖尿病治療法の発見に貢献する。2005年と2010年にはオックスフォード大学よりメリット・アワードを授与。2014年から母校の福島県立医科大学の特任教授に着任、2017年より主任教授に。現在も糖尿病、肥満外来の臨床および研究に従事している。著書に「オックスフォード式 最高のやせ方」(アスコム)。
ダイエットに失敗する人がやりがちなこと
糖質制限、脂質制限、ファスティング、1日1食・・・などなど、「ダイエット」と名の付くものはひととおり取り組んでみるけれど、どれも長続きしない。結果、いつもダイエットが失敗に終わってしまう・・・そう聞いて「ドキッ!」とした人も多いのでは? ダイエットしたい気持ちはあるし、頑張って取り組む気持ちもある。でも、なぜだかうまくいかないという人には、もしかしたらこんな傾向があるのかも。
とりあえず「1カ月で10kgやせよう」とする
短い期間で大きく体重を減らそうとするダイエットは、総じて失敗しやすいもの。なぜなら、ヒトの体には恒常性の維持(ホメオスタシス)という仕組みがそなわっていて、体重の急な減少などの急激な変化が起こると、元の状態に戻ろうとする力がはたらくから。それはつまり、急激に体重を減らすと、必ずリバウンドするようになっているということ。
また、短期間で体重を減らそうとする場合にやりがちな「食事の量を急激に減らす」のも、じつは盲点。急に食事量を減らすと体重が減りますが、それは体内の水分の量が減っただけにすぎず、脂肪などのいわゆる「ぜい肉」は、ほとんど減っていないのだとか。そのため食事量を戻すと、すぐに体重は元に戻るうえ、短期間で急に体重が減ったことにカラダがびっくりして、リバウンドも起こる。短期間で痩せようとするダイエットには、失敗する未来しか見えてこない。
ダイエットで最初にするのは「糖質制限」
糖質の摂取量を制限すると、短期的には体重が減少しやすくなるそう。しかし、先ほども言ったように短期間で体重を減らすと、必ずリバウンドが起こる。糖質制限ダイエットについては、1年以内にほとんどの人が元に戻ってしまうことが報告されているのだとか。
また、「糖質の摂取量を減らすと、カラダに蓄えられた脂肪が燃焼するので痩せる」というのが糖質制限ダイエットのメカニズムですが、人体の仕組みはとても複雑。必ず糖質のかわりに脂肪が消費されるとは限らないもの。
さらに、糖質の摂取量を減らすかわりにタンパク質や脂質の摂取量を増やすことで、それらを消化・吸収するために肝臓や腎臓などの内臓や心血管系に負荷がかかり、カラダへの負担が増えてしまうこともあり、一筋縄ではいかない。
ウォーキングを日課にして痩せようとする
痩せるためには有酸素運動で消費カロリーを増やすことが大切。手軽にできる有酸素運動として、ウォーキングを日課に取り入れる人は少なくありません。しかし、ここにもちょっとしたワナが。
ウォーキングなどの有酸素運動や筋トレ、スポーツをして消費カロリーを増やせば、たしかに体重減少につながりやすい。ただし、それには「摂取カロリーを今よりも増やさないこと」が必須。「運動したから」と、我慢していたスイーツを食べたり、ごはんをおかわりしたりしていない? ヒトにとって運動と食事はセット。運動をすると必ず食事をしたくなるもの。
また、運動によるカロリー消費量は意外に少なく、ごはんをおかわりしただけで努力が水の泡になってしまうことがほとんど。運動で消費カロリーだけを増やし、摂取カロリーをそのままにするのは至難のわざといえるかも。
ファスティングをしがち
ダイエット目的のファスティングは、あまりおすすめできないのだとか。まず、ファスティング終了直後は、長時間食事をしておらず空腹なので、どうしても大量に食べてしまいがち。無意識に早食いになることも。
さらに、長時間栄養を摂取しない状態が続くと、次に食事をしたとき、カラダはやっと入ってきた栄養素を逃さず、エネルギーを蓄えようとするもの。そのため脂肪が蓄積されやすく、内臓脂肪もたまりやすくなってしまう。
「一日のうち、食事をする時間を6~8時間以に収める」というダイエット法にも、同様のことがいえるそう。例えば「朝7時に最初の食事をしたら、その日最後の食事は15時までに終わらせる」というこの方法は、最後の食事から翌朝まで食事をとらない時間が長く続くことから、脂肪が蓄積されやすいカラダになると考えられているのだとか。
単品ダイエットが好き
「きゅうりダイエット」「朝バナナダイエット」「りんごダイエット」など単品系のダイエットは、取り組みやすさのハードルが低いので、つい試したくなるもの。しかも、「○○に含まれる△△という栄養素がダイエットに有効!」と、しっかりした理屈も。しかし、単品ダイエットを行った結果、しっかり痩せてキープできているという人は少ないのでは・・・?
単品系ダイエットの理屈については、たしかに証明はされているものの、じつは試験管内での実験やマウスなどを用いた動物実験の結果であることがほとんど。ヒトのカラダでは、数カ月間続けてようやく1kg減るかどうか・・・という程度であることが多いそう。「○○ダイエット」に過度な期待を寄せると、痛い目を見ることになるかも。
ダイエットに失敗すると、自分の意志の弱さを責める
「食欲をコントロールできないのは自分の意志が弱いから」と、ダイエットに失敗したとき、「意志の弱い自分」を責める人もいるのでは。しかし、そもそも食欲は、意志の力でコントロールできるものではないって知っていた?
じつは食欲には、「生きるための食欲」と「報酬系食欲」の2種類があり、ヒトを太らせる原因となっているのは、報酬系食欲のほう。報酬系食欲はその名の通り、食べることによって脳に報酬=快感をもたらすそう。ストレスを感じたときに甘い物やおいしいものが食べたくなるのは、快感によってストレスをやわらげるため。そして、この報酬系食欲は自分の意志でコントロールできないことがわかっているのだとか。
したがってダイエットに失敗したときは、意志の弱さを責めるのではなく、ダイエット法を見直すのがおすすめ。
こう変えれば成功!? NG行動を「やせる行動」にする方法
もしも、「ダイエットに失敗する人がやりがちなこと」を全部やっていたとしても大丈夫。今から行動や考え方を変えていけば、これからはじめるダイエットは成功する可能性が高まるはず。
ダイエットにおけるNG習慣とOK習慣は、じつは紙一重。痩せられなかった行動をあらため、ダイエット成功に向けた考え方に変えてみるチャンスと考えよう。
「2週間で500g減れば上出来」と考える
まず変えるべきは、減量のスピード。何度かお伝えしているように体重を急激に減らすと、カラダの状態を維持しようとするホメオスタシスというはたらきによって、リバウンドが起こりがち。でも、それは反対にいうと、ホメオスタシスがはたらかないくらいのゆっくりとしたペースで体重を落としていけば、リバウンドしないということ。リバウンドしない減量ペースには個人差がありますが、おおよそ2週間に500g程度の減量ならば、リバウンドしにくいと考えられる。
ダイエットは決して焦らず、ゆっくりでも減っていけばOKと、長い目で見ることが重要。
糖質制限ダイエットはしない
糖質制限ダイエットは短期間で体重が減らせるものの、すぐに元に戻るのが特徴。そのため、例えば「3カ月先の結婚式までにやせたい!」など、短期的な目標がある場合には有効なことも。ただし、長期間続けるとほぼ確実にリバウンドするほか、内臓や血管への負担も生じやすい。
したがって、リバウンドせず今よりもやせた体を長期にわたってキープしたいという場合、糖質制限ダイエットはしないほうが無難かも。
ウォーキングだけで痩せようと思わない
痩せるためには、運動などでカラダを動かすことが不可欠。もちろんウォーキングも有効。
しかし、運動で消費できるカロリーは意外に少ないうえ、カラダを動かすと食欲が出て、食べる量が増えてしまうもの。なので、運動だけで体重を落とそうとは思わず、運動を有効に使って、食欲をおさえていくのがおすすめなのだとか。
例えば朝、朝食前の空腹の状態で軽い運動――30分程度のウォーキングなどをしてみると、運動には食欲を抑える効果があるため、食べ過ぎ防止につながりやすい。また、これを続けることで徐々に脂肪を燃焼しやすいカラダにもなっていき、運動の効果も得やすくなるそう。
毎日決まった時間に食事をする
食事をする時間が不規則だったり、食事をとらない時間が長く続いたりすると、体内時計にくるいが生じて、太りやすくなりがち。したがって、毎日決まった時間に食事をすることは、ダイエットを成功させるうえで意外に大切なこと。
短期間で体重を減らそうとしてファスティングをしたり、食事と食事の間隔があいたりすると、カラダは「次にいつ栄養が摂取できるかわからない!」と判断し、かえって脂肪をため込みやすくなるもの。忙しくて食事の時間が不規則になりがちな人は、決まった時間に少しでも何か口にできるものを用意するなどして、食事の間隔があきすぎないよう工夫が必要。
単品ダイエットはネタとして捉える
「りんごダイエット」「きゅうりダイエット」など、特定の食品をひたすら食べ続ける単品ダイエットは手軽に行いやすいので、つい手を出しがち。けれども、このダイエット法に大きな効果は期待できない。「ダイエット目的できゅうりを食べているから、ちょっと食べ過ぎても大丈夫!」といった免罪符にしようとすることはNG。
特定の食品ばかりを口にすることで、栄養の偏りがあまり大きくならないように注意するのと、食べ過ぎてしまったときには次の食事を減らしてバランスをとるなど、別の方法で調整することを考えて。
ストレスを上手に発散する
ストレスはダイエットの大敵。ストレスが増えると、脳は快感を求めるため、報酬系食欲が増しがちに。ドカ食いなどの原因になってしまうこともあるので、ストレスをためすぎず上手に発散できる、自分なりの方法をいくつか持っておくことが大切。さらに、ストレスに自覚的になり、「ストレスがたまっているな」と思ったら上手に発散することも重要。
それでも、どうしてもストレスがたまってしまい、食べたい気持ちがたかまってしまう場合は、ココアなどの甘い液体でうがいをするのがおすすめ。これはスポーツ選手もやっている方法で、甘い液体を口にすることで脳の報酬系の活動をしずめ、食欲をおさえるのに役立つのだとか。ぜひ試してみては。
ダイエット成功の近道は「細く長く」続けること!
ダイエットを成功させ、今よりも痩せた状態を長期間キープするには、焦らないことがポイント。焦って短期間で痩せようとしてしまうと、うまくいかずにストレスがたまってしまったり、うまくいってもその後すぐにリバウンドしてしまったりすることも。
細く長く、日々コツコツと無理なくできることを続け、少しずつ体重を減らしていけば、気が付いたときにはしっかりと体重が減り、理想のカラダに近づけているはず。
理想のカラダに近づくならこれ! 手軽に栄養バランスが整って、ダイエットにぴったりの「完全栄養食」
最近、話題の「完全栄養食」。ヒトが健康を維持するために必要な栄養素を全て含んでいて、それが手軽に摂取できる食品として人気なのだそう。パンやヌードルなど、種類もさまざま。コンビニやスーパーなどでも売られていて手に取りやすく、忙しい時の食事やダイエットにぴったり。そんな完全栄養食をご紹介。
(※)ご紹介するアイテムは編集部がセレクトしたものです。監修の医師が効果・効能などを保障、推奨するものではありません。
ZENB
ゼンブヌードル16食 (4袋)
3301円
いつもの主食を変えるだけで、不足しがちな栄養を補えて、健康的なカラダづくりを応援
和・洋・中なんでも使える万能麺で、独自開発した製法でほのかな豆の旨味に、もちっとした食感で、都内の有名シェフも認めるおいしさ。原材料の黄えんどう豆は、古くから北欧やロシアなどで食べられ、海外ではポピュラーな食材であり、近年では栄養豊富な食材として世界から注目され始めています。糖質を控えたい、グルテンフリー食品を食べたい、食物繊維不足が気になる、たんぱく質を摂りたい、小麦を使用していないパスタが食べたい、糖質オフでおいしい麺が食べたい方におすすめ。
BASE
BASE BREAD 完全栄養食 ベースブレッド 4種 (プレーン4袋・チョコレート4袋・メープル4袋・シナモン4袋) 16袋セット
4080円
コンビニでも買える完全栄養食
大手コンビニチェーンでも売られている完全栄養食。1食に2個食べると、必要な栄養素がカバーできるのだそう。1個あたりのカロリーも200~250kcalなので、ダイエット中、つい食べ過ぎてしまう人にもおすすめ。
BASE
BASE Cookies ベースクッキー ハーフセット ココア/アールグレイ 各8袋(1袋 35g)
2990円
1食で、1日に必要な栄養素の1/3がとれるパーフェクトフード
BASEからは、おやつにぴったりなクッキータイプの完全栄養食も登場。1日分の基準値の1/3以上を含む理想的な栄養バランスで、糖質もオフ。ココアの風味がふわっと香るココア味と、茶葉の豊かな香りがたのしめるアールグレイ味の2種類。
完全食TOKYO
完全栄養食 ソイプロテイン 17~34回分 ピーチ 765g
5380円
1日に必要な栄養素の1/3をとれる「完全栄養プロテイン」
1食分の栄養をとりながら、わずか157kcal、脂質も1gとダイエットに最適な完全栄養食。乳酸菌500億個とビフィズス菌50億個、そしてそれらのはたらきをサポートする食物繊維もたっぷり配合。栄養、菌活、美容すべての成分をオールインワンで摂取できる、おいしいピーチ味のプロテイン。
Stylism
完全栄養食 NUCO 500g アメリカンチェリー風味
3990円
甘酸っぱくてサラッと飲める「アメリカンチェリー風味」の完全栄養食
食欲がないときでもサラッと飲める、パウダータイプの栄養補給ドリンク。1杯で1日に必要な栄養素1/3がバランスよくとれるので、栄養バランスが気になる方、偏食気味の方、栄養成分を手軽にまとめて摂りたい方、ボディメイクやダイエット中の栄養管理など、いろいろな場面で役立つはず。
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