カボチャ✕レンチン

薬膳で初冬の冷え対策に。料理家の齋藤菜々子さんの「カボチャ」&「レンチン」で作る【週末ゆるっと!ずぼら腸活レシピ】

更新日:2024/12/06

日々がんばる女性たちにとって力尽きがちな週の後半に助かる「週末ゆるっと!ずぼら腸活レシピ」。平日の食生活の偏りで乱れがちな腸内環境を整える「潤腸食材」と「道具ひとつ」で、簡単に作れて腸活や冷え改善にも役立つレシピをご紹介。第4回目は、国際中医薬膳師の資格を持つ料理家の齋藤奈々子さん。おなかがすっきり整う「カボチャ」と温め食材を掛け合わせ「レンチン」で作るずぼら3品をご紹介。

■「カボチャ」&「レンチン」で体を温めて冷え対策を

カボチャ、道具、先生

ほっくりした食感が人気の「カボチャ」で腸活や冷えにも。レンチンでほったらかして簡単

中医学(中国の伝統医療)にある“食事で体調を整える”という考えを活かし、体調や体質、季節に合わせ、自分に必要なものを食べる薬膳。「中医学では人間の体は五臓(肝・心・肺・腎・脾)、六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)によって生命活動を維持しているとされています 。そしてこれらを動かすのが、体内の気・血・水。この3つがバランスよく循環しているのが健康な状態とされていて、ひとつでも滞ったり欠けたりすると不調の原因にも。そのため、食材を選んで食べるということが大事になってきます」(齋藤さん)

特に腸活と関係のあるお通じには"ツルッと滑らせる"食材を摂ることが最優先。そこで有効なのが「カボチャ」。また、寒くなるこの季節は、冷えによって体内の動きが悪くなり、大腸が縮こまってお通じが滞る人が多いとか。「手足が冷たい、下半身がむくむなど慢性的な冷えを抱えているような、薬膳の考えに基づいた”冷え詰まりタイプ”の人は、冬はいっそう腸の動きが滞りやすいです。カボチャに加えて、ツナや鶏肉、カレー粉など温め食材を摂るのがおすすめです。下記特徴に心当たりのある人は、対策食材&レンチンで簡単に食事でメンテナンスしてみてください」(齋藤さん)

【冷えず詰まりタイプはこんな人】

<特徴>
□手足が慢性的に冷えている
□下半身が慢性的にむくんでいる
□トイレが近く、お小水の色が薄く量が多い
□顔が青白い
□舌が白っぽい、舌の苔も厚く白い
□冷えると腹痛が起きやすい
□はじめは出にくいがのちに軟便になりやすい


<冷え対策食材>
カボチャ
鶏肉
ツナ
カレー粉

■齋藤さんの腸活に役立つ+α食材

腸活には"潤腸食材"を積極的に摂ろう

腸を活性化させるために、中医学で重視しているのは、"腸を潤す"ことだとか。「しっとり潤わせて滑りをよくして出しやすくする食材を“潤腸食材”といいます。メイン食材のカボチャ以外にも、シメジ、乳製品であるヨーグルト、油脂が多いごまが、このあと紹介するレシピにも登場。潤腸食材の掛け合わせで、腸をパワーアップさせて」(齋藤さん)

ずぼら「潤腸食材」POINT

キノコ類、乳製品、種子類など潤腸食材の代表的な食材です。手に入りやすい食材ばかりなので、一度にたくさん食べるのではなく、コツコツ毎日食べることで体質改善につながります。

■週末ゆるっと!「カボチャ」ずぼら腸活レシピ3

【金曜日:カボチャとツナ缶のトマト煮】しっとり潤してつるん!温め食材+αで腸もポカポカ

「潤腸食材でもあるカボチャは、滑りをよく出しやすくする食材の代表格。同時に体を温める作用もあるので腸冷えが原因のお通じで悩んでいる人には強い味方。加えてツナは体を温めて機能を整えると言われています。手足が冷たい、むくみやすいといった人にもおすすめ。しかも缶詰なので、常備できてお手軽です」(齋藤さん)

<材料・2人分>
A
水・・・100ml
トマト缶(カットタイプ)・・・1/2缶(200g)
ニンニク(すりおろし)・・・小さじ1/4
赤唐辛子(輪切り)・・・1本分
塩・・・小さじ1/4

カボチャ(1㎝厚さの食べやすい大きさ)・・・大1/8個(250g)正味200g
シメジ(石づきをとりほぐす)・・・1/2株
ツナ缶(汁を切る)・・・1缶
粗びき黒コショウ…適量

<作り方>
1.耐熱ボウルにAを入れて混ぜ合わせたら、カボチャ、シメジ、ツナ缶の順に入れる。
2.ふんわりとラップをして600wで6分半~7分半、カボチャがやわらかくなるまで加熱する。
3.器に盛り、粗びき黒コショウを振り、お好みでイタリアンパセリ(粗みじん切り)を散らす。

ずぼらPOINT

火の通りにくいカボチャを耐熱ボウルの下に入れて重ね蒸しをすることで、加熱のむらがなくなって一度のレンチンで簡単に完成。

【土曜日:カボチャと鶏肉のごま味噌煮】 滑りをよくするカボチャと体を温める鶏肉で腸活

「カボチャ同様に鶏肉は体を温める働きもあり寒くなり始めた季節にぴったり。薬膳料理で腸を活性化させるのに非常に重要な食材のひとつであるカボチャは、気を補う効果のある鶏肉と組み合わせることで、エネルギーが満ちて代謝が上がり、冷えの緩和や疲労回復に役立ちます」(齋藤さん)

<材料・2人分>

水・・・80ml
味噌・・・大さじ1
酒、醤油、砂糖・・・各大さじ1/2

カボチャ(皮をむいて3㎝大)・・・大1/8個(250g)正味200g
鶏もも肉(余分な脂を切り落とし、食べやすい大きさ)・・・1枚(300g)
白すりごま・・・大さじ2

<作り方>
1.耐熱ボウルにAを入れて混ぜ合わせたら、カボチャの皮面を下にして加える。
2.鶏肉は皮面を上にしてのせ、ふんわりとラップをして600wで7~8分、鶏肉に火が通るまで加熱する。
3.白すりごまを加えてさっと混ぜ、器に盛る。

ずぼらPOINT

カボチャの皮面を下に、鶏肉の皮面は上にしてレンチンすることでカボチャは加熱しやすく、鶏肉は硬くなるのを防ぎます。

【日曜日:カボチャのスパイシーサラダ】カボチャとスパイスの名コンビ。冷えた体を芯から温める

「カボチャに加えて乳製品であるヨーグルトも便のすべりをよくしてお腹すっきり。そしてカレー粉にはターメリック、ウコン、シナモンなど薬効成分のある生薬が多くこれらは消化を助けたり、体を温めて血行をよくしたりしてくれたりします」(齋藤さん)

<材料・2人分>
カボチャ(2㎝角に切る)・・・小1/4個(350g、正味300g)


プレーンヨーグルト・・・50g
ニンニク(すりおろし)・・・少々 
カレー粉・・・小さじ1/2
塩・・・小さじ1/3
オリーブオイル・・・小さじ2

生ハム(食べやすい大きさにちぎる)・・・8枚
紫玉ネギ(薄切りにして水にさらす)・・・1/8個(なければ玉ネギ可)

1.耐熱ボウルにカボチャ、水大さじ3(分量外)を入れてふんわりとラップをして600Wのレンジで5分加熱し、粗熱をとる。
2.混ぜ合わせたAを1に加え混ぜ、全体がなじんだら生ハム、水気を切った紫玉ネギを加えてさっと混ぜたら器に盛る。

ずぼらPOINT

カボチャが柔らかくまるまでレンジで加熱したら、あとは調味料を混ぜるだけ。多めに作っておけば作り置きおかずにも最適です。

■腸活レシピを教えてくれた人

PROFILE/齋藤菜々子さん

料理家・国際中医薬膳師。大学卒業後一般企業に就職。忙しい日々の中で食事が心身の充実につながることを実感し、料理の道を志す。日本中医食養学会・日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師を取得。「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、家庭で毎日実践できる薬膳を提案。著書には『毎日続けたい潤いスープ』(文化出版局)ほか

【ヘルスケア特集】

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PHOTO/MANABU SANO WRITING/MIE MINEZAWA 

※記事は2024年12月6日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります